いくら返しても完済できない闇金のからくりとは?

闇金から一度お金を借りてしまうといくら返済しても完済することは基本的には不可能です。
そもそも闇金はお金のない人に対して半永久的に利息を払わせ続けることを目的にしているためです。
「なぜ闇金に引っかかる人がいるか分からない」「闇金が根絶されないのはなぜだろう」と闇金について疑問を持つ人も多いかもしれません。
闇金は貸付の手口や勧誘の方法、警察の摘発を逃れる手口など、さまざまなからくりを駆使してお金のない人からお金を搾取しています。
闇金に引っかからないためには、闇金のからくりに関して理解を深めておく必要があります。
この記事では闇金のからくりを解説していきます。闇金のからくりを理解して、絶対に闇金には引っかからないようにしましょう。
目次
闇金の基本的なからくり
まずは闇金の基本的なからくりについて解説します。闇金の目的はお金のない人に対して利息を永遠に払わせ続けることにあります。
このために法外な超高金利を設定し、お金を払わない人には脅迫し、恐怖によって利息を払わせ続けるのです。
まずは闇金の基本的なからくりを詳しく解説していきます。
年利300%以上の超高金利を設定する
闇金の金利は10日で1割のトイチと呼ばれる設定が基本です。
10日で1割ということは月利30%、年利360%もの超高金利です。10万円借りただけでも年間36万円もの高額な利息を支払っていく必要があります。
また最近の闇金ではトイチは低い方で、10日で3割のトサンという金利が設定されることもあります。
年利は実に1080%にもなり、10万円借りただけなのに年間の利息負担だけで実に108万円にも達します。もちろん、このような異常な高金利は違法行為です。
利息の支払だけで元金が減らない
このような超高金利を設定されてしまえば多くの人が利息の支払だけで首が回らなくなります。
闇金から10万円程度を借りなければならないほどお金に困っている人が、利息だけで36万円とか108万円もの支払ができるはずはありません。
一度借りてしまうと元金が減らず利息の支払ばかりが発生して、元金返済まで手が回らない。これが闇金の最初のからくりです。
返済できない人には闇金が脅迫する
普通の金融機関は返済能力のない人に対して融資はしません。融資をしてもお金を返済してもらえずに貸し倒れになってしまうためです。
しかし、闇金が融資のターゲットとしているのは、まさにそのような返済能力がなく銀行からお金を借りることができない人となります。
銀行の回収方法は給料などから返済をしてもらうことです。しかし、闇金からお金を借りる人は銀行などからお金を借りることができない人です。
通常であればそのような人は借金を返済できません。しかし、闇金はそのような人に対して徹底的に精神的に追いつめる督促を行います。
昼夜を問わない督促電話、勤務先への電話、自宅前への張り紙、子供へのつきまとい等々、「お金を払わなければ命が危ない」と思わせるような督促を行い、精神的に追いつめ「お金を払えば救われる」という精神状態にさせてお金を払わせるのです。
延々と利息だけを払わせる
どんなにお金のない人でも毎月2〜3万円程度であれば稼ぐことはできます。
闇金は利息しか支払うことができない高金利を設定し、お金がない人を脅迫して恐怖心でお金を払わせる、このサイクルを繰り返して利息だけを延々と支払わせます。
これが闇金の基本的なからくりです。
お金をどこからも借りることができない人でも、闇金からであれば借りること自体はできます。
しかし一度闇金からお金を借りてしまうと、永遠にカモにされるからくりに巻き込まれてしまうので、闇金からはお金を借りるのは避けましょう。
闇金からの借金が完済できないからくり
闇金は一度借りてしまうと完済することが非常に難しくなります。むしろ完済できないと考えた方がよいかもしれません。
普通の金融機関であれば、貸したお金は完済してもらわなければ困ります。
しかし闇金は完済されてしまったら高い利息を払うカモがいなくなってしまうので、完済させないような仕組みになっているのです。
闇金が完済できないからくりについて、詳しく見ていきましょう。
利息の設定が異常で元金返済まで手が回らない
基本的な手口として、闇金は利息の設定が尋常ではない超金利ですので、お金のない人が利息と元金を完済することはかなり難しい仕組みになっています。
返済に困るとジャンプをすすめる
闇金に「お金がないから返済できない」と言うと、返済のジャンプを勧められます。
返済のジャンプとは、返済を1か月先に回すということです。しかし、1か月分の利息は支払わなければなりません。
闇金の目的はそもそも完済させないことですので、闇金は返済に困っている人に優しい口調で「ジャンプしましょう」と言ってきます。
しかしこれは助けてくれるわけでもなんでもなく、完済させないための闇金のからくりなのです。
完済しようとすると理由をつけて完済させない
例えまとまったお金が手に入ったとしても闇金は完済させてくれません。
闇金に「完済したい」と伝えると、闇金は「まだ未払いの利息がある」「手数料の支払は残る」「まとまったお金はとっておいた方がいい」などと何かしら理由をつけて、決して簡単に完済させてはくれません。
前述したように、闇金にとってはお金を借りている人は半永久的にカモであり続ける必要があるので、「完済したい」と言ってもすんなり完済させるようなことはまずあり得ません。
理由をつけて完済させないか、脅迫を行うなどの方法を取るため、闇金からの借金を完済するのは非常に難しいといえます。
闇金の様々な手口
闇金の手口は年々巧妙化しています。これだけテレビやネットで闇金が話題になれば、多くの人が警戒心を持ち始めるからです。
このため、闇金も警戒されずにお金に困っている人へアプローチできるように、新しい手口で顧客を勧誘しています。闇金の勧誘のからくりはどのようなものなのでしょうか?
