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個人再生で闇金から逃れられる?利用条件やメリット、リスクを解説

返済停止

「闇金から多額のお金を借りてしまい、返済するのが苦しい」
「個人再生などで借金を減らして闇金から逃れたい」

収入を増やすのが難しい最近では、生活費等を補うために闇金からお金を借りてしまう人も多くいらっしゃいます。しかし、闇金は正規の貸金業者に比べ金利が法外に高いため、返済できなくなるリスクが高いです。

この記事では、借金の返済を減らすのに役立つ個人再生の利用条件やメリット・リスクについて説明すると同時に、闇金の借金への対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

個人再生とはどのようなものか

自分の資産を保有したまま、抱えている多額の借金を軽減できる方法が個人再生です。自己破産とは異なり、個人再生は自宅などの財産を維持できて職業の制限がされないという特徴があります。

以下では、個人再生の種類や利用条件、メリットデメリットなどについて説明します。

個人再生の種類

個人再生には次の2種類があります。

  • 小規模個人再生
  • 給与所得者等再生

小規模再生は、住宅ローンを除いた借金額が5,000万円以下であり、継続して収入を得られる人が利用できる方法です。

小規模個人再生による借金の軽減額は、債務者が抱える借金総額によって異なります。借金総額における債務者の最低弁済額は次の通りです。

  • 100万円未満の借金の場合、全ての借金を返済することが必要
  • 100万円以上~500万円以下の借金の場合、100万円以上の返済が必要
  • 500万円以上~1,500万円以下の借金の場合、借金総額の1/5以上の返済が必要
  • 1,500万円以上~3,000万円以下の借金の場合、300万円以上の返済が必要
  • 3,000万円を超える借金の場合、借金総額の1/10以上の返済が必要

抱えている借金の総額が増えるほど、小規模個人再生による軽減額が大きくなります。

また、給料などの安定した収入がある場合、給与所得者等再生を利用することが可能です。

詳しく知りたい方は裁判所の公式サイトでご確認下さい。

参考サイト:個人再生(裁判所)

個人再生を行うための条件

個人再生で借金を軽減するには、次の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 住宅ローンを除いた個人の借金総額が5,000万円以下であること
  2. このままの状況が続くと返済不能になる可能性があること
  3. 継続して収入を得られる見通しがあること

これらの条件のうち、1つでも基準を満たさない場合は個人再生を利用できません。

債権者のうち1/2以上が賛成して、かつ賛成した債権者の債権額が借金総額の1/2以上であることが認められる条件です。

個人再生を行うメリット

借金の返済額を個人再生で減らす一番のメリットは、自分の財産を差し押さえられずに済むことです。

生活に必要な住宅、自動車、家電などが回収されないため、個人再生後もそれ以前と変わらずに生活することができます。

また、個人再生では一般的に借金額が1/5まで軽減されて、その金額を返済することで残りの借金における返済は免除されます。自分の返済額が少なくなるのも個人再生のメリットです。

専門家による個人再生の手続きが始まれば、債権者による取立てや強制執行を防ぐことができます。

取立てで悩んでいる方は、なるべく早く個人再生を行い、専門家に債務整理を任せることがおすすめです。

個人再生するデメリット

個人再生は利用する条件が厳しく、手続きに多額の費用や手間がかかるというデメリットがあります。

自己破産に比べて必要な書類や手続きが多くあり、完了するまでに半年程度の期間が必要です。

また、個人再生をした債務者の事故情報は信用情報機関により記録されます。

借金を整理することでいわゆるブラックリスト状態となり、消費者金融やクレジットカードなどの審査が通らなくなる可能性が高いです。

一般的に事故情報は5年から10年間は保存されるため、その間は金融機関から借金できなくなることを理解しておきましょう。

事故情報が消えればクレジットカードやカードローンを利用することが可能になります。

個人再生の費用と期間

個人再生の手続きは個人で行うことは難しいため、法律の専門家に手続きを依頼する方が多いようです。

一般的に、専門家に個人再生を依頼する場合、費用の目安は30万円から40万円程度になります。

専門家に個人再生を依頼した場合、「受任通知発送」「裁判所への申立て」「再生計画案の提出」などの手続きが代行で処理されます。個人再生における期間の目安は約6か月です。

闇金の借金は個人再生で対処できるか

個人再生の利用条件やメリット、デメリットについて上述しました。「借金が軽減できるのなら、今すぐ個人再生したい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その借金が闇金からのものであった場合、個人再生では対処できない可能性が高いです。

