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年金を狙った詐欺の手口と対処方法について詳しく解説

闇金の手口

オレオレ詐欺など高齢者を狙った悪質な犯罪が近年横行しています。年金を騙し取ろうとする年金詐欺もその一つです。

今回は年金受給者を狙った年金詐欺の手口を詳しく解説すると同時に、年金詐欺の実例をご紹介、さらに年金受給者が急にお金が必要になった時安全に資金を調達する方法と、年金詐欺にあってしまった時の対処法などについて説明します。

年金を狙った詐欺の手口とその実態

決まった金額が定期的に必ず入ってくる年金は、犯罪者にとって魅力的なものなのでしょう。また高齢者の中には認知症を患い判断力が低下していたり、一人暮らしで話し相手を欲していたりと、犯罪者の付け入る隙がある人間も少なくありません。以下では年金詐欺の手口とその実態、またターゲットになりやすい人について解説します。

年金を担保とした融資を行う詐欺

年金詐欺で最も多く行われているのが、年金担保詐欺です。チラシやSNS、電話などを使い、「年金を担保に融資をします」と持ち掛けてきますが、これは全て違法です。年金を担保に貸し付ける行為は、国が公的に実施している独立行政法人福祉医療機構(WAM)による年金担保貸付以外は法律で禁止されています。

中にはWAMを装って融資を持ち掛ける悪質な業者も存在するようですが、WAMは自ら融資の勧誘をすることは決してありません。年金を担保に融資を持ち掛けてくる業者は全て違法な業者です。
このような業者から融資を受けた結果、法外な利息を請求されたあげく、言葉巧みに年金手帳や年金受給口座のキャッシュカードや通帳、印鑑まで取られてしまったというケースも珍しくないため注意が必要です。

年金事務所や年金機構を装う

年金事務所や日本年金機構を装い電話をかけてきて、個人情報を聞き出す、振り込め詐欺を行う等の犯罪も報告されています。個人情報を詐取された上、キャッシュカードや通帳を騙し取られる等の悪質なケースもあるようです。年金事務所や日本年金機構は、年金受給者に電話で個人情報を訊ねる、お金を請求する等の行為は行いません。疑わしい電話があった場合は、一度通話を切り、日本年金機構「ねんきんダイヤル」へ問い合わせましょう。

過去に闇金と関わりがあった人は要注意

年金詐欺に関わらず詐欺被害に合いやすい方として、高齢者の一人暮らしや認知機能に問題がある方があげられます。それ以外にも、過去に闇金業者からお金を借りたことがある方は年金担保詐欺のターゲットにされやすいといわれています。

年金担保詐欺を行っているのは闇金業者なので、過去一度でも関りがあった場合、情報が残っていてその情報をもとに勧誘が来る可能性があるからです。そのような方が身内にいる場合は、家族も気を付けて見守る必要があります。

年金を狙った詐欺被害の実例

年金詐欺に実際にあってしまった方の実例は、有名Q&Aサイトにも複数掲載されています。以下では、年金詐欺にあわれた方の投稿をご紹介します。

父親が年金を担保に闇金からお金を借りていた

2013年頃、父親が闇金と年金担保融資を受けていたという方の投稿です。

75才の父が数年前よりヤミ金と関わり、年金担保融資なる契約まで交わしてしまい、あげくには年金受給される銀行通帳とカードまで相手先へ渡してしまっていたという投稿者は、至急解決に動こうと思うがどうしたら良いかわからないため、アドバイスを求めてQ&Aサイトへ投稿。

回答者からは、年金受給口座を変更して警察へ届けるようにといったアドバイスを受けていました。借金問題は民事のため、暴力行為や脅迫を受けていたりといったことがない限り、警察が動いてくれることは期待できません。

参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11117962561?__ysp=5bm06YeR5ouF5L%2Bd44CA6ZeH6YeR

身内が年金詐欺にあっていた

こちらも2013年頃に父親が年金詐欺にあっていたという方からの投稿です。

離れて暮らす第一級障がい者の父親が、年金担保融資詐欺にあっていたことを知り、詐欺ではないかと警察へ相談したが、わかっていて借りたなら詐欺ではないと言われた。包括センターへ相談に行ったところ、年金受給口座のキャッシュカードや通帳も取られていたため、アドバイスに従って口座を変更したが、返済日にはキャッシュカードが使えないことに気付いた業者がやってくるだろう。その際、自分も行くことができないし、他に立ち会ってくれる人がいないのでどうしたら良いかわからない、借用書や過去の返済履歴などを調べたいが請求できるのか?という切羽詰まっている状況のようでした。

回答者からは、警察には何度も行かないとダメだ、借用書や返済履歴は請求できるが、あくまで本人の権利だ、代わって行いたいのなら、成年後見人になる必要があるなどというアドバイスを受けていました。

参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10108608695?__ysp=5bm06YeR44CA5ouF5L%2Bd44CA6KmQ5qy6

年金受給者でも可能な資金調達方法

年金担保融資の詐欺に引っかかってしまう最大の理由は、年金受給者は正規の金融機関から融資を受け難いからでしょう。では、年金受給者が、緊急にお金が必要になるなど、資金を調達したいと思った時はどうすれば良いのでしょうか?

