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闇金が行う押し貸しの実態・被害を受けた場合の対応策を解説

闇金の手口

闇金が行う「押し貸し」という行為をご存知でしょうか?借りたくもない人に対して無理矢理お金を貸し付けて、法外な高利貸しをしていく方法を「押し貸し」と呼んでいます。このページでは、実際にどのような方が闇金の押し貸しの被害を受けるのか、押し貸しの被害にあった場合にはどのように対応すれば良いのかについてお伝えします。

闇金についての基本的な事を知る

まず、闇金というのはどういうものなのかを知っておきましょう。

闇金とはどのようなものか

闇金とはどのようなものなのでしょうか。マンガやテレビなどのイメージから、暴力的な取り立てをしている集団というイメージがあるかもしれませんが、それは一部にすぎず貸金業者が守るべき法令を守っていない者のすべてをいいます。

貸金業者が守るべき法令としては、貸金業法・出資法という法律があります。貸金業法は貸金業を営む者に登録をする義務や、取り立てに関するルールを定めています。出資法は利息の上限に関する規定をしています。闇金融のほとんどは貸金業に関する登録をしていませんし、中には登録自体はしている者もいるのですが、取り立てに関する法規制を守らない者もいます。

また、利息に関しては「トイチ」という言葉にあるように、10日に1度利息を受け取る方法での返済を迫り、その利息は法定利息の100倍を超える違法なものとなっています。

よく、「街金」という言葉と混同する方もいらっしゃるのですが、街金は特定のエリアでしか営業していない、という意味で地域密着型の消費者金融で、貸金業登録も行い貸金業法の規制にのっとった営業をしておりますので、違法なものではありません。

闇金から借りたときの法律上の構成

闇金からお金を借りたときには、どのような法律関係になるのでしょうか。借りたお金なのだから、きちんと返済をする義務がある、という風に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には利息も元本もすべてのものを返済する義務はないという風にされています。

これは、民法708条に規定がある「不法原因給付」という規定に基づくもので、違法な貸付による利息の受け取りをするために使われた元金なので、それの返還義務を否定するものです。ですので法律上は、仮にお金を返してくださいという請求を裁判所にされたとしても、裁判所はこれを否定する判決を出すことになります。

闇金が実際に何をするか

では法律上お金を返してもらえる権利がない闇金だとしても、当然ながらそんなに簡単に引き下がるわけではありません。違法な取り立て行為を行ってお金を払わせるのが闇金のやり方です。闇金が行う行為としては、まず違法に入手した携帯電話を使って、電話で連絡を行います。もちろん本人にも連絡しますが、本人に連絡をしつこくしたところで、本人が我慢したり、携帯電話に出ない、電源を入れない、固定電話・FAXの電源を抜くなどしてしまえばよいのであって、効果がないのを知っています。

そこで、貸付時に聞き取った連絡先に同様の電話攻撃を始めます。本人の夫や妻、両親、職場といった連絡先を貸付時に聞き取ることが通常で、それらの連絡先や、会社の規模が大きい場合には、グループ会社の本社や他のグループ会社への電話連絡をします。

電話連絡といっても、その内容は貸金業者の入金督促のようなものではなく、威圧的な口調、不快感を与えるような口調など様々で、根負けして支払いをすることを求めるものです。また電話連絡の他にも、FAX・自宅への寿司・ピザ・弁当などの宅配を行う、救急車・消防車の出動要請をする、といったことを行う者もいます。

闇金といえば、直接暴力を加えにくる、女性を無理やり風俗で働かせるといったことを想像する方もいらっしゃると思います。

しかし、最近の闇金はグループで活動している事がほとんどで、上記のような行為をすると逮捕される危険が高く、逮捕されるときには芋づる式に全員が逮捕されるような形になります。そのため近年では、上記のように逮捕や捜査のきっかけを与えるような行動をとる者は少なく、携帯電話で行うことができる範囲の行動をとる闇金がほとんどであるといえます。

闇金が押し貸しをする場合について知る

それでは、闇金が押し貸しをするようなケースについて詳しく見てみましょう。

押し貸しとはどのような行為か

まず、そもそも何のために押し貸しをするのでしょうか。押し貸しというのは、借りる意思のない人間に無理やり貸付をして、利息を含めた返済を迫る行為です。過去に闇金に申し込みをしたり、実際に利用した事があったり、ワンクリック詐欺に引っかかって情報を伝えたような場合には、相手に口座の情報が知れています。その口座に関する情報を利用して無理矢理お金を振り込み、返済を迫るのが押し貸しをする闇金のやり方になります。