ソフト闇金
ソフト闇金とは、前述したような高金利の貸付は行わず脅迫的な取立てもしない業者です。高金利の貸付はしないといっても利息制限法の上限金利は超えているのが一般的です。
また、そもそも貸金業者としての登録を行なっていないので、普通の闇金と同じような違法業者であることも変わりありません。
また、返済に遅れるような場合には脅迫的な取立てをしてくる可能性も十二分にあります。
スマホ向けサイトでの集客
「借りやすい業者ランキング」などと、あたかも登録貸金業者のように記載したスマホサイトを闇金が作成するパターンもあります。
「どこからも借りることができない私でも借りることができた」などの嘘の口コミを並べて、サイト訪問者を信用させて集客する方法です。
サイトを信用した訪問者は「違法業者ではない」と信じ込み、お金を借りてみると実は闇金だったというケースです。
ネット上で「絶対 借りれる」などと検索すると、このようなページがいくつもヒットしますが、このような業者からお金を借りてはいけません。
SNSでの集客
最近はSNSでの集客も増えています。突然FacebookやTwitterなどでフォローされ、DMが来たという経験がある人も多いのではないでしょうか?
このDMの目的は、情報商材か怪しい出会い系サイト、あるいは闇金へと最終的に誘導することです。
少し会話を進めていくと、お金を借りることができるという話へと進展していきます。
最初は一般的な会話から入っていくので、信頼してしまう人も多いですが、突然フォローしてきた人を信頼せずに、そのような貸付の話は断りましょう。
個人間融資掲示板での集客
個人間融資掲示板での勧誘も、最近では闇金の常套手段です。個人間融資掲示板とは、お金を借りたい人とお金を貸して運用したい人がマッチングできる掲示板です。
しかし、一般の投資家は顔も見たことがないような人にお金を貸して資産運用しようとは思いません。貸しても逃げられたら終わりだからです。
つまり個人間融資掲示板で「お金貸します」と書き込んでいる人のほとんどが闇金です。闇金にとっては、お金のない人が集まる個人間融資掲示板は宝の山です。
掲示板に善人のふりをして「お金を貸します」と書き込んでいますが正体は闇金のため、善人だと思ってもお金を借りた瞬間に態度が変わりますので注意しましょう。
090金融
街中で「お金貸します」という文言と携帯電話番号だけが書かれた看板を目にしたことがある人も少なくないのではないでしょうか?
連絡先が携帯電話番号しかないこのような業者を090金融といいます。事務所や固定電話がないので、警察の摘発を逃れやすいのが特徴です。
正規の登録貸金業者は事務所の固定電話を持つことを義務づけられています。連絡先が携帯電話番号しかない業者からの借金はやめましょう。
カラ貸し
カラ貸しは闇金というよりも詐欺の行為です。
過去に闇金から借りていた人、他の闇金から借りている人に「まだ返済されていない」などと嘘の電話をかけてお金を払わせる行為です。
闇金からお金を借りている人は、多重債務のためどこからいくら借りているかも分かっていないことが多いです。
そのため「まだ返済されていない」と言われれば、「そうだっけ?」と思い込んで支払ってしまうことがあります。
一度カラ貸しにだまされてお金を払ってしまうと、翌月以降も「完済できていない」などとしつこく督促が来てしまいます。
闇金業者は、ほかの闇金からお金を借りている人や借りたことがある人、闇金に問い合わせたことがある人のリストを持っています。
複数の借入があり闇金に個人情報が流出している可能性がある人は、カラ貸しにだまされないよう自分の借金の本数や残高を把握しておきましょう。
闇金がなくならない警察の目を避けるからくり
これだけ闇金闇金とメディアで話題になっているにも関わらず、闇金はいまだに根絶されていません。それは闇金が警察の目をかいくぐっているからです。
闇金は違法行為ですので、警察に逮捕されないように事業形態についてもからくりがあります。警察の摘発を避けるために闇金はどんなからくりを持っているのでしょうか?
