闇金に個人情報を知られるリスクと対処法

知らない電話番号から突然、「お金を借りませんか?」と電話がかかってきたという経験を持っている人も少なくないのではないでしょうか?
銀行やまともな消費者金融は、契約者でもない人に対して突然「お金を借りませんか?」と電話をかけるようなことは基本的にありません。
コンプライアンスや法律を重視する銀行や大手消費者金融は個人情報の問題に対しても敏感ですので、突然電話で勧誘すると「どうしてこの電話番号を知っているのですか?」という話からトラブルになってしまうことを避ける傾向にあるためです。
つまり、突然「お金を借りませんか?」という電話がかかってきた場合には「闇金からの勧誘」と考えた方がよいでしょう。
闇金から勧誘電話がかかってきたら「闇金に個人情報を知られている」と考えた方がよいかもしれません。闇金に個人情報を知られてしまうと、様々な嫌がらせや悪用をされてしまう可能性が非常に高いと言えます。
闇金はどのように個人情報を入手しているのか、闇金に個人情報を知られてしまうとどのようなリスクがあるのかを詳しく具体的に解説していきます。
目次
突然の闇金からの連絡!闇金はどうして個人情報を知っている?
闇金から勧誘を受ける人の多くが、突然電話で勧誘を受けているようです。
闇金は電話番号帳などから無作為に電話をかけているわけではありません。そのような方法で勧誘を行っていたら効率が悪いので、お金に困っている人を狙って電話をかけています。
つまり、闇金はお金に困っている人の個人情報を持っているということになりますが、どこから闇金は電話番号などの個人情報や「お金に困っている」という情報を得ているのでしょうか?
闇金に個人情報を知られてしまうことは避けられない場合もありますが、避けることができる場合もあります。闇金がどこから個人情報を入手しているのか見ていきましょう。
ネット上の審査サイト
ネット上には審査サイトというものがあります。個人情報を入力して、借入可能な消費者金融を紹介するというようなサイトです。
しかし、このサイトのほとんどが闇金のトラップです。
一般の人が「お金を借りたい」と考えた時に、このようなサイトを利用するでしょうか?普通はこのような怪しいサイトではなく、銀行や消費者金融などに申し込みをするのが一般的です。
つまり、審査サイトに個人情報を入力する人は「お金をどこからも借りられずに困っている人」ということです。
闇金は審査サイトを作り、お金に困っている人の個人情報を収集しているのです。
このような審査サイトに個人情報を入力してしまうと、その情報を闇金に取られてしまい、電話や郵送などで闇金からの勧誘が行われることになってしまうのです。
闇金同士の情報共有
闇金同士で顧客の情報を共有したり、売買したりすることもあります。
前述した審査サイトで闇金に漏れた個人情報や、過去に闇金から借りていた情報、闇金に申し込みを行った情報などです。
闇金にとってのターゲットはとにかく「お金に困っている人」です。
一度闇金からお金を借りたり、問い合わせしたりしてしまうと、なんとかお金を貸し付けようと、闇金業界の中で情報がずっと共有されることになります。
闇金1社に情報が漏れたら、その情報はしばらく消えることはないと考えた方がよいでしょう。
官報記載情報
自己破産と個人再生を行うと、官報という国のお知らせに氏名と住所が公告されます。闇金は官報を頻繁にチェックしていると言われています。
自己破産や個人再生を行なった人というのは、多額の借金を抱えて返済困難になりお金に困っている人です。
さらに、自己破産や個人再生を行うと個人信用情報はブラックになるので、銀行や消費者金融からお金を借りることがほぼ不可能になります。
闇金がターゲットにしている人はまさに「お金をどこからも借りられないで困っている人」ですので、自己破産や個人再生を行なった人に対して闇金は勧誘を行います。
なお、官報には電話番号の記載はないので、基本的には官報記載の住所にDMで勧誘が来ることが一般的です。
1度目の自己破産や個人再生をした後は、2度目はできなくなってしまうので、絶対にお金を借りてはいけません。
個人間融資掲示板の書き込み
個人間融資掲示板とは、お金を貸し借りしたい人同士がマッチングできる掲示板ですが、この掲示板に書き込みを行う人も闇金にとっては格好のターゲットです。
銀行や合法の消費者金融からお金を借りることができる人は、個人間融資掲示板へ書き込みなどは行わないので、書き込む人の多くはどこからもお金を借りられずに困っている人だからです。
個人間融資掲示板で「お金を貸します」という人とコンタクトをとると、必ず「運転免許証をメールで送ってくれ」とか「勤務先などを教えてくれ」と要求されます。
実際にお金を借りなくても、ここで伝えた情報は闇金にとっては貴重な「お金に困っている人リスト」ですので、業界内でその情報が出回ることになり、頻繁な闇金からの勧誘に悩まされることになります。
同じように、Twitterに「#お金借りたい」などのハッシュタグをつけて投稿すると、闇金から返信をもらうことがありますが、ここでコンタクトをとってしまうと個人情報が闇金業界に出回ってしまうことになります。
また、SNSではフォロワーや投稿から個人を特定されて脅されるというケースがありますので、SNS上で「お金を借りたい」とつぶやくことは避けた方が無難です。
闇金に個人情報を知られてしまうとどうなる?【借りる前】
ネット上の審査サイトで個人情報を入力してしまったとか、自己破産によって官報に個人情報が載ってしまったなどという場合には、実際にお金を借りなくてもしつこく闇金から勧誘されることになってしまいます。
お金を借りる前に闇金に個人情報を知られてしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
電話でしつこく勧誘が行われる
闇金の基本的な勧誘の手口は電話です。携帯電話に電話があり「今は特別金利で融資を行っている。キャンペーン中だから100%融資できる」などと甘い言葉で勧誘が行われます。
闇金は電話の相手がお金に困っていることを知っていますので、勧誘の時には非常に優しく丁寧な口調で、あたかも「困っているあなたを助けたい」という雰囲気で勧誘してきます。
しかし、突然携帯電話へ融資の勧誘がある時点で相手は闇金ですので、絶対に勧誘に乗ってはいけません。
DMで勧誘がくる
前述したように、自己破産などを行った場合には、闇金は官報から氏名と住所しか知ることができません。
このような時には自宅に「お金貸します」というDMが来ます。ひとりでお金の悩みを抱えている時にこのようなDMを見ると、思わず電話をしてしまいたくなるかもしれません。
しかし、電話をしてしまうと、闇金に「電話番号」という新たな個人情報を与えてしまうことになりますので、絶対にDMは無視するようにしてください。
また、自己破産や個人再生を行なったら、闇金からDMが来るのは決して珍しいことではありませんので、家族にも闇金からのDMが来たら無視するように頼んでおいた方がよいでしょう。
SNSで誘ってくることも
最近の闇金はSNSの世界にも進出しています。闇金に氏名や生年月日などを知られてしまうと、闇金がSNSを通して近づいてくることもあります。
突然SNSのダイレクトメッセージ経由で「お金を貸します」「絶対に儲かる方法を教えます」などと近づいて、やがてはお金を貸すという話につなげることがあります。
特に、実名登録が基本のFacebookには注意が必要です。闇金はFacebookからターゲットの職場や人間関係などを把握し、「勤務先の〇〇会社にばらす」「友人の〇〇さんに督促する」と脅してくると言われています。
SNSで「お金を借りたい」などとつぶやくだけでも、このような被害に遭ってしまう可能性があるので、SNSでお金の話をしてくる人はブロックなどをしてコンタクトを取らないようにしましょう。
闇金同士で個人情報が回覧される
前述したように、実際にお金を借りなくても闇金に個人情報を知られてしまうと、その情報が闇金業界で出回ってしまいます。
一度個人情報が流出してしまうと、その後何年間かは闇金からのしつこい勧誘に悩まされることになってしまうでしょう。
闇金に個人情報を知られてしまうとどうなる?【借りた後】
闇金からお金を借りると、同時に個人情報を握られてしまい悲惨なことになってしまいます。
