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日雇いで生活資金が不足!闇金から借りるしかない?

相談・解決

日雇いで働いている方が急にお金が必要になった時、正規の貸金業者に申し込んでも断られてしまうケースがあります。そうした場合、頼れるのは審査らしい審査のない闇金業者だけなのでしょうか?

本記事では、日雇い労働者が闇金を利用してしまう理由と闇金を利用する危険性について詳しく説明、実際に日雇い労働者が闇金を利用して起きたトラブルの実例を紹介するのと併せて、日雇い労働者が安全に資金調達をする方法についても説明します。

日雇い労働者が闇金を利用する理由

日雇い労働者が、闇金業者を利用してしまうことは決して少なくないようです。何故かといえば、以下のような理由が考えられます。

融資の審査に通りにくい

日雇い労働者は、正規の貸金業者による融資の審査に通りにくいという実情があります
融資を行う際、大抵の貸金業者は勤務先を確認します。日雇いの場合、その日その日で雇用されるため、決まった勤務先というものは存在しません。そのため、勤務先がないということになり、書類に書くこともできないため、融資の審査に通らないのです。

収入が不安定で生活資金が不足する

毎日仕事が見つかれば良いですが、見つからない日も当然あります。また、日雇い労働者の賃金はほとんどの場合、1日1万円にもなりません。そのため、食費や宿泊費などに、その日に稼いだお金をその日のうちにほぼ使い切ってしまう、いわゆるその日暮らしになりがちで、貯蓄を行うことは難しいです。そうした生活では、もし、仕事が見つからない日が続くことや、体調を崩して数日休まなければいけないようなことがあれば、すぐに生活資金にも困ることになってしまいます

特に、怪我や療養の必要な病気を患ってしまった場合は、あっという間に困窮してしまう恐れがあります。そうした事情から、食べることにさえ困るようになり、結果、闇金業者から借金をしてしまう日雇い労働者は少なくありません。

しかし、そもそも安定的な収入がない日雇い労働者が、金利が法外かつ取り立ての厳しいことで知られる闇金業者から借金してしまって大丈夫なのでしょうか?

もちろん、大丈夫なわけはありません。お金を借りたその瞬間は、まとまったお金を手にしたことで、ほっと一息付けるかもしれませんが、それは地獄への入り口でしかありません

日雇い労働者が闇金を利用する危険性

日雇い労働者は、正規の貸金業者の融資を受けることは難しいため、闇金業者を利用しがちです。ですが、それはとても危険な行為です。以下では、日雇い労働者が闇金業者を利用した場合、どのような危険性があるかを説明します。

闇金は高金利

闇金業者の定める金利は、ほとんどの場合、貸金業法で定められた法定金利の上限をはるかに超過しています。前述した通り、日雇い労働者の賃金は決して高いとはいえません。例え普段より頑張って休みなく働いたところで、日々の生活費を賄いながら返済していくことは到底不可能でしょう。

取り立ては苛烈

返済が滞れば、当然、取り立てがやってきます。闇金業者の取り立ての厳しさは、言うまでもないでしょう。昼夜を問わず電話は鳴り響き、出れば「金を返せ!」と、恫喝されます。最近ではあまりないといわれていますが、家までやってきて近所中に響くような声で騒がれる、暴力を振るわれるといった事例もあります。

また、闇金業者は審査をしない代わりに、融資を行う際には必ず、緊急連絡先として、家族や友人の連絡先を書かせます。返済が滞った時には、そちらへ代わりに返済をするように迫る連絡が行きます。そのせいで、それまで良好だった家族関係や友人関係が修復不可能なまでにこじれてしまうということも少なくありません

犯罪に巻き込まれることも

日雇い労働者で闇金業者への借金が返済できなくなった場合、闇金業者の方も返済は見込めないと考え、別の手段を講じることがあります。

取り立てを止める代わりに、犯罪行為への協力を要請されることがあるといいます。実際に、闇金で返済が焦げ付いた人が、振り込め詐欺の受け子をさせられて捕まったという報道がありました。また、口座を開設するように指示されて開設したところ、犯罪口座として利用されたという事例も報告されています。

犯罪行為に加担してしまった場合、いかなる理由があったとしても犯罪者の仲間入りです。警察に追われる身となり、最悪、塀の中に入る羽目になってしまいます。

そのような事態を避けるためにも、日雇いで生活に困窮しても、闇金業者から借金をするのは絶対に止めましょう

日雇いで闇金を利用しトラブルになった事例

実際に、日雇い労働者が闇金業者を利用して、トラブルになるということがあるのかと、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。有名Q&Aサイトには、日雇い労働者が闇金を利用して、トラブルになった事例が複数掲載されています。以下では、その中の数例をご紹介します。

闇金への返済のために働いているようなものです

2016年頃、闇金への返済のために働いているようだ、という日雇い労働をしている方からの投稿です。

日雇いで現場作業をしているという質問者の男性は、先週、怪我をしてしまって働けなくなってしまったそうです。多少の保険金は入るそうですが、すぐにはもらえないため、闇金の返済期限に間に合わなくなってしまい、事情を説明したところ「なんとしてでも返せ」と恫喝された、とのこと。「こんな生活から抜け出したいが、どうしたら良いかわからない」という内容でした。