事務所を持たない
闇金は事務所を持ちません。事務所を持ってしまったら警察に摘発されやすくなるためです。
どこかのアパートを転々として、警察の捜査から逃れるのが基本的な営業方法です。もちろん、事務所を持たずに貸金業を営むことは違法行為です。
連絡先は携帯電話
090金融の説明でも述べた通り、闇金は固定電話を持たず、連絡先は携帯電話だけというのが基本です。固定電話を持つと居場所を警察に突き止められやすくなるためです。
また、携帯電話の名義も過去に闇金からお金を借りていた人の名義や架空名義ですので、携帯番号からも足がつかないからくりとなっています。
ちなみに、一時期コンビニでも売っていたプリペイド携帯がほとんど無くなってしまったのは、名義なしで購入できるプリペイド携帯が、闇金や振り込め詐欺などに悪用されることが多かったためといわれています。
銀行口座は売買した口座
返済金を振り込ませるための銀行口座も、過去に闇金から借りていた人名義の口座か、闇ルートなどで購入した口座です。
いずれにしても、闇金グループのだれかの口座であることはまずありません。口座名義からも絶対に足がつかないようになっています。
このように、事務所を持たない、連絡先は第三者名義の携帯電話、他人名義の銀行口座というからくりによって、闇金は巧みに警察からの摘発を逃れているのです。
闇金の対策はからくりを熟知した専門家へ
闇金からの借金は完済できないようになっていますし、警察の摘発を待っても闇金の捜査は難しいのでなかなか逮捕されません。
また、闇金からお金を借りてしまったことを警察へ相談しても、民事不介入のため基本的には積極的に動いてくれません。
ましてや闇金の背後にいるのは暴力団ですので、素人が対応することは危険です。
闇金からお金を借りてしまった時には、上記のような闇金のからくりを熟知している専門家に相談するようにしましょう。
弁護士や司法書士へ相談しよう
闇金からの借金に悩んでいるのなら、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することが重要です。
闇金問題に強い専門家へ相談すれば、1週間もかからずに闇金問題は解決することもあります。それは専門家が間に入ることによって闇金が逃げていくからです。
警察は闇金問題では積極的に動こうとしませんが、闇金問題に強い専門家は警察に対してもコネクションを持っていることが多いので、警察が動く可能性があるためです。
このような事情を闇金は分かっているので、専門家に相談されると多くの闇金は摘発を恐れて逃げてしまうのです。
基本的には相談すれば督促は止まる
闇金からお金を借りている人が最も頭を悩ませるものが、脅迫的な督促です。
しかし、弁護士などの専門家が間に入ることによって、闇金との交渉窓口は専門家になるので、自分のところに督促がくることはなくなります。
闇金問題に頭を悩ませている人にとっては、これだけでも精神的な苦痛の大部分を取り除くことができるのではないでしょうか?
返済したお金は返ってこない。早めに相談を
専門家が間に入ることによって、確かに闇金問題は解決できます。しかし、これまで違法金利の上で支払ってきた膨大な利息が返ってくるかといえばそれは別問題です。
基本的に闇金に一度支払ったお金は返ってくることはありません。
相手は背後に暴力団がついた反社会的勢力ですので、取立てを止めることはあっても親切にこれまで支払ったお金までは返済してくれません。
また、判例によって闇金から借りたお金は元本すら返済しなくてよいとされています。
つまり、早く専門家に相談すればするほど経済的なメリットがあり、相談が遅くなればなるほど負担が増えることになります。
闇金問題は一般の人が解決することはほぼ不可能です。「闇金からお金を借りてしまった」と気づいたら、とにかく早く専門家へ相談することをおすすめします。
まとめ
闇金には完済させない、顧客を勧誘する、警察から摘発されないという3点において様々な巧妙なからくりを持っています。
お金を金融機関などから借りることができずに首が回らない人が、闇金に引っかかってしまうのもある意味仕方のないことかもしれません。
そして、警察に相談しても中々動いてはくれず、闇金の摘発が難しいのも事実です。
闇金問題を解決したいなら、弁護士や司法書士といった専門家へ一刻も早く相談するようにして下さい。