上述しましたが、闇金は数名のグループで活動していることがほとんどですので、一人に申し込みをしてしまえば、その数名のグループが情報を共有することができてしまいます。一度闇金を利用したことがある場合には、周りに電話で攻撃をされて慌てて支払ったようなことがあることがある場合には、同じような事をすれば何としてでも支払いをする、という風に考える者がいます。そのような者に捕まってしまうと、ありとあらゆる請求がされる可能性があります。

こんな特徴のある闇金が押し貸しをする

では、押し貸しをするような闇金にはどのような特徴があるのでしょうか。

①とにかく利息が高い

相手から利息として主張されるものは、上述したとおり法律上の返済義務があるものではないのですが、通常の闇金よりもさらに高利であることが通常です。

例えば、闇金に申し込んで5万円の貸付を受けた人が、いわゆる「トイチ」の利息で支払いをする場合には、10日後に5,000円の支払いをすることになります。しかし、押し貸しの場合には、1万円を振り込んで一週間で1万円を支払ってくださいというものも珍しくありません。では1万円を入金すればそれで終わりなのか?というとそういうわけではなく、「それは利息なので毎週1万円を振り込んでください」「遅延損害金が発生している」ということを理由に何度も何度も請求してくることがあります。

②他の手口も利用している

闇金と類似したものとして、他にも様々な方法で違法な請求をしてくることがあります。たとえば、融資の申し込みをして、その他の融資を受けたので断ると、キャンセル料を請求してくるような詐欺をしてくる者が居たりして、申込をしたが断ったことがある先から同様の請求をされる可能性などもあります。

一度闇金を利用したことがあり、どの程度支払えるかという事を知っているので、返済をすることができるという状態であることを知っているので、手を変え、形を変え様々な方法で金銭を請求してくることになります。

闇金による押し貸しの被害に遭わないためには

では、闇金による押し貸しの被害に遭わないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。

口座を解約する

まず、過去に闇金からの借入をはじめ、違法なものに使われた銀行口座については解約するのが良いでしょう。押し貸しをするためには、口座の情報がなければ絶対にできません。そのため、押し貸しの被害を物理的になくすためには、過去の闇金からの借入や申込に使ってしまった口座は解約してしまうことが一番の策であるといえます。

電話番号の変更

次にやっておくべきことは、電話番号の変更です。連絡手段が残っていると、銀行員や公的機関のフリをして口座に関する情報を聞き出しにこようとすることは考えられます。銀行口座を教えることがなくても、忘れた頃に過去の闇金等の督促が入ったりするようなこともあります。そのため、本人をはじめ闇金に教えてしまった人に関する電話番号は変えてしまうのが良いでしょう。

闇金の押し貸しの被害にあったら?

ではもし、闇金の押し貸しの被害にあったらどのような対策をとればよいのでしょうか。

警察に相談

警察に相談をすることも検討すると思うのですが、警察に相談しても、民事不介入といった反論や、今主張しているものは押し貸しで本当に借りてないことを証明しなさい、という事を言われて、取り合ってもらえないケースが多く報告されています。

また、仮に対応してくれたとしても、一時的に電話口で対応してくれるのみで、家に帰れば督促が再開している、という事も珍しくありません。残念ながら、警察に相談するのは得策ではないといえるのです。

闇金からの攻撃をひたすら我慢する

警察が頼りにならないからといって、自分や周りの教えた連絡先に対して、ひたすら我慢をすることをお願いするという方法を採ろうとする人がいますが、絶対にやめるべきです。まず、どんなに頑張っても、執拗な攻撃の我慢の限界3日程度です。

後述しますが、弁護士に依頼をして交渉が決裂して連絡先への攻撃が始まったとしても、3日くらいの間にその携帯を止める・口座を止めるなどの措置をとるため、3日くらいで諦めることがほとんどのようです。しかし、一般の方が3日間ずっと耐えていたとしても、携帯を止める・口座を止めるという事ができないので、闇金としても攻撃し放題にして諦めさせれば良いだけの事なのです。

押し貸しをしてくるような闇金には、ただ我慢をするだけでは絶対に解決しないという事を知っておいてください。

消費者センター

押し貸しの問題に関しては、消費者センターに相談をする、という方も多くいらっしゃいます。しかし、消費者センターは警察のように法的な権限もっているわけではなく、やれることというと電話で警告をしてくれるのみで、警察に相談するか、弁護士・司法書士に依頼することを勧めるという対応がされます。ですので、消費者センターに相談をしても押し貸しをする闇金への解決にはなりません。

