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闇金業界の実情とは?悪徳業者の手口や実態を分かりやすく解説

闇金の手口

「インターネットやコミックで闇金を知り、悪質な業者の実態に興味がある」
「どのような方法で闇金はお金を儲けているのか、その手口を知りたい」

高利でお金を貸し付けて、高額な利息により収益を獲得しているのが闇金です。信用や収入などの理由で闇金を利用する人は多く、取り立てや嫌がらせでトラブルになるケースがよくあります。

規制が厳しくなった今では儲けにくくなり、闇金業者は減少しているのが現状です。この記事では闇金業界の実情や、闇金業者の手口について詳しく解説します。

闇金業界とは

お金を消費者に貸し付ける業者を貸金業者と呼び、闇金業界には悪質な貸金業者が複数存在します。闇金業者は違法な金利でお金を貸し付けることで、高い利益を確保しているのです。

従来は正規の貸金業登録をして、合法な業者を振る舞って高利貸しした闇金がありました。ですが闇金の違法性が指摘されるようになると、貸金業登録を受けずに営業する闇金業者が増えたのです。

現在ではインターネットや携帯電話でