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闇金の借金を返せないとどうなるの?相談先や注意事項も解説

相談・解決

やむを得ない事情により、闇金から借金をする方もは多くいらっしゃいます。しかし、闇金は大変に高利なため、返済できなくなるケースも珍しくありません。

返済が滞ると、闇金から昼夜を問わず返済を督促する電話がかかって来ることもあります。それでも返済できなければ、友人や家族、勤務先まで巻き込んだ嫌がらせをされる事態になりかねません。

今回は、闇金からの借金を返せないと、どのようなことが起きるのか、闇金の借金が返済できない時の相談先や注意事項などについて解説します。

執拗な返済督促連絡

闇金の返済期日に返済ができなかった場合、次のように執拗な返済督促連絡が来る可能性があります。

常軌を逸した回数の連絡

闇金への返済ができなくなってしまうと、1日に数回といわず、数十回~100回以上の返済督促の電話がくることがあります。また、かかってくる時間帯は、深夜や早朝など昼夜を問いません。

高圧的な表現方法

督促の電話口で闇金業者は、相手を威圧するような高圧的な口調で、「返済はどうなっているんだ!」などと罵声を浴びせることもあります。
お金がない旨を伝えれば、「家売ってでも金を調達しろ、家族や友人からお金を借りろ、別の金貸しから金を借りてこい!」といった、無茶な要求をされることもあります。

督促連絡は自宅以外にも来る

債務者が借入申込書などに、家族や勤め先の電話番号を書いていると、家族や勤め先にも連絡がいきます。そのため、闇金に返済できないと、家族との関係や勤務先での評判も悪くなってしまう可能性があるのです。

闇金の家族や勤務先に対する取り立てについては、以下の記事で解説していますので、併せてご参照ください。

自宅や家族、勤務先に対する迷惑行為

前述したような督促に加え、利用者の自宅、家族や友人に対して、次のような迷惑行為を行うケースもあります。

債務者の友人に連絡

闇金は返済できない債務者に対し、「誰か友人や知人の電話番号などを教えれば、利息を待ってやる」などの口実をつけ、友人や知人の電話番号やメールアドレスを入手しようとすることがあるようです。
そして、入手した連絡先に対し、「あんた~さんの友達でしょ、借金返済で困っているから助けてあげてよ」などの不当な要求をすることがあるといわれています。他にも、「緩い審査基準にて融資可能です」などの営業を行うこともあるようです。

SNSで勝手に接触

闇金業者にFacebookやLINEなどのSNSを知られている場合は、友人や知人など周囲の人間に勝手に接触されることもあるため、注意が必要です。
その場合も、債務者に代わって返済をするように迫ることや、融資の勧誘を行います。また、債務者の個人情報について、あることないこと誹謗中傷を言いふらされるような風評被害を受けるケースもあります。

勝手な緊急車両手配

自宅や闇金業者に知られた住所などへ、パトカーや救急車などの緊急車両を、勝手に呼ばれるといった嫌がらせをされるケースもあります。
緊急車両手配を受けつける側も、複数回になると不審に思い、2回目以降は実際に出動にはならない可能性もあります。万一、本当に必要になった場合には、窮地に追い込まれるかもしれません。

勝手な出前

緊急車両手配同様、一方的にピザや寿司などのデリバリーを、自宅や友人宅などへ勝手に大量注文するなどの不当行為が行われるケースもあります。
全く身に覚えのない出前をされた方はもちろん、ロスが生じる業者側にも迷惑が掛かります。

自宅周辺への嫌がらせ

最近の闇金業者は、自宅へ直接取り立てに来ることはあまりないといわれています。しかし、代わりに自宅周辺で、以下のような嫌がらせ行為を行うことがあります。

取り立て連絡

債務者の自宅住所周辺の民家などに電話し、「お宅~さんの知り合いなんでしょ?~さんの代わりに返済してもらえない?」などの、不当な要求連絡をすることがあります。

もし仮に連絡がきたところが飲食店や議員の家などであれば、「あそこはもしかして闇金や暴力団と関わりがあるの!?」などと、根も葉もない噂につながる可能性もあります。

騒音や張り紙

自宅周辺で「~さんはうちからお金を借りているのに返してくれません」と騒音を鳴らしながら、大きな声で悪口をいってまわることや、債務者に対する誹謗中傷を書いた張り紙を、自宅周辺の電柱や壁などに貼り付けることもあります。