個人情報から入手できる電話番号、住所、勤務先、家族や友人関係など、ありとあらゆる情報を使って徹底的に嫌がらせを行ってきます。
絶対に闇金からお金を借りてはいけないと言われる理由がまさにここにありますが、具体的には個人情報をどのように悪用されてしまうのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
電話でしつこく取り立てがある
闇金からお金を借りると基本的には電話で督促されます。返済期日を守らないと、昼夜を問わずに携帯や自宅の電話に延々と督促されることになります。
また、勤務先の情報も知られている場合には、勤務先にも延々と督促の電話がかかってくるのです。
会社や自宅に訪問される
訪問は足がつくので最近はあまり行われないようですが、やはり会社や自宅に訪問されることもあるようです。
ただし、闇金の目的は「お金を払えば救われる」という精神状態に追い込むことだけですので、闇金にとってもリスクが高い訪問はそれほど頻繁に行われないようです。
第三者の訪問があるケースも
訪問は闇金にとってもリスクが高いので、最近はピザのデリバリーやタクシードライバーなどに「あの家をノックしてくれ」などと依頼して、第三者に訪問させることがあるようです。
それでも、中にいる人にとっては「闇金が自宅に押しかけてきた」という恐怖を与えるには十分です。
張り紙を貼られる
これもあまり最近はないケースですが、玄関などに「金返せ!」などの張り紙を貼られて近所の人に晒し者にされるという脅しもあります。
子供などへの付きまといが行われる
こちらも、闇金にとってはリスクが大きいのであまりないかもしれませんが、子供への付きまといが行われるということもあるようです。
自宅住所が知られてしまうと家族構成も闇金に筒抜けになるので、子供をはじめとする家族も脅しの材料に使われてしまいます。
しかし、闇金が実際に暴力を振るったり誘拐したりするなどという可能性は低いと考えた方がよいでしょう。
暴力を振るうことは闇金にとってリスクの方が大きいので、「子供を殺すぞ」などと言われることはあっても、実際に暴力を振るわれることはほとんどありません。
SNS上で督促される
最近多いのがこのケースです。闇金は、お金を借りた人の情報をSNSでチェックすると言われています。
SNSで得た情報をもとに会社や友人にばらすと脅したり、実際に「〇〇さんがお金を返してくれない」と友人にメッセージを送ったりすることもあるようです。
闇金は自らにとってリスクが少なく、債務者にとってダメージが大きな方法を好みます。
SNSであれば足はつきにくく、自宅への訪問などよりも刑事事件になるリスクは少ないので、最近はSNSでの督促や、友人・知人を使った脅迫が行われることが多いようです。
その他の嫌がらせ
この他にも、自宅住所にお悔やみ電報が届いたり、頼んでもいないピザの宅配が来たりなどの嫌がらせを受けるケースがあります。
闇金は知り得た個人情報から、精神的に追い詰めるためのありとあらゆる嫌がらせを行って、なんとかお金を支払わせようとしてきます。
闇金に銀行口座を教えると凍結させられる可能性がある
闇金に「お金を振り込むから」と言われて銀行口座を教えるのは危険な行為です。
闇金から振込があり、その振込先が反社会的勢力として銀行に認識されている口座だった場合、振込を受けた預金口座は反社会的勢力と関係する口座として凍結されてしまう可能性があるのです。
給与の振込口座などであった場合、給料も受け取ることができなくなってしまうので、闇金から嫌がらせ的な督促を受けることとは別に、闇金からお金を借りることにはリスクがあると認識しておいた方がよいでしょう。
闇金に個人情報を知られてしまった時の対象法
突然闇金から電話がかかってきたら普通の人であれば驚きます。闇金からお金を借りている人であれば、「職場にばらされるのではないか」「家族や友人に迷惑がかかるのではないか」と恐怖心を感じるものです。
しかし、闇金の目的は「お金を借りさせる」か「お金を払わせる」かのいずれかですので、適切に対処すれば怖くありません。
「闇金に個人情報を知られている」と思った時には、以下の方法で冷静に対処するようにしてください。
借りていない場合には無視で問題ない
