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一刻も早く闇金被害を対処するためのポイントと事例

取り立て対策

ブラックリストに載っている人でもお金を借りることができるのが闇金です。闇金業者は信用のない人に融資する代わりに、法外な返済額を求めるなどの悪質な行為をしているのが特徴です。たとえお金を用意できたとしても、業者が完済させないことで利息が高くつく場合もあるのです。闇金を実際に利用した人が受けた被害例と悪質な業者に対抗する方法を解説します。

闇金による被害とは

お金を金融機関から借りる場合、通常では出資法や貸金業法により消費者は保護されています。立場の弱い消費者が債務に悩まされることを防ぐために、金利や借入総額の上限が決まっているのです。

ですが法律を守らずに営業活動する闇金の場合、金利が明らかに高いことや取り立てが悪質である傾向、例えば闇金を実際に利用した人は以下のような被害を受けました。

  • お金を送金したら連絡が途絶えた
  • お金が振り込まれて取り立てがきた
  • ギャンブルのためにお金を借りた
  • いつまでも返済させてくれない

闇金によりどのような被害を受けるのか、それぞれの項目を具体的に解説します。

お金を送金したら連絡が途絶えた

神奈川県で暮らしている50代女性が融資で騙された被害です。女性はお金を借りるために有名なクレジットカード会社と似たような名称の貸金業者に融資を申し込みました。申し込んだ後に闇金業者から「返済能力をチェックするために、あなたの信用状況を確認したい」と依頼されたのです。業者は女性に対してサラ金から30万円ほどのお金を借入れさせます。

女性が問題なくサラ金から30万円を借りたことを確認すると、次に業者はレターパックで借りたお金を送るよう指示。お金を借りたい女性は業者に従って30万円のお金と契約書、領収書をレターパックで送りました。お金を業者に送ると業者に連絡できなくなり、融資を受けることも不可能になったのです。実在する会社だと思い込んで従った結果、女性には30万円の債務が残りました。

お金が振り込まれて取り立てがきた

北海道で暮らしている男性社会人が嘘の貸金業者から騙された被害です。男性は闇金を借りる前からサラ金で200万円以上のお金を金利15%で借りていて、高額な利息に悩んでいました。そのときに金利1.8%で融資できる旨が記載されたDMが届き、男性はメールに記載された貸金業者に連絡します。そして業者と相談した結果、男性は250万円の融資を申し込みました。

申し込んだ後に業者から15,000円だけ男性の口座に振り込まれて、業者から1週間後に4万円返済することを催促されます。男性が返済できないと連絡したところ、男性の親元に30万円の請求をされました。また男性の子供が働いている会社に「返済しろ」などが記載されたFAXが届く嫌がらせもされたのです。いきなりお金を貸して返済できない状況を作り、業者は悪意をもって取り立てました。

ギャンブルのためにお金を借りた

東京都に暮らしている30代男性が取り立てにより被害を受けた話です。パチンコが好きな男性は毎日のようにギャンブルで遊んでいて、お金がないときに貸金業者に電話しました。即日融資できる貸金業者に連絡したところ、そこで男性は闇金と出会ったのです。最初は3万円程度のお金を借りて、給料日になったら利息と元金をしっかりと返済しました。

返済が終わった後もギャンブルを続けた男性は、何回も闇金からお金を借りるようになったのです。「闇金を使ってまでパチンコに行くべきでない」と分かっていたのですが、ギャンブルの快感から離れることは不可能でした。

もちろんギャンブルで勝ち続けることは難しく、男性は闇金に返済できなくなったのです。返済が滞ると闇金業者は態度を変えて、男性に対して悪質な取り立てを始めました。男性に携帯には業者からの電話が鳴り続けて、問題のあるような言葉で罵られることに。またお金がないため食事をまともに取ることもできず、地獄のような生活を送っていました。

その後に男性は法律事務所の存在に気づいて、闇金からの被害を解消したのです。闇金の恐ろしさを身をもって体験した男性は周りに対して闇金に手を出さないよう忠告しています。

いつまでも返済させてくれない

生活費をキャッシングでやりくりしている30代女性が受けた被害です。規制される前はクレジットカードやサラ金からお金を借りていましたが、法改正により女性は借入しにくい状況になりました。生活を成り立たせるために女性は携帯で有名な金融機関に似た名称の業者に融資を申し込むことに。女性はお金を借りるために実家の番号や夫の勤務先を答えたところ、3万円の融資が決まりました。

お金が必要な女性が融資を頼んだところ、業者から振り込まれたのは15,000円。融資額が当初の半分である理由は、業者が高額な金利や事務手数料などを差し引きしたからです。

また女性が返済日になっても理由をつけて完済させず、利息額はどんどん膨らんでいきました。最終的には法律事務所で相談して、業者からの請求をなくしたのです。押し貸しという闇金業者の手口により、女性は40万円以上ものお金を支払いました。たとえ返済できるお金があったとしても、被害を受ける場合はよくあります。