動物の死骸を放置する

自宅の前や近所などに、猫やヘビなどの死骸を放置する嫌がらせをされるケースもあります。交通の妨げになることはもちろん、悪臭により自分を含め近所の人が、体調不良を起こす可能性もあり、大変迷惑です。

タブレット端末や銀行口座の譲渡を求められる

闇金の借金を返せなくなると「利息を含めた返済を待つから、新規契約したスマホなどのタブレットや銀行口座をこちらに譲りなさい」と、要求されるという事例も報告されています。
その程度のことで待ってもらえるのならば、と応じてしまう方もいるようですが、スマホやタブレット、銀行口座の譲渡には、次のようなリスクがあります。

携帯電話などのタブレット端末のケース

違法行為の可能性

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、スマホなどのタブレット端末を、携帯電話事業者に無断で譲渡すると、携帯電話不正利用防止法違反になる可能性があります。
また、債務者が自らの身分証明書を提示し、契約した携帯を携帯会社に無断で譲渡する行為は、携帯電話会社に対しての詐欺行為とみなされる可能性もあります。

このように、携帯を譲渡することは法律違反であり、それ自体が犯罪行為なのです。それだけではありません。

結果的に犯罪に加担することになる

闇金業者は警察の捜査から逃れるために複数の電話番号を使い、次から次に携帯電話を変えようとします。こうした事情から闇金業者は、債務者に携帯電話譲渡を求めるわけです。

よって仮に自分名義の携帯電話を闇金業者に譲渡し、闇金業者者の貸金業行為にその携帯電話が使われるということは、結果的に犯罪に加担しているのと同じことなのではないでしょうか。

電話代請求がくる

闇金側へ携帯電話を譲渡しても、契約上持ち主は債務者のままです。よって電話代請求は元の持ち主である債務者の元にきますので、思わぬ高額請求をされる可能性があります。

銀行口座譲渡

携帯電話ではなく、銀行口座を譲渡するように求められることもあります。債務者の中には、「どうせ大して入っていないし」と、深く考えずに譲渡してしまう方もいるようです。

しかし、この行為は犯罪収益移転防止法違反の立派な違法行為になる可能性があります。

また、譲渡した口座は、闇金の口座として使用される可能性が高いため、もし闇金業者に対し警察の捜査が入るようなことがあれば、その口座の名義人であるあなたも闇金業者の仲間だと思われてしまう可能性もあります。犯罪利用口座として銀行側に認識された場合、同一名義の他の銀行口座まで凍結されることや、新規の銀行口座の開設ができなくなることもあるため、安易に闇金に銀行口座を譲渡することは絶対に止めましょう。

闇金に返済できない時の相談先

闇金に返済できない時は、下記で紹介する相談機関に相談することをおすすめします。

法律の専門家

基本的に闇金を返せない時の1番のおすすめ相談先は、法律の専門家です。
法律の専門家に相談した場合、スムーズに交渉が進めば、その日のうちに取り立てが止まるケースもあります。

法律の専門家に相談するには費用が掛かるため、手持ち資金がない方は躊躇するかもしれませんが、闇金相談を専門に扱っている事務所などでは、相談者の事情に応じて後払いや分割払いに対応していることが多いため、諦めずに相談してみることをおすすめします。

法律の専門家に闇金問題を相談する際の流れは、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

消費生活センター

いきなり法律の専門家のところへ行きにくい場合、まずは消費生活センター(国民生活センター)に相談してみるのも良いでしょう。

ただし、消費者センターは基本的に相談者の相談に対しどのように問題を解決すれば良いかのアドバイスをくれる機関ですので、最終的には警察か法律の専門家のところへ行くよう指示されることになります。

参考サイト:消費者センター(国民生活センター)

貸金業相談・紛争解決センター

日本貸金業協会の運営する貸金業相談・紛争解決センターでも闇金被害を相談することが可能です。
こちらも、相談機関ですので最終的には警察か法律の専門家に相談するようにアドバイスされることになると思いますが、もし自分が利用しているのが闇金であるか分からない場合や、正規の貸金業者とのトラブルも同時に抱えている場合などは、こちらに相談することをおすすめします。
サイト内には、ヤミ金(悪質業者)検索もありますので、自分が利用した業者が闇金か知りたい場合などは、まずはこちらで確認してみると良いでしょう。