自己破産などによって闇金に個人情報を知られてしまうことは、場合によっては避けることができません。
このため、突然DMや電話で、聞いたことがない業者や知らない人から「お金を貸します」とか「お金に困っていませんか?」と聞かれた時には、とにかく無視するようにしてください。
あまりにもしつこくて悩んでいる場合には、警察や消費生活センターなどに相談するのもよいでしょう。いずれにせよ、実際にお金を借りていないのであれば、特に大きな問題はありません。
借りている場合は警察と弁護士・司法書士に相談
闇金からお金を借りてしまった場合には、警察と弁護士・司法書士に相談するようにしてください。
闇金からお金を借りている人の多くが「闇金であろうとお金を借りたのは自分だから、返さなければならない」と考えているようですが、国や都道府県に登録をしなければお金を貸すことは商売として営むことができません。
つまり、登録貸金業者でもない業者がお金を貸し付けている時点で違法なのです。「借りた業者が闇金だった」という場合には、できる限り早く警察や弁護士・司法書士に相談するようにしましょう。
違法行為は弁護士・司法書士への相談で大抵止まる
闇金の目的はできる限り法外な利息を支払わせ続けることです。
逮捕されてまでお金を取り立てようとはしませんので、闇金に対して毅然と対応することができる弁護士から闇金に連絡が行くと、この時点で大抵の督促は止まります。
警察とのコネクションが豊富な弁護士・司法書士を敵に回してまで債務者から無理やり取り立てることは、闇金にとってのメリットがありませんので、できる限り早く借金問題に強い弁護士・司法書士に相談するようにしましょう。
絶対に脅しに屈してはいけない
闇金はありとあらゆる手段で脅してきますが、絶対に脅しに屈してはいけません。
脅しを受けて少しでもお金を払うと一層エスカレートしますので、脅しに屈する前に弁護士に相談するようにしましょう。
住所変更して逃げてもそれほど意味はない
闇金からお金を借りて困ってしまうと、「どこか別の住所へ逃げてしまおう」と考えてしまうかもしれません。
しかし、住所変更をしても闇金は住民票などから変更後の住所を調べてきますのでほとんど意味はありません。逃げるのではなく、弁護士とともに正面から闇金と戦うことが大切です。
勧誘のメールや電話がしつこい場合には変更も
電話やメールであまりにも勧誘がしつこい場合には、電話番号やメールアドレスを変更することも考えた方がよいでしょう。
家族と過ごす家や職場に何度も闇金から勧誘電話がかかってくると周りの人のイメージはよくないので、勧誘に悩まされている人は変更も検討すべきかもしれません。
SNSを悪用されないための対象法
前述したように、最近は主にFacebookを利用したSNSでの闇金の勧誘・督促や脅しが多くなっています。
SNSを闇金に悪用されないためには、以下の2つのポイントを守ることが重要です。
知らない人の友達申請は承認しない
Facebookでは基本的に知らない人の友達申請は承認しないようにしましょう。
直接知らない人であっても、少なくとも何人かの共通の友達がいる場合のみ承認するなど、友達承認に対して警戒心を持つようにしてください。
友達になると自分のプロフィールや友人関係を見られてしまうことになるので十分に警戒しましょう。
プロフィールは非公開にしておく
友達ではない人に自分の投稿やプロフィールを見られないよう、公開設定は基本的に非公開にしておくようにしてください。
SNSからは個人の情報をかなり多く取得できてしまいますので、十分に警戒することをおすすめします。
まとめ
お金を借りられずにお金がない人の個人情報を、闇金が取得する手段は限られています。
審査サイトをはじめとして、闇金とはこちら側からコンタクトを取らないのが一番ですが、自己破産をした場合など、闇金に個人情報を知られることを避けられないケースもあります。
勧誘は絶対に無視すること、借りてしまった後に個人情報を使って様々な脅しがあった場合には早急に弁護士と警察に相談することで対処してください。
最近の闇金はSNSも活用していますので、SNSなどでお金の話をすることは避けるようにしましょう。