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クレカ現金化はやめるべき?闇金との繋がりや違法性と利用リスク

相談・解決

「生活費のためにクレジットカードを現金化したい」
「クレカ現金化で法律に違反しないか不安」

ショッピング枠で商品や金券類を購入して、現金に換える方法がクレカ現金化です。クレカ現金化自体は違法ではありませんが、悪徳業者に引っかかると損をするリスクがあります。

安全に現金を手に入れるためには、クレカ現金化の方法や逮捕事例を知っておくことが重要です。この記事ではクレカ現金化の仕組みや違法性、闇金との違いについて解説します。

クレカ現金化とは

クレジットカードに付帯しているショッピング枠を利用して、現金を手に入れる方法がクレカ現金化です。

キャッシングやカードローンを使えなくても、お金を調達できるメリットがあります。

一般的には、現金が欲しい利用者がクレカ現金化業者に依頼して、手数料を引いた分のお金を入手します。

クレカ現金化の手数料は業者によって異なり、一部には高額な手数料を請求する悪徳業者もいます。

過去には、法外に高い手数料を徴収した悪質な現金化業者が逮捕されました。ただ、法律を守って手数料をとる業者もいるため、すべての現金化業者が闇金であるとは限りません。

ホームページやチラシにはクレカ現金化の手数料が掲載されていないことが多く、その業者が闇金かどうかを一般人が見分けるのは難しいです。

リスクを避けたい人はクレカ現金化に頼らないことを推奨します。

クレカ現金化を行う3つの方式

本来、クレジットカードにおけるショッピング枠は現金に換えられません。

ショッピング枠はカードでの買い物を目的として設けられているため、多くのカード会社ではクレカ現金化を禁止しています。

しかし、実際には現金化業者に依頼することで、さまざまな方法でショッピング枠から現金を手に入れることは可能です。クレカ現金化を行うのによく使われている方式は3つあります。

  1. 商品買取方式
  2. キャッシュバック方式
  3. 直接購入方式

それぞれの方式について詳しく見てみましょう。

商品買取方式

自らのクレジットカードを使って品物を購入し、業者に品物を買い上げてもらうのが商品買取方式です。

業者に依頼しなくても現金化することができ、手間や時間がそれほどかからないメリットがあります。

例えば回数券や株主優待券などの換金率が高い品物を買い、金券ショップに買い上げてもらうこともできます。

買取金額をそのまま現金で入手でき、短時間で現金化を実現可能です。

また、現金化業者に依頼して現金化する場合、次のような手順で手続きをするのが一般的です。

  1. 現金化業者から買う品物を指示される
  2. 手持ちのカードで品物を買う
  3. 買った品物を現金化業者に買い上げてもらう

リサイクルショップで中古品を買い上げてもらうのと同じで手軽なこともあり、商品買取方式で現金化を行う人は多くいます。

自分ひとりで現金化を行えるため、信頼性が分からない業者と関わることなく現金化できるのが利点です。

キャッシュバック方式

現金化業者には安価な商品を高く買わせて、利用者にキャッシュバックするところもあります。キャッシュバック方式における実際の現金化のフローは次の通りです。

  1. 自らのクレジットカードを使って現金化業者の品物を買う
  2. 業者から品物と併せて現金を受け取る

商品買取方式のように、買った品物を別途買い上げてもらう工程がないため、手間なく現金を得られるのがメリットです。

多くの現金化業者では、利用者の手間が少ないキャッシュバック方式を取り入れています。

直接購入方式

一部の現金化業者は、インターネットの通販サイトで現金を販売しています。クレジットカードで現金を直接購入することで、手間なく現金化を達成できるのが利点です。

実際にオークションサイトやフリマアプリで現金の出品があり、運営会社が現金の出品を禁止した事例があります。

参考:https://www.sankei.com/life/news/190515/lif1905150058-n1.html

従来に比べて規制が強化された現在では、直接購入方式で現金化を行うのは難しいです。

クレカ現金化の違法性

「ショッピング枠の現金化は違法では?」と思う人は多くいるでしょう。キャッシングを利用せずに現金化するため、ほとんどのカード会社は現金化を規約違反としています。

しかし、クレジットカードの現金化自体は違法ではなく、現金を手に入れても罪に問われることはありません。どんな方式であれ、利用者は正当手段で現金を受け取っているからです。

例えば「現金化のためにカードで金券類を購入して業者に売った」人の場合、不正をしているようなイメージを持ちます。

しかし、「金券類を買った後に要らなくなった」人であれば、イメージが大きく変わるものです。

人によって現金化する意図は異なるため、法律でクレカ現金化を規制するのは難しい状況があります。

クレカ現金化のリスク

クレジットカードを利用した現金化については違法とみなされないため、リスクがないと思う人は一定数います。

信頼できる業者に自ら依頼できれば、適切な手数料で現金を手に入れることは可能です。

ただ、カードの現金化は規約違反であり、カード会社に判明すると利用停止または解約の処分を受けるリスクがあります。

不正利用でカードが解約されてしまうと、今まで利用した分の一括返済が求められる可能性が大きいです。

また、悪質な業者に依頼してクレカ現金化を行ってしまった場合、闇金に自分の個人情報が流出する危険性もあります。現金化業者が利用者をだまして闇金を紹介するケースも少なくありません。