参考サイト:貸金業相談・紛争解決センター

地方自治体の相談窓口

地方自治体には、闇金被害の相談窓口を設置しているところもあります。
消費生活センター同様、法律の専門家のところへ行くようすすめられる可能性が高いですが、最初の相談場所としてはおすすめかもしれません。

警察

闇金被害は警察に相談することも可能です。

しかし、基本的に闇金との争いは民事案件となり、警察は民事不介入を原則としているため直接捜査には着手しない傾向にあります。そのため、警察に相談するだけで、闇金問題を解決することは難しいのが現実です。

ですが、もし闇金業者から実際に暴行されたなど、刑事事件として扱われる事実があれば警察へ相談に行くことをおすすめします。
闇金問題を警察に相談する流れについては、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご参照ください。

返済できない時の注意事項

闇金の借金が返済できない時、次のようなことに注意する必要があります。

電話を無視することは要注意

携帯電話の電源を切ったり着信拒否をしたりすることは、禁物といえます。
次から次に違う番号からかけてくるだけでなく、闇金側が激高し、家族や知人、勤務先などへの迷惑行為がエスカレートする可能性もあります。

自力での交渉

法外な高利を課す闇金業者からの借金には、法的には返済義務はありません。しかし、専門家ではない素人が闇金業者と交渉を行って、返済しないことを認めさせることはまず不可能です。

闇金側は、基本的に自分たちが違法行為をしていることを自覚しています。その上で、高利の取り立てを行っているのです。

法的な権限を持たない一般人が太刀打ちできる相手ではありません。
また、闇金の背後には反社会的勢力が存在するケースも少なくありません。自力で交渉することは危険ですので、絶対に止めましょう。

証拠を残す

法律の専門家や警察に相談に行く際には、相手が法律違反を行っているという具体的な証拠を準備しておくことをおすすめします

貸金業法では、取立てに関して以下のような行為が禁止されています。

・正当な理由なく、午後9時~午前8時の時間帯に電話またはFAXにて連絡をすること
・正当な理由なく、午後9時~午前8時の時間帯に債務者の自宅を訪ねること
・正当な理由なく、債務者の自宅以外(勤務先や実家など)に連絡を入れること
・連帯保証人以外で債務者の周囲の人間などに債務の弁済を求めること
・張り紙や立て看板などで、債務者の私生活や債務についての情報を第三者に知らせること

上記のような違反行為があった場合は、録音や画像撮影などで記録に残しておくと良いでしょう。

闇金業者が自宅に来た場合

最近は闇金業者が債務者の元に直接押し掛けてくることはあまりありません。しかし、もし闇金業者が自宅までやって来た場合、絶対にドアを開いて直接対峙することは止めましょう。例え、あなたが柔道や空手の経験者だったとして、相手がナイフなどの武器を所持している可能性もあります。

玄関先まで来て帰ろうとしない場合は、速やかに警察へ通報するようにしましょう。

法律家に相談する際の注意点

法律家といえども、100%すべての法律家が良心的とは限りません。法律家の中には、闇金業者と手を組んで債務者を陥れる悪徳法律家も存在します。

闇金対応を依頼する際は、事前にネットなどで評判を調べた上で、実際に相談してみて信用できると確信できた所へ依頼するようにしましょう。

夜逃げは有効か

返済できない方の中には、夜逃げをすることで闇金から逃れようと考える方もいらっしゃいます。
しかし、夜逃げは大変リスクがある行為です。また、それで闇金から逃れられるとも限らないため、闇金から逃れる手段として、夜逃げはあまりお勧めできません。

闇金の借金で夜逃げをするリスクについては、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご参照ください。

まとめ

今回は、闇金に返済できない時にどのような事が起きるか、闇金に返済できない時の相談先、返済できない時の注意事項などについて説明しました。

闇金は大変に高利なため、返済できなくなる方は珍しくありません。返済ができないと、闇金はあの手この手を使い、強引な取り立てや嫌がらせ行為をしてきます。もし闇金に返済できなくなった場合は、それ以上のトラブルに巻き込まれる前に、闇金対応の実績が豊富な法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。年中無休で迅速に対応しますので、闇金の借金を返済できなくなりお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。