消費者金融等のカードローン

消費者金融等のカードローンは、比較的審査が緩く、多くの場合、年金受給者でも融資を受けることが可能です。ただし、法定金利内とはいえ、消費者金融は年率18%程と決して金利が安いとはいえないため、緊急で少額のお金が必要な時に限り、すぐに返済可能な範囲でのみ利用するようにしましょう。

年金担保貸付制度(WAM)

年金担保貸付制度(労災年金担保貸付制度)は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)が行っている国民年金・厚生年金保険・労働者災害補償保険等の年金を担保に融資することを唯一国が法律で認めた制度です。WAM以外が行う年金を担保とした融資は全て違法です。

年金担保貸付制度は、年金受給者が、医療や介護、福祉、住宅の改修、冠婚葬祭、債務の整理、生活必需物品の購入等の支出のため、一時的に小口の資金が必要となった場合に利用することが可能です。年金の受給権を担保とし、融資金額は10万~200万、受給している年金の0.8(年額)倍以内となります。返済は年金支給機関から直接行われ、返済期間は年金支給額から返済額を差し引いた金額を支給されることになります。この制度は令和4年3月末で終了予定ですが、それまでの期間は融資の申し込みを受け付けています。

詳細については独立行政法人福祉医療機構(WAM)の公式サイトをご参照ください。

参照:https://www.wam.go.jp/hp/cat/nenkinrousaikasituke/

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や障がい者世帯、65歳以上の高齢者世帯など、金融機関から融資を受けることが難しい世帯が、資金調達を必要とする時に利用可能な制度です。

融資金額は使用目的によって異なりますが、正規の金融機関と比較して低金利で、保証人がいる場合など一定の条件を満たす場合は無利子で融資を受けることが可能です。年金受給者で生活資金や医療や介護で緊急にまとまった金額が必要になった場合は、こちらに相談を行うことをおすすめします。

詳しくはお住いの都道府県の社会福祉協議会の公式サイト、もしくは厚生労働省の公式サイトをご参照ください。

参照:生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)

年金詐欺にあった際の対処方法

年金詐欺の手口や、年金担保詐欺に合わないための年金受給者の資金調達方法について説明しましたが、では、すでに年金詐欺の被害にあってしまった場合は、どうしたら良いのでしょうか? 以下では年金詐欺の被害にあってしまった場合の対処方法について解説します。

お金を詐取された場合は警察へ

年金事務所や日本年金機構を装う悪徳な業者からお金を詐取された場合は、速やかに警察へ届けましょう。キャッシュカードや通帳などを騙し取られてしまった場合はその旨を銀行へ連絡した後、警察へ被害届けを出しましょう。怪しげな電話がかかってきたという場合も、警察へ通報しておいた方が良いでしょう。

年金担保融資詐欺の場合は返済しない

上述の通り、年金を担保とした貸付はWAM以外、全て違法な闇金業者です。闇金業者からの返済請求に応じる義務はありません。キャッシュカードや通帳、印鑑などを取られ、年金受給口座を押さえられてしまっている場合は、すぐに年金事務所へ赴き、年金受給口座の変更の手続きを行いましょう。

闇金問題に強い専門家へ相談する

闇金業者だった場合は、受取口座を変更した後も電話がしつこくかかってくる、家まで訪ねてきて返済を迫られる等の被害を受ける可能性があります。そのような場合は警察に相談しても良いですが、借金問題は民事扱いとなり、警察がすぐに対処してくれることはまずないため、闇金対策に詳しい法律の専門家に相談することをおすすめします。闇金業者は自らが違法行為を行っていることを承知しているため、法律の専門家を嫌います。借金問題や闇金対応に慣れた法律の専門家が介入した時点で、闇金業者は引いていくケースがほとんどです。

ただし、闇金業者は違法な存在のため、何を行うか計り知れません。脅迫や暴力行為など身の危険を感じるような場合は、すぐに警察へ相談してパトロールの強化をしてもらう等の対応をお願いしましょう。

まとめ

今回は、年金受給者を狙った年金詐欺の手口と実例、年金受給者が急にお金が必要になった時の資金調達法や、年金詐欺にあってしまった場合の対処法等について説明いたしました。

潤沢な資産があればともかく、平均的な年金生活は決して豊かなものではありません。急病や生活必需品の故障など思わぬ出費が嵩んだりして急にお金が必要になっても、家族に迷惑をかけたくないと、子どもや親戚などの身内を頼ることを避けがちですが、それで年金担保融資詐欺の被害に合ってしまっては、結局家族に迷惑をかける結果になってしまいます。高齢者や年金受給者でも安全に資金を調達する方法はあります。賢く立ち回り、詐欺師や闇金業者などの犯罪者に付け入る隙を見せないようにしましょう。

既に闇金業者から年金担保融資を受けてしまった場合は、闇金対策に強い専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官が力を合わせて、闇金トラブルに対応する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応していますので、家族に知られずに今すぐ年金担保融資トラブルを解決したいという方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。