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多重債務って何?借金問題から抜け出す方法を分かりやすく解説

相談・解決

「多重債務の意味や複数の金融機関からお金を借りてしまう原因について知りたい」
「さまざまな銀行や消費者金融からお金を借りてしまい、返済するのが難しい」

生活費や交際などの理由でお金を何度も借りてしまい、多重債務者になる人は少なくないです。多重債務者になると借金を返済するのが難しくなり、生活苦に陥ってしまいます。

多重債務は闇金などでお金を借りて返済するのではなく、任意整理などで借金問題を解決することが重要です。この記事では多重債務になる原因や抜け出す方法について解説します。

多重債務について

銀行や消費者金融、クレジットカード会社など人々がお金を借りられる業者は多く存在します。キャッシングやローンなどにより、複数の業者からお金を借りることが多重債務です。

今では貸金業法により貸金業者から借りられる金額が決まっていて、年収の1/3を超える借金は不可能です。本来であれば消費者は4ヶ月分の収入を超えるお金を借りられません。

ですが規制対象外のカードローンや多目的ローンを利用することで、年収を超えるお金を借りられます。そして借金がどんどん増えてしまうと、多重債務者になってしまう可能性が高いです。

規制がなかった昔に比べて多重債務者は減っていますが、中には5件以上の借金を持つ人もいます。なぜ多重債務者になってしまうのか、理由や抜け出せない原因を見ていきましょう。

多重債務になる理由

2018年に発表された「多重債務者対策を巡る現状及び施策の動向」には、多重債務の相談をした人が借金をした理由が掲載されています。借金のきっかけとしてよくある要因は次の5つ。

  1. 収入が少ない・収入が減ってしまったから:1956件
  2. 自分が欲しい商品やサービスを購入するため:919件
  3. 仕事に必要な事業資金を補填するため:652件
  4. 自分や家族の病気やケガを治療するため:531件
  5. 住宅ローン等の借金を返済するため:496件

他にもギャンブルや遊びを目的とした人や、他人の借金を肩代わりした人もいます。自分の楽しみを得るために多重債務者となる人は少なく、生活に必要な出費のために借金するのが大半です。

多重債務者の特徴

多重債務者になりやすい人には、一般的に以下のような特徴があります。

  • 自分が欲しいものやサービスを我慢できず、収入の範囲内で暮らせない
  • 他人よりも自分をよく見せたいために、高価なブランド品を購入してしまう
  • 気が弱くて友人や飲み会などの誘いを断れず、支出を減らしにくい

また、年収が低い人ほど複数の業者からお金を借りてしまう傾向もあります。

多重債務者対策を巡る現状及び施策の動向」には、多重債務について相談した人の年収も掲載。相談者の年収を件数順で並べると、年収が少ない人ほど多重債務になりやすいことが分かります。

  1. 100万円以上200万円未満:912件
  2. 100万円未満:850件
  3. 200万円以上300万円未満:802件
  4. 300万円以上400万円未満:475件
  5. 400万円以上500万円未満:277件

収入が少ない人は何かしらの理由で多重債務者になりやすいため注意しましょう。

多重債務者の借入残高の推移

「実際に多重債務者はどれくらいのお金を借りているの?」と思った人はいるかもしれません。「多重債務者対策を巡る現状及び施策の動向」には、複数の借入残高を持つ人の数や借入段高の推移も掲載されています。

業者から借金をしている利用者1人あたりの借入残高推移と、3件以上の借入残高を持つ利用者の人数は以下の通りです。

  1. 2006年:1人あたりの借入残高は116.9万円:3件以上の借入残高を持つ人は443万人
  2. 2012年:1人あたりの借入残高は54.8万円:3件以上の借入残高を持つ人は211万人
  3. 2017年:1人あたりの借入残高は53万円:3件以上の借入残高を持つ人は115万人

2010年に改正貸金業法が完全に施行されたことで、多重債務者の人数や借入残高は少なくなりました。2006年は5件以上の借入残高を持つ人が171万人もいましたが、2017年には9万人まで減っているのも特徴です。

多重債務から抜け出せない原因

多重債務者になってしまうと、金利によって利息が増えてしまう問題があります。また、毎月複数の業者に返済しなければならず、借金の元金を減らすハードルも高いです。

例えば50万円を3つの業者から金利18%で借りた場合、1年間に発生する利息額は27万円。実際には返済することで利息は減りますが、返済先が多いと元金を減らすのは難しいです。

消費者金融や銀行のカードローンにより多重債務になると、最低返済額しか返済できない場合もあります。そうなると返済しても元金が少なくならず、借金が長期にわたって残り続けるのです。

