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闇金にだまされないための「闇金7つの見分け方」

闇金の手口

消費者金融は、アコムやプロミスなどのだれもが名前を聞いたことがある大手業者だけではありません。むしろ、消費者金融の大部分は、大半の人が名前を耳にしたこともない中小業者です。

名前を耳にしたこともない消費者金融でも、その業者が闇金ではなく合法の登録貸金業者であれば、お金を借りても基本的には安全です。しかし、間違って闇金からお金を借りてしまうと本当に大変な思いをします。

消費者金融が闇金なのか、合法の登録貸金業者なのかはどのように見分けたらよいのでしょうか?闇金の見分け方を7つ紹介していきます。

闇金の見分け方1:貸出条件

まず、闇金の見分け方として、貸出条件をチェックするという方法があります。

消費者金融の貸出条件は、以下のように法律によって金利や収入証明書の提出条件などが詳細に決まっています。

  • 貸出金利:利息制限法の範囲内
  • 収入証明書:50万円超または他社借入との合計で100万円を超える場合は提出必須
  • 貸出金額:総量規制(年収の3分の1)の範囲内

これらの基準を外れて「お金を貸します」と言っている業者は闇金です。詳しく見ていきましょう。

利息制限法を超えていないか

消費者金融がお金を融資する際には「利息制限法」という法律を守らなければなりません。

利息制限法によって決められた金利は以下の通りです。

  • 10万円未満:年20.0%
  • 10万円以上100万円未満:年18.0%
  • 100万円以上:年15.0%

お金を貸す場合には上記の金利を超えることはできませんが、闇金は当然ながらこの金利を守りません。

業者から提示された金利が上記の金利を超えていた場合には、その業者は闇金ですので絶対に取引を行なってはいけません。

なお、金利は年利で表示しなければならないと決められています。

闇金の中には、月利15%などと提示する業者も存在します。月利とは1か月の金利ですので、月利15%は年利換算で180%にもなり、間違いなく違法金利です。

月利か年利かを確認せず数字だけを見て「安全だ」と決めつけてしまうと、実は違法金利の闇金だったという可能性もあります。

このように、金利が年利で表示されており、利息制限法の上限金利内かという点をチェックしましょう。

なお、一般的に闇金は10日で1割、通称「トイチ」と呼ばれる金利を設定しています。

10日で10%ということは1か月で30%、1年で360%もの高金利になりますので、絶対に取引してはいけません。

収入証明書を要求しているか

闇金の中には「収入証明書不要」と謳っている業者も存在します。

収入証明書の提出基準は、前述したように法律に決められたルールです。

借りる人が収入証明書の提出基準に該当しているにも関わらず、提出を要求しない業者は間違いなく闇金ですので、「収入証明書不要」という甘い言葉に乗せられて取引をしないようにしてください。

無職でも貸し出すと書いていないか

闇金の中には「無職でも融資可能」と謳っている業者も存在します。

しかし、貸金業者は総量規制の影響を受けるので、年収の3分の1を超える借入をすることはできません。

つまり、年収のない無職の人はお金を消費者金融から借りることはできないのです。収入0円の3分の1は0円だからです。

無職で借りることができるのは専業主婦だけですが、専業主婦への融資は「夫の収入証明書の提出が必要」になるなど、厳しい条件が設けられています。

このため、無条件に「無職でも融資可能」と謳っている業者もやはり闇金だと判断して、絶対にお金を借りてはいけません。

闇金の見分け方2:貸金業登録番号

消費者金融は、国や都道府県に登録が必要な業種です。

登録を受けるには、各支店に最低1名は「貸金業務取扱主任者」という国家資格を持っている人の配置が必要などの厳しい条件があり、この条件をクリアしていない会社は登録貸金業者として国や都道府県に登録することができません。

登録を受けた業者は、国や都道府県から貸金業法を守った業務運営を行なっているかどうか厳しいチェックを受けるので、一般的には法律遵守で業務が行われます。

そして、登録貸金業者は「貸金業登録番号」という番号を付与されます。

つまり、貸金業登録番号があり、その番号が正しいものであれば、その業者は闇金ではなく登録貸金業者として安全に取引ができる会社だということが分かります。

登録貸金業者は闇金ではない

登録貸金業者は登録に必要な厳しい条件をクリアしている業者ですので、闇金ではありません。

そのため、名前を聞いたことがない業者と取引をする前には、必ず貸金業登録番号があるかどうかをチェックしましょう。

消費者金融などの貸金業者のホームページには、必ず貸金業登録番号が表示されています。

ホームページの「会社概要」などのページから貸金業登録番号の有無を確認し、どこを探しても表示がない場合には取引をしない方が無難です。闇金の可能性が極めて高いと言えます。