以下では、闇金からの借金は個人再生で対処できない理由と闇金利用者が個人再生を行うリスクについて説明します。

闇金には返済義務がない故に個人再生ができない

闇金業者は違法な条件でお金を貸し付けているため、法律上、債務者は返済する義務がありません。このことは、不法原因給付(民法第708条)で定められています。不法原因給付について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

返済義務のない借金について、個人再生などの債務整理をすることは不可能です。基本的に個人再生は、正規の金融機関からの借金にのみ適用されることを理解しておきましょう。

個人再生を無視する可能性

闇金は違法に利益を得ようとする集団であり、個人再生や自己破産などの債務整理を無視する傾向があります。

たとえ法律上では返済が免除されても、闇金が取り立を止めない可能性は高いです。

せっかく個人再生しても闇金からの取立てが続くのでは、手続きのために負担したお金や時間が無駄になるリスクがあります。

利息から収入を得られるため、闇金はいつまでも債務者につきまといます。

違法に貸金業を続ける闇金に対して、個人再生を行うメリットは弱いと理解しておきましょう。

官報に個人情報が載る

個人再生が確定すると国が発行している官報に、債務整理した債務者の名前や住所が記載されます。

今ではインターネット版官報により、誰でも無料で個人再生した人の個人情報を閲覧することが可能です。

参考:https://kanpou.npb.go.jp/

もし利用者の名前を知っている闇金が官報を見てしまうと、住所を知られてしまう可能性があります。

闇金に住所を把握されることで、自宅に張り紙やデリバリーなどの嫌がらせを受けるリスクが生じます。

自分の個人情報を守るためには、どうしても必要な場合を除いて個人再生を行わないことが重要です。

正規の金融機関から借金できなくなる

個人再生した債務者は、信用情報機関にその情報が登録されます。

生活費などのためにお金が必要であっても、個人再生の情報が掲載されると正規の金融機関から借金することはほぼ不可能です。

借金を整理した後にお金が必要になれば、違法な闇金から借金せざるを得なくなります。そうすると高額な利息や悪質な取立てに再び直面して、個人再生する意味がなくなるのです。

他の闇金に狙われやすくなる

違法な闇金は高い金利でお金を借りてもらうために、消費者金融等を利用できない人たちをターゲットにします。

官報に掲載されれば名前や住所が広まり、他の闇金に狙われるリスクが発生します。

複数の闇金からお金を借りてしまうと、利息がさらに増えて生活難になる可能性が大きいです。悪質な闇金に対処するには個人再生ではなく、適切な方法で対処することを勧めます。

個人再生せずに闇金から逃れる方法

悪意をもって利用者に取り立てる闇金には、個人再生しても返済から逃れられないリスクがあります。法的な手続きをしたとしても、違法な悪徳業者には通用しない場合が多いです。
以下では、個人再生では対処しきれない闇金の借金から逃れる方法について説明します。

借金の返済をやめる

闇金は違法な金利でお金を貸し付けることで、あなたから不当に利益を得ています。悪徳業者からカモとして認識されないために、利息や元金といった借金の返済はやめましょう。

前述した通り、闇金業者からの借金は不法原因給付に該当するため、利息はもちろん、元本すら返済する義務はありません。

闇金に借金を返済する必要は本来ないのです。借金を一切返済しない姿勢を持つことで、闇金が利用者に取り立てることをやめるケースもあります。

これ以上の損害を増やさないために、違法な闇金からの借金を返済しないことが重要です。

闇金に強い法律の専門家に相談

返済をやめた後に闇金から借金を取り立てられた時は、闇金に強い法律の専門家に相談することをおすすめします。

闇金は違法な金利でお金を貸し付けているため、法的な対処ができる法律の専門家を嫌う傾向があります。実際に利用者が法律家に相談したため、取立てや嫌がらせをやめる闇金は多いです。

借金をしているのが闇金業者であるのなら、個人再生は行わずに闇金対応に強い法律家に相談することをおすすめします。

正規の貸金業者と闇金の両方に借金がある場合は、専門家に個人再生と併せて闇金対応を依頼すると良いでしょう。

まとめ

今回は、個人再生とはどのようなものか、闇金の借金は個人再生で対処できるか、個人再生せずに闇金から逃れる方法などについて説明しました。

個人再生には、自分の資産を残したまま借金を1/5まで減らせるというメリットがあります。しかし、闇金の借金は個人再生の対象とならない点に注意しましょう。

闇金の借金から逃れたいという場合は、闇金対応の実績が豊富な法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、利用者に代わって闇金業者と交渉を行う司法書士事務所です。アフターフォローにも力を入れており、着手から2か月間は無料でしつこい闇金業者への対応も行っています。闇金トラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひジェネシスへご相談ください。