多重債務者に対する負の影響

「多重債務者になってしまうと、どのような問題があるのか気になる」と思う人もいるでしょう。多重債務者に対する負の影響として、以下のような項目が挙げられます。

  • 金銭的な余裕がなくなる
  • 親戚との関係が悪くなる
  • 精神的に追い詰められることも

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

金銭的な余裕がなくなる

多重債務になってしまうとお金の返済が最優先となり、金銭的な余裕を持つのが難しくなります。給料や収入があっても借金を返済しなければならず、手元に残るお金は少なくなるのです。

金銭的な余裕がなくなれば質素な生活を送ることになり、人間らしい暮らしをするハードルは高くなります。自分の趣味を楽しんだり、必要なものを購入したりするのを諦めなければならない場合もあること。

親戚との関係が悪くなる

もし多重債務によって返済できなくなれば、自宅に返済の催促や取り立てがきます。業者から取り立てられるようになれば、家族や親戚に借金を知られて関係が悪くなる可能性も低くないです。

実際に借金が原因で人間関係が悪化してしまい、勘当や離婚となるパターンはあります。多重債務者になってしまうと、家族や親戚との関係が悪くなる危険性が大きいです。

精神的に追い詰められることも

返済に追われて人間らしい生活ができず、周りとの関係が悪化すれば精神的に追い詰められます。「多重債務問題をめぐる現状について」によると、多重債務が原因で自殺した人の数は2013年に688人。

借金による精神的苦痛は厳しいものであり、なるべく早めに多重債務を解決することが重要です。返済が長引けば長引くほど生活苦になり、自殺や夜逃げを考えるようになってしまいます。

多重債務から抜け出すには

既に消費者金融やクレジットカードでお金を借りてしまい、多重債務者になってしまった人も中にはいるでしょう。リスクのある多重債務を解決するには主に4つの方法があります。

  • 借り換えローンを活用する
  • 任意整理する
  • 個人再生する
  • 自己破産する

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

借り換えローンを活用する

多くの金融機関では複数の借金を1本にまとめられる借り換えローンを提供しています。借金を1つにまとめることで毎月の返済額が少なくなり、金銭的な余裕を作れるのがメリットです。

例えば大手消費者金融のアコムを利用する場合、1万円から300万円の金額で借り換えることが可能。カードローンや住宅ローンなど全ての債務を借り換えて、最大162回の返済により借金を解消できます。

注意すべきポイントは借り換えローンによって、金利が高くなってしまう場合があることです。「余裕をもって借金を返済したい」と考える人に借り換えローンを勧めます。

任意整理する

利用者が貸金業者と交渉して、借金の利息や金利をカットしてもらう方法が任意整理です。弁護士や司法書士といった法律家が代理で交渉することで、返済額を減らせる特徴があります。

任意整理により借金を減らすには安定した収入があり、数年間で減額した借金を返済できることが条件です。もし現在の上限金利を上回る金利で返済していた場合、過払い金が戻ってくる場合があります。

個人再生する

多重債務者が資産を保有したまま返済額を大幅に減らす方法として個人再生があります。約20%程度の借金が残る代わりに、高価な財産を差し押さえられないのが個人再生のメリットです。

個人再生をするには住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下であり、継続して収入を獲得できることが条件。また、返済不能となる可能性がなければ、個人再生が認められない場合があります。

自己破産する

すべての債務を免除するために、裁判所で手続きする方法として自己破産があります。破産することで高価な財産は差し押さえられますが、返済義務がなくなるのは大きなメリットです。

注意すべきポイントは免責不許可事由に当てはまると、破産が認められない場合があること。ギャンブルを目的として借金していたり、財産を隠したりすると自己破産するのは不可能です。

多重債務を防ぐためには

多重債務から抜け出すのは面倒な手続きが多く、借金問題の解決は容易ではありません。解決が難しい多重債務に陥らないためには、以下の3つの項目を参考にしましょう。

  • 収入額を超える支出をしない
  • クレジットカードの枚数を減らす
  • ある程度の貯金をする

リスクが大きい多重債務にならない方法を簡単に解説します。

収入額を超える支出をしない

働いて獲得した収入額よりも、生活や娯楽などのために必要な支出額が大きければお金はなくなってしまいます。身の丈に合った暮らしを維持することが、多重債務者にならないためのコツです。

クレジットカードの枚数を減らす

後払いのクレジットカードはお金を使っている感覚が弱まり、いつの間にか浪費してしまう原因になる場合があります。必要なクレジットカードだけを残し、それ以外のカードを解約することがオススメです。

ある程度の貯金をする

病気や冠婚葬祭といった理由で、急に多額のお金が必要になるリスクはあります。借金をせずに急な出費に対応するために、生活費の6ヶ月分から1年分の貯金をしましょう。

多重債務は効率的に解消しよう

複数の業者からお金を借りると多重債務者になってしまい、借金を返済するのが難しくなります。法律家に依頼したり借り換えローンを活用したりして、効率的に多重債務を解決することが重要です。