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闇金に返済義務はあるのかを検証!踏み倒しは可能?

返済停止

「闇金への借金は返済義務がない」と、聞いたことがある方も多いのではないかと思います。
しかし、なぜ闇金へはお金を借りたにも関わらず、返済しないでいいのでしょうか。返済義務がないということは、闇金からお金を借りるだけ借りて、返さないで踏み倒すことは可能なのでしょうか。

今回は、闇金の借金に返済義務がないといわれる根拠について、それでも闇金の借金を踏み倒すことは難しい理由について説明します。併せて、闇金 に関するトラブルに巻き込まれた場合の対処方法についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

闇金の借金には返済義務ない

2020年現在、闇金への借金には返済義務がないとされています。「現在」と但し書きが付くということは、過去は違ったという意味でもあります。80~90年代頃は、闇金被害を警察に訴えても「借りたお金は返しなさい」などと言われ、取り合ってもらえないケースが多かったといわれています。
では一体いつから、どのような経緯で闇金には返済しなくても良いということになったのでしょうか。
以下では、現在、闇金の借金に返済義務がないとされるようになった経緯について説明します。

平成15年にヤミ金融対策法が成立

前述した通り、80~90年代には、警察に闇金被害を訴えても、取り合ってもらえないことが多かったそうです。その結果、絶望して命を絶つ闇金被害者も少なくなかったといいます。当時から、闇金業者の金利や取り立て方法は出資法に違反していたのですが、取り締まられることはあまりありませんでした。

その状況が変わったのは、平成15(2003)年のことです。
悪質な闇金業者の被害が深刻な社会問題となり、平成15年7月25日の衆議院本会議にてヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)が可決・成立しました

ヤミ金融対策法の主な内容は以下の通りです。

  • 貸金業登録審査・登録要件の厳格化
  • 無登録業者への規制強化
  • 罰則の大幅な引き上げ
  • 広告・勧誘行為に関する規制の強化
  • 取立行為等に対する規制の強化
  • 上限金利以上での貸付契約の無効化

参考:ヤミ金融対策法のポイント(金融庁)

最後の項目「上限金利以上での貸付契約の無効化」は、出資法で定められるあらゆる契約の上限である金利年109.5%以上の貸し付けについては無効になるというものです。この際、契約無効になった場合の元本の返還の解釈については、文言として盛り込まれていなかったため様々でした。
しかし、この論争は、法の改正の5年後、平成20年の最高裁判決で決着がついたとされています。

平成20年の最高裁判決

平成20年6月10日、山口組系五菱会のヤミ金融事件を巡り、被害者11人が闇金の帝王と呼ばれた梶尾進に対し3500万円の賠償を求めた訴訟で、最高裁は「著しく高金利で違法な貸し付けをした業者からは、利息だけでなく元金分も含めて借り手が支払った全額を損害として取り戻せる」との判決を下しました。

これは、民法708条の「不法原因給付(違法な原因に基づく給付については返還を請求できない)」に基づいた判決であり、闇金融業者が貸付けとして借主(被害者)に交付した金銭は不法原因給付に該当するため、闇金融業者から借主に対して返還請求することはできない、ということになります

上記判決のポイント

この判決の重要なポイントは、以下の2点です。

  • 闇金業者が被害者に対し、著しく高金利で違法な貸し付けた場合、元本の返還を請求することはできない(被害者は闇金業者に対し、元本についても返済義務はない
  • 被害が闇金業者に対して損害賠償請求を行った場合、損害額から元本分を減額しない(元本・利息の全額を損害として請求することができる

上記2点が明瞭化されたことにより、「闇金業者から借りたお金は一切返済不要」ということが広く認知されるようになりました。

警察の対応も変化

上述の最高裁判決後、警察庁は「ヤミ金融事案の被害者対応マニュアル(4訂版)」において、この判決について言及すると同時に「借りたものは返すべきだ」「せめて元本くらいは返した方が良い」等の対応をしてはいけない、という記述を加えたそうです。

闇金を踏み倒すことは難しい

前述した通り、法律上、闇金業者へは元本を含めて一切の返済義務はありません。ならば借りるだけ借りて踏み倒すことができるのかといえば、話は別です。

闇金は反社会的勢力が運営している

前章で紹介した判例の事件もそうでしたが、闇金業者の背後には多くの場合、反社会勢力が存在するといわれています。最近は闇金融を暴力団が直営していることはないといわれていますが、直でないだけで関りがなくなったわけでないことは推測できます。また、違法な金融業を営む人物がまっとうであるはずはなく、闇金の運営元はいわゆる半グレに当たるでしょう。
そういった法律など端から守る気のない相手に、「法律で返さなくていいことになっている」などといったところで、通用するわけはありません

ヤクザや反グレといった裏社会に生きる人間にとって、最も重視されるのは面子です。「あそこの業者は返済しなくても大丈夫」などと噂になってしまっては、面子は丸つぶれです。
そのため、闇金業者は返済しない借り手に対し、ありとあらゆる手段を使って強引に取り立ててきます。