こちらの質問へは、「闇金業者は違法なので、返済の義務はない」「ただし向こうもただでは諦めないだろうから、闇金業者への対応を得意としている法律の専門家に相談して解決するといい」というアドバイスが寄せられていました。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14157871189?__ysp=5pel6ZuH44GE44CA6ZeH6YeR

複数の闇金に借金がある

2010年頃、短期の高利貸しに複数の借金があるという方からの投稿です。

生活に困り、利息が法外な額なことも承知の上で借りたという質問者の方は、日雇いで働いているため毎日収入があるが、その日の内に利息の返済に消えてしまうので、生活が成り立たなくなってきたそうです。

「相手が相手なだけにどうしていいのかもうわかりません」という質問者に対し、回答者からは、「独力では解決は困難でしょう」「闇金でも受任してくれる法律の専門家へ相談に行くべきです」といったアドバイスが寄せられていました。

こちらの質問者は闇金とは明言されていませんでしたが、「高利貸し」「相手が相手」というフレーズから、闇金業者だと推測できます。

参考記事:https://soudan1.biglobe.ne.jp/qa5775745.html

闇金から50万借りてしまった

2018年頃、闇金から50万円借りてしまったという方からの投稿です。

質問者の方は、どうしてもお金が必要でどこからも借りることができなかったため、闇金業者から50万借りてしまったそうです。日雇いのバイトを掛け持ちしながら返しているが、かなり厳しく感じていて、「すごくつらいが返済していくしかないですよね?」という内容でした。

回答者からは、「家族に頭を下げて建て替えてもらえ」「闇金業者の対応に実績のある法律のプロに相談するべき」といったアドバイスが寄せられていました。

50万は正規の金融機関から借り入れたとしても、日雇い労働では返済が難しいでしょう。まして闇金業者からでは、利息が付いて最終的にいくらに膨れ上がるか知れません。早急に手を打つ必要があると思われます。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10193708855?__ysp=6ZeH6YeR44CA5pel6ZuH44GE

日雇い労働者の安全な生活資金調達法

日雇い労働者が闇金を利用する危険性について上述しましたが、では、安全に資金を調達する方法はあるのでしょうか?以下では、日雇い労働者が生活資金に困った際の対処法について説明しますので、参考にしてください。

生活福祉資金を利用する

生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者・障害者に対し、資金の貸付と必要な相談支援を行うことにより、生活を経済的に支えると同時にその在宅福祉・社会参加の促進を図ることを目的とした制度です。

総合支援金として、生活支援金・一時生活再建費等のための資金について融資を受けることができます。保証人なし低金利(保証人が立てられる場合は無利子)で融資を受けられるため、闇金業者を頼る前にまずはこちらに相談を行うことをおすすめします

詳しくは、厚生労働省の公式サイトか、お住いの市区町村の社会福祉協議会の公式サイトをご参照ください。

参考サイト:生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)

生活保護を申請する

傷病等の理由により、働きたくても働けず生活に困窮してしまったという場合は、生活保護を申請することをおすすめします。文化的な生活に必要な生活資金を支給されるため、一時的にでも生活保護を受給すれば、落ち着いて生活を立て直すことが可能となるでしょう。

参考サイト:生活保護制度(厚生労働省)

生活困窮者自立支援制度等を利用し、生活再建を行う

日雇い労働者が生活資金に困る最大の理由は、日雇いという不安定な雇用体制にあると考えられます。

生活困窮者自立支援制度は、「働く場所が見つからない」「住む場所がない」等、様々な事情により生活に困窮している方が周囲から孤立することなく安定した生活を送ることができるよう、一人ひとりの状況に応じた包括的な支援を行う制度です。

就労訓練支援などの一般就労に向けた支援も行っていますので、この機会に、不安定で正規の貸金業者から融資を受けることも叶わない日雇い生活から抜け出し、生活再建を行うことをおすすめします

参考サイト:生活困窮者自立支援制度(厚生労働省)

まとめ

今回は、日雇い労働者が闇金業者を利用してしまう理由と闇金業者を利用する危険性について説明すると同時にトラブルの実例をご紹介、併せて安全な生活資金の調達法についても説明しました。

生活資金に困り、今すぐにでもお金が欲しいという時、「日雇いOK」「即日融資」という言葉を目にすれば、ふらふらと連絡したくなるかもしれません。ですが、困窮している時に、闇金業者に手を出すのは、さらなる困窮につながる危険行為でしかありません。お金に困ったからといって、安易に闇金業者から借りることは絶対に止めましょう

もし、すでに闇金業者を利用してしまい、取り立てに追われているという場合は、速やかに法律の専門家へ相談することをおすすめします。

我々ジェネシスは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官が力を合わせて、闇金トラブルに対応する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応していますので、闇金業者との関係を断ち切りたいという方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。