闇金からの被害を防ぐための流れ

もし闇金からお金を借りてしまったとき、どのようにして被害を防ぐのか気になる人は多くいるはず。あなたが闇金に対抗するには以下の方法に従うことがオススメです。

  1. 状況を闇金対策機関に伝える
  2. 実際に専門家と面談する
  3. 事務所側と契約を結ぶ
  4. 闇金に対して専門家が対処

闇金からの被害を防ぐための流れを詳しく解説します。

状況を闇金対策機関に伝える

自分の力だけで闇金に対して対処するのは不可能です。専門家に依頼して闇金問題を解決するために、まずは自分の状況を電話やメールを通して闇金対策機関に連絡します。

事務所への連絡ではあなたの借金の資産の状況がヒアリングされて、専門家との相談日を決める流れです。闇金からお金を借りている場合、以下の情報を相談日までに準備しておくと良いですね。

  • 今まで闇金業者と行っていた取引の内容
  • 闇金業者の契約書や借用書、返済するために利用した通帳や振込明細
  • その他闇金に関わる資料(ダイレクトメール、チラシ、名刺など)

状況を闇金対策機関に伝えることで、次に専門家との面談に進みます。

実際に専門家と面談する

あなたが面談日までに用意した資料をもとに、事務所で専門家と闇金取引について詳しく相談します。最適な方法で債務整理するために、闇金以外の負債や借金の理由などもヒアリングされます。

面談により相談者の状況を専門家が把握したら、借金問題を解決するアドバイスを貰えるでしょう。専門家との相談中に疑問的や要望があれば、それらについて質問してみると良いですね。

事務所側と契約を結ぶ

アドバイスを聞いたうえで闇金対策機関に依頼する場合、契約書と委任状を作成することが必要です。闇金に返済したお金を取り返すケースでは複数の委任状が必須となります。

闇金に対して専門家が対処

闇金対策機関との契約が完了したら、専門家が闇金業者に対して受任通知を送ります。書類で送るのが一般的ですが、闇金の場合は通常の債務整理とは異なる対応がなされる場合が多いです。

もし専門家が介入した後も闇金から連絡がある場合は、連絡をすぐに切って事務所に相談できます。しつこく取り立てる業者もいるため、アフターフォローがある事務所と契約することがオススメです。

闇金被害を防ぐためのポイント

専門家に相談することで闇金問題を解決できますが、被害を最小限に抑えるにはいくつかのポイントを知っておくことが重要です。あなたが闇金被害を防ぐためのポイントは4つあります。

  1. 借金を返済する必要はない
  2. 闇金からのDMや手紙は無視すること
  3. 闇金に返済したお金を取り戻せる場合がある
  4. 銀行口座は絶対に譲渡しないこと

どのようにして闇金に対抗するのか、それぞれのポイントについて簡単に理解しておきましょう。

借金を返済する必要はない

闇金業者は消費者に対して法律に反した金利で融資を行っているため、お金を貸し出す行為が法律上では無効になります。たとえ闇金からお金を借りたとしても、返す必要はありません。

しかし闇金業者にお金を返済しないと、自宅や勤務先などに対して悪質な取り立てを行います。自分で対応するのは難しいため、専門家に相談して取り立てをやめさせることがオススメです。

闇金からのDMや手紙は無視すること

闇金は過去に自己破産や民事再生などをした人をターゲットにする傾向があります。信用に問題がなければサラ金や金融機関からお金を借りれるため、わざわざ闇金を使う理由がないからです。自己破産などをした人は官報に載っているため、業者はターゲットに対してダイレクトメールやチラシを送ります。立場が弱い人に対して甘い誘惑をかけることで、闇金に手を出してしまう人が後を絶たないのです。

闇金から被害を受けないためには、そもそも闇金からお金を借りないことが重要。「ブラックでも融資OK」「すぐにお金を借りれる」といったDMや手紙に注意しましょう。

闇金に返済したお金を取り戻せる場合がある

違法な貸し付けをしている闇金業者にお金を返済した場合、闇金に対して返済額をすべて返還することを指示できます。利息だけでなく元金の分も返還させることが可能です。

しかし闇金業者としては資金を返還するのは大きな損失であり、実際には返還させるのは難しいこと。もし闇金に返済してしまった人は闇金対策機関で相談をして、専門家に交渉してもらうことを勧めます。

銀行口座は絶対に譲渡しないこと

闇金に対してお金を返済できないと、業者から「銀行口座を開設してカードを渡せ」と指示される場合があります。業者に対して銀行口座を渡すのは犯罪行為であるため、カードなどを渡すのは絶対にやめましょう。

まとめ

借金を完済できずに利息額が増えたことや悪質な取り立てをされるなど、闇金に手を出すと恐ろしい被害に遭います。闇金業者には実態のないところが多く、自分1人で対処するのは難しいです。闇金対策機関で闇金を相談することで、自分が被害を受けている闇金問題をスムーズに解決できます。もし闇金からお金を借りてしまった人は専門家に相談することがオススメです。