現金化はグレーゾーンであり、悪質な業者が多く存在することを知っておきましょう。

現金化業者の逮捕事例

数年前、クレジットカードに付帯するショッピング枠の現金化を行う業者が逮捕されたケースがあります。

2011年8月、東京都にある貴金属販売会社の元代表が出資法違反により逮捕されました。

元代表は利用者に1個100円程度のおもちゃを数千円以上の価格で購入させ、キャッシュバック方式で現金化します。

利用者は受け取るまで商品の内容が分からないなどの状況から、売買は形式的なものであり、業者の実態は貸金業として判断されました。

2010年から2011年までに利用者4人に約415万円の商品を購入させて、約346万円をキャッシュバック。約69万円の法外な利息を受け取ったとして元代表は逮捕されたのです。

逮捕された現金化業者には、利用者に商品を選ばせず高い手数料を徴収していた事情があります。高金利で融資する闇金と同じような形態で現金化する業者が摘発される傾向です。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0500Q_V00C11A8CC0000/

クレカ現金化と闇金の違い

「現金化業者と闇金は何が違うのか気になる」と思う人はいるかもしれません。現金化業者は利用者のクレジットカードを現金化して、そこから手数料を徴収するのが目的です。

一方、闇金はお金に困っている人に融資して、高い利息を利用者から徴収する目的があります。目的の違いにより、クレカの現金化業者と闇金には3つの違いがあるのです。

  1. 金利の大きさ
  2. 取立ての有無
  3. 違法性の有無

それぞれの項目における違いを解説します。

金利の大きさ

現金化業者と闇金では、利用者への金利が大きく異なります。現金化業者は1回の現金化で15%から18%の手数料を取るところが多く、法定金利を守っているのが一般的です。

一方、闇金は10日3割または5割の利息を請求することが多く、年利1,000%を超える場合がよくあります。安易に闇金に手を出してしまうと、借金の返済で大きく損をしてしまうのです。

クレカ現金化に比べて、闇金は利用者にとって高くつくことを知っておきましょう。

取立ての有無

クレカ現金化では利用者が商品をカードで購入するため、業者から取り立てられることはありません。直接購入方式であれば、業者とあまり関わることなく現金を手に入れられます。

一方、利用者がお金を借りる闇金の場合、返済が遅れると業者から取り立てられる可能性が高いです。実家や勤務先に闇金が連絡して、人間関係などでトラブルになるリスクもあります。

違法性の有無

クレジットカードにおける現金化は違法ではなく、多くの現金化業者は逮捕されずに営業を続けています。また、クレカ現金化を利用した人が警察により逮捕された事例もありません。

しかし、高い金利を利用者に要求する闇金は違法であり、多数の業者が摘発されています。闇金を利用すると家族や周囲の人たちに利用が判明する可能性が高く、利用者の印象も悪くなる傾向です。

安全に現金を入手するには

クレジットカードの現金化は危険性が高く、悪質な業者と接点をもつことで利用者が損をするケースもあります。

生活費などの必要なお金を安全に得たいときは、次のような方法を選ぶことがオススメです。

  1. キャッシングを使う
  2. 消費者金融で借りる
  3. 生活福祉資金貸付制度に申し込む

それぞれの方法について詳しく解説します。

キャッシングを使う

クレジットカードにはキャッシング枠があり、キャッシングを活用すればATMでカードを使って現金の引き出しも可能です。

カード申込時にキャッシングを希望することで、キャッシング枠を得られる場合があります。

キャッシング枠を活用して現金を借りることには問題性がなく、利用してもカード会社の規約違反にはなりません。

複数回の支払やリボ払いを選び、キャッシングの返済を遅らせることもできます。

ただし、キャッシングの場合は1回払いであっても、年15%から18%の金利手数料がかかる点に注意しましょう。細かい利用条件についてはカード会社のホームページで確認できます。

消費者金融で借りる

クレジットカードにおけるキャッシング枠は利用するハードルが高く、キャッシング枠がない人も多くいるでしょう。この場合は消費者金融に申し込み、お金を借りることがオススメです。

最近ではスマホアプリだけで融資を申し込むことができ、コンビニATMで手軽に現金を調達できるのがメリットです。カードの利用限度額を超えている人でも条件によっては融資を申し込めます。

生活福祉資金貸付制度に申し込む

収入などの事情でキャッシングや消費者金融の利用を断られた場合は、社会福祉協議会の生活福祉資金を利用しましょう。

生活に必要な資金を他から借りられない人などが生活福祉資金を活用できます。

総合支援資金または緊急小口資金の融資を申し込む場合、自立相談支援機構を利用することが必要です。

お近くの市区町村社会福祉協議会に相談することで、対応する自立支援機構とつながることができます。

まとめ

業者に従ってカードで買い物するだけで、法律に違反することなくお金を得られるのがクレカ現金化です。

クレカ現金化により逮捕されることはありませんが、規約違反や詐欺で損するリスクは十分あります。

現金化業者は闇金と関わっていることも多く、利用した後に個人情報が流出する危険性も大きいです。お金が必要なときは消費者金融などを活用して、クレカ現金化はやめましょう。