金融庁の貸金業者検索サービスで調べられる

ホームページなどに貸金業登録番号の表示があったとしても、それだけでその業者が安心できる合法の登録貸金業者と判断することはできません。

ホームページに架空の貸金業登録番号を表記している闇金も、存在する可能性があるからです。

金融庁ホームページの「登録貸金業者検索サービス」で、その業者が登録貸金業者かどうか必ず確認をするようにしてください。

参考:https://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php

登録貸金業者検索サービスでは、以下の検索項目から登録貸金業者を検索することができます。

  • 貸金業登録番号
  • 所在地
  • 商号・名称
  • 代表者名
  • 電話番号

登録番号で検索してヒットしたとしても、闇金が他社の番号を勝手に流用している可能性もありますので、必ず2つ以上の検索項目で検索するようにしてください。

検索してヒットしない業者は闇金ですので、絶対に取引をしてはいけません。

闇金の見分け方3:日本貸金業協会

登録貸金業者のほとんどが、日本貸金業協会に加盟しています。

日本貸金業協会が闇金を加盟させるはずがないので、日本貸金業協会に加盟している業者も安全に取引ができる業者と考えて問題ないでしょう。

日本貸金業協会とは

日本貸金業協会とは、貸金業法に則った貸金業界における自主規制機関で、貸金業に関わる様々な苦情や相談、問い合わせを受けつけている機関です。

役員には、東京大学の教授や大手信販会社の社長など、そうそうたるメンバーが名前を連ねている認可法人です。

会員に対して監査や研修なども行なっており、貸金業者が適切に業務運営をしているかをチェックしています。

会員になるためには、日本貸金業協会の承認を受けなければならないので、闇金は絶対に会員になることはできません。

つまり、日本貸金業協会の会員であれば、安全に取引ができる業者と考えてよいでしょう。

なお、日本貸金業協会の会員にも会員番号が付与されており、ほとんどの消費者金融は貸金業登録番号とともに、日本貸金業協会の会員番号もホームページなどに表記しています。

貸金業登録番号と同じく、日本貸金業協会の会員番号があるかどうかもチェックしましょう。

ホームページで協会員が検索できる

ホームページに日本貸金業協会の会員番号があっても、偽造であったり他社の番号を勝手に載せていたりする可能性も否定できません。

そこで、自分が取引をしようとしている業者が本当に日本貸金業協会の会員なのかどうかを、日本貸金業協会の協会員検索ページで検索するようにしましょう。

参考:https://www.j-fsa.or.jp/association/member_info/search/

このページでは、都道府県ごとに検索することができるほか、以下の項目でも検索することができます。

  • 協会員番号
  • 登録地域
  • 貸金業登録番号
  • 商号・名称読み(カタカナ)
  • 商号・名称(正式名称)
  • 本店住所
  • 電話番号

やはり、複数の項目で検索した方が安心でしょう。

なお、登録貸金業者の中には、日本貸金業協会の会員ではない業者も存在します。

日本貸金業協会の監査や研修などを受けている会員業者の方が安心です。登録貸金業者であっても、日本貸金業者の会員でない業者からお金を借りることについては、慎重に判断した方がよいかもしれません。

闇金の見分け方4:広告

感覚的にすぐに闇金かどうか判断できることとしては、業者の広告や文言などで判断する方法があります。

ローンには審査があり、貸金業法では個人信用情報に照会を行い、申込者の返済能力を審査することを貸金業者に義務づけています。

審査があれば、当然審査に落ちることもあるので、広告に断定的な文言を記載することは禁止されています。闇金はこのようなルールを守らないので、広告は断定的な表現のオンパレードなのです。

闇金のどのような文言にだまされてはいけないのか、以下で詳しく見ていきましょう。

断定的な表現は闇金

闇金の多くが「必ず貸します」「100%融資」「審査なしで融資OK」などの断定的な文言で広告しています。

闇金は、銀行や消費者金融からお金を借りることができない人をターゲットにお金を貸し付けていますので、このような確定的な文言で顧客を誘引しているのです。

しかし、確定的な文言を使うことは禁止されていますので、このような文言を使っている時点で違法な闇金です。

「必ず融資する」というような甘い文言には、絶対に乗せられないようにしてください。

街中の看板やスポーツ新聞などの広告で、このような文言の広告を見たことがある人も多いのではないでしょうか。このような業者は闇金ですので、絶対にお金を借りてはいけません。

在籍確認・収入証明書なしも闇金

「勤務先への在籍確認なし」「収入証明書なし」と謳っている業者も闇金です。

勤務先への在籍確認は法律によって決まっている審査ですし、前述したように収入証明書の提出基準も法律によって定められています。

そのため、「収入証明書提出なし」などという文言はあり得ませんので、このような業者とは絶対に取引をしないようにしてください。

クレジットカードの現金化も闇金

「カードでお金」「クレジットカードで融資OK」などと謳っている業者も闇金です。

クレジットカード現金化とは、業者が指定する商品を利用者にカードで購入させ、その商品を業者が買い取るという手口です。

クレジットカードの現金化は、クレジットカードの規約によって禁止されている行為です。カード会社に判明した時点で、クレジットカードは強制解約、信用情報はブラックになります。