嫌がらせは周囲まで及ぶ

返済をしない借り手に対し、闇金業者は容赦がありません。取り立ての電話で携帯は一日中鳴りやまず、そのうちに勤務先にも連絡が入るようになります。

取り立てだけではなく、嫌がらせもされるでしょう。嫌がらせの代表的なものとして、頼んでもいないピザや寿司などのデリバリーが大量に届くというケースがあります。他にも、自宅に救急車や霊柩車が来たという事例も報告されています。その他、近所中に「こいつは金を借りて返しません!」という名前入りの張り紙を貼られた事例や、子どもの小学校に電話が入ったという例もあります。

とにかく、闇金業者は被害者が根を上げるまで、取り立てや嫌がらせを繰り返し行います。その執拗さと、人の弱みを狙い撃ちして追い込んでいく手口には、大抵の人間の神経が参ってしまうのではないでしょうか。

警察に相談して何とかしてもらえばいいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の闇金業者の嫌がらせの手口は巧妙で、実際に訪問して直接暴力を振るうようなことはせずに、警察が相談されても動かない・動きようがない辺りをうまく狙ってくるため、対処は難しいといわれています。
また、警察は闇金へ返済するようにとは言わなくなり、相談を親身に聞いてくれることや、被害届を受理してくれることもあります。しかし、だからといって積極的に逮捕に動いてくれることは期待できないのが実情です。
何故かといえば、闇金問題は一般的に民事として扱われるという理由が挙げられます。民事不介入の原則がある以上、闇金被害を警察に相談しても、それで即座に解決に至るというのは難しいでしょう。

法的な返済義務はなくとも踏み倒すことは難しい

このように、闇金業者には法的には返済義務はないものの、「借りるだけ借りて踏み倒す」などということは、まず無理だと考えた方が良いです。
返済義務がないのだからと、気軽に闇金を利用すれば確実に痛い目に合うことになるため、絶対に止めましょう。

闇金被害への対処方法

闇金へは返済義務はないものの、借金を踏み倒すことは難しいということを前述しました。
では、もし闇金を利用してしまって、返済できなくなった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

法律の専門家に相談する

闇金被害に遭った場合、最もおすすめなのは法律の専門家に相談することです。
前述の通り、闇金への返済義務は「法的に」ありません。ということは、法律の専門家を味方につけて戦うのが最も理にかなった対処法といえるでしょう。
素人が「法律上は返さなくていい」といったところで、鼻であしらわれてしまうかもしれませんが、深い知識と実効手段を併せ持つ法律のプロ相手ではそうはいきません。

事実、闇金業者は法律の専門家の介入を嫌います。面倒や逮捕を恐れ、介入を知った時点で手を引くケースも珍しくないといいます。
しかし、闇金被害を相談する場合は、法律の専門家ならば誰でもいいというわけではありません。闇金は対応が難しい上、反社会組織と関りがあるケースもあり、進んで関わり合いになりたい事例ではないため、闇金と聞いただけで断る法律家も少なくありません。また、闇金業者は人の隙を見抜くことに長けているため、闇金対応に不慣れな法律家では、闇金業者に言いくるめられてしまうこともあるといいます。
そのため、闇金被害を相談する際は、なるべく闇金被害相談の実績を複数持つ、闇金対応のプロに相談するようにしましょう。

警察へ相談する

法律の専門家に相談した後でも、警察に相談しておいた方が良いケースもあります。明らかな脅迫や恐喝があった場合は、被害届を出しておいた方が良いでしょう。もしあなたが被害に遭った闇金業者の被害者が複数存在すれば、捜査に踏み切り逮捕に至る可能性もあります。
警察へ相談する際も、法律の専門家にアドバイスを貰うことで、スムーズに被害届を受理してもらうことが期待できます。

電話番号や口座番号を変更する

闇金被害に遭った場合、法律の専門家などに相談することで一件落着しても安心することはできません。闇金へ教えた個人情報は、他の闇金業者や裏のネットワークに流出する可能性が高いからです。
電話番号や住所を知られていますので、融資の勧誘の電話やDMが届くことがあるでしょう。さらに、振込先の銀行口座番号まで知られていますので、押し貸しといって勝手に振り込んで来て取り立てをされる被害に遭うかもしれません。
また、万一、客振りといって他の利用者の返済金を直接あなたへの融資金として振り込ませていた場合、振込をした被害者が警察や法律家に相談をするようなことがあれば、あなたの銀行口座が犯罪利用口座として凍結されてしまう恐れすらあります。

そのような二次被害を防ぐためにも、闇金に教えてしまった個人情報、特に携帯番号と口座番号については、変更することをおすすめします

まとめ

今回は、闇金の借金に返済義務がない根拠と、闇金の借金を踏み倒すことは難しい理由、闇金被害に遭った場合の対処方法などについて説明しました。

闇金への借入は不法原因給付に当たるため、元本を含めて一切返済義務はありません。しかしだからといって、気軽に闇金を利用することは危険ですので絶対に止めましょう。
もしすでに闇金を利用してしまい困っているという場合は、早めに法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官が力を合わせて、闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応しています。24時間・年中無休で受付しておりますので、闇金への返済にお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。