弁護士・司法書士に相談をする

闇金問題を解決する方法として、専門家に依頼する方法を知っておきましょう。闇金との交渉については、法律の専門家である弁護士・認定司法書士の専門分野です。弁護士・司法書士は押し貸しをする闇金とアプローチをして、以後督促をしないようにしてもらうよう交渉することができます。

ただ、債務整理における交渉のように、貸金業法やガイドラインに則った行動を期待できる相手ではないので、交渉が決裂をすれば返済できなかった時と同じように電話による攻撃をしてきます。依頼しても100%督促を一切させないという約束をすることはできないのが現状です。しかし交渉が決裂して請求が始まったの場合でも、携帯電話や口座などを速やかに凍結することによって相手の督促がこれ以上無駄であり、これ以上口座や携帯がつかえなくなる事を恐れて督促をやめることになります。

確かに、弁護士・司法書士に依頼をするということは、弁護士費用・司法書士費用のかかるものになるのですが、闇金による押し貸し被害を最小限に抑えられるのが弁護士・司法書士であるといえるでしょう。

弁護士・司法書士の取り扱い分野の中でも、債務整理に関する事務を取り扱っている弁護士・司法書士で、闇金問題にも積極的な弁護士・司法書士を選ぶようにします。なぜなら、弁護士・司法書士の中でも、定型的な業務ができない闇金問題については、引き受けたくないと思っている人もいるので、そのような人に依頼をしてしまうと解決に向かわないことがあります。

特に押し貸しの被害にあっているということで、過去に闇金を利用していたなどで常習であると判断すると、急に態度を硬化させる弁護士・司法書士もいます。

弁護士費用・司法書士費用の目安は闇金1件につき5万円(税別)ですが、分割で入金することもみとめてもらえます。今すぐに依頼するための弁護士・司法書士費用がすぐに捻出できないような場合でも依頼できる場合があるので弁護士・司法書士に相談をしましょう。

弁護士・司法書士に依頼をするためには、必ず法律相談を先に行う必要があり、まずその予約をとって事務所に赴きます。事務所では、闇金の名称・押し貸しされた元本の額・利息など支払いの約束の内容・過去に闇金に伝えた連絡先などを聞かれます。依頼をして初めて、押し貸しをする闇金との交渉をはじめてもらえます。

それでも闇金に頼ざらるを得ないような場合に知っておいて欲しいこと

押し貸しの被害に遭うかたは、闇金と何等かの接点を持たざるを得なかったことが多いのですが、闇金からでも借りなければならないような事態になる前に対策する方法はあります。その対策方法について知っておきましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する

貸付については信用情報機関に債務整理をした・延滞をしたなどで借りられなくなっているブラックリストという状態の方がほとんどです。しかし、生活に必要最小限のものについては、市区町村の福祉協議会が窓口になっている、生活福祉資金貸付制度というものが利用でき、これについては信用情報に傷がついているという方でも利用できるようになっています。

連帯保証人が立てられるのであれば利息は無しで、連帯保証人が立てられないような場合でも1.5%の低利息で借入ができます。貸付については小口の緊急的な資金に関するもの以外は1ヶ月程度の時間を要するものになるので、必要と判断したときには早め早めに行動するようにしましょう。

年金担保貸付

高齢者の方や障害をお持ちの方で老齢年金や障害年金を受給している方であれば、その年金を担保に貸し付けをうける、年金担保貸付というものがあります。年金担保貸付は、独立行政法人福祉医療機構が運用している、保健・医療、介護・福祉、住宅改修、冠婚葬祭、生活必需物品の購入などの支出のために一時的に小口の資金が必要な場合に利用することができる融資の制度で、年金を担保に供することができる唯一の例外です。

申し込みは、銀行や信用金庫などで「独立行政法人福祉医療機構代理店」となっているところで申込ができます。借入をしたものに対する返済は、年金を代わりに独立行政法人福祉医療機構代理店が受け取るとおいう形で返済されることになっているものです。こちらも用途が限られたものですが、生活に必要なものについては網羅されている貸付の制度で、年金を担保にするものであるので信用情報を参照する必要のないものです。

まとめ

このページでは、押し貸しの被害についての基礎知識についてお伝えしてきました。押し貸しは過去の闇金利用歴や申込をしたときに提供した情報を利用して一方的に振り込んできて返済を迫る、極めて悪質な行為です。対策には闇金問題に詳しい弁護士・司法書士の助力が一番解決に近いものといえますので、なるべく早くから相談をするようにしておきましょう。