このような行為を勧めてくる業者も闇金ですので、「カード現金化」と広告している業者とは絶対に取引をしてはいけません。

闇金の見分け方5:口コミ

名前を聞いたことがない業者と取引する際には、インターネット上の口コミも参考にした方がよいでしょう。

中小の消費者金融に関しては口コミが見つからないことが多いですが、合法の業者を偽装している闇金であれば「実は闇金だった」という口コミは少なくありません。

口コミサイトだけでなく、TwitterなどのSNSでも、借りようとしている業者の名前を検索し、少しでも怪しい口コミがあれば取引をしないようにしてください。

知らない業者はまず検索

名前を聞いたことがない業者に対しては、まずネットで名前を検索しましょう。これまで被害にあった人がいるのであれば、口コミを検索することができる場合もあります。

登録貸金業者でもグレーの業者も存在する

登録貸金業者の中にも、ヤクザに見える人が督促を行うといったグレーの業者も存在します。

このような業者ともできれば取引を避けるべきですので、名前を聞いたことがない業者と取引をする前には検索した方がよいでしょう。検索の結果、「取り立てが怖かった」などの口コミがあれば取引をしてはなりません。

闇金の見分け方6:インターネットで出会った業者

最近は、インターネット上で闇金と直接接触してしまう機会も少なくありません。

「#お金借りたい」などのハッシュタグをつけてTwitterなどに投稿すると、業者から「お金貸します」とリプライやDMが来ることがあります。

また、個人間融資掲示板などで「お金を貸します」と募集している人もいますが、基本的にこのような業者のほとんどが闇金だと考えた方がよいでしょう。

個人間融資掲示板は闇金の可能性が高い

お金を借りたい人と貸したい人をマッチングさせる掲示板として、個人間融資掲示板というものがあります。

このような掲示板に「お金を貸してください」と書き込みを行うと、「貸します」というリプが返ってきますが、このような業者も闇金の可能性が非常に高いです。

登録貸金業者は掲示板などで顧客を勧誘しませんし、顔も見たことがない人に対してお金を貸す親切な人も投資目的でお金を貸す人も基本的には存在しません。

闇金にとっては「お金に困っている人」は格好のターゲットですので、個人間融資掲示板で親切な人を装って近づいてくる人は大抵闇金だと考えた方がよいでしょう。

SNSで近づいてくる業者も闇金の可能性が高い

Twitterなどで「お金に困っている」と書き込むと、「貸しますよ」と近づいてくる人もいます。このような人も闇金だと判断した方がよいでしょう。

甘い言葉に「親切だ」などと思わずに、闇金とみなして絶対にお金を借りてはいけません。

闇金の見分け方7:その他

この他にも、闇金の見分け方はいくつかあります。

闇金は警察に足がつかないように、決まった事務所などを持っていませんので、電話番号などで闇金かどうか知ることができます。

また、中にはホームページ上で合法の業者を偽装している場合もありますので、ホームページだけを見て「闇金ではない」と判断するのも危険です。

固定電話がない

連絡先が固定電話ではなく携帯電話だけの場合には、まず闇金だと考えた方がよいでしょう。

闇金は足がつくのが怖いので、固定電話ではなく携帯電話を連絡手段として使っています。取引しようとしている業者に固定電話番号がない場合には、取引をしてはいけません。

FAX番号がない

固定電話と同様に、FAX番号がない場合も闇金だと判断した方がよいでしょう。

ホームページの文言だけを信じてはいけない

闇金の中には、ホームページに「登録貸金業者を装った闇金にご注意ください」などと注意喚起をしている業者も存在します。

注意喚起をすることによって、「この業者は安全だ」と判断させてお金を借りさせようという意図です。

名前を聞いたことがない業者と取引をする場合には、このような文言だけで信じることなく、ここまで紹介した方法で闇金かどうかを必ず見分けるようにしてください。

まとめ

闇金は、どこからもお金を借りられず、お金に困っている人をターゲットにしています。

闇金は自分たちが闇金ではないと偽装したり、お金に困った人を甘い文言で誘引したりと様々な手口でお金を借りさせようとしてきます。

言葉や見かけで信じるのではなく、必ず今回紹介したような方法で複数回確認して、闇金ではない正規の登録貸金業者だけと取引をするようにしてください。

確かに、どの消費者金融からもお金を借りられない人でも、闇金からはお金を借りることができます。

しかし、闇金は借りた後が大変で、家庭も仕事場もめちゃくちゃになってしまいますので、確認を怠らずに少しでも怪しいと思ったらお金を借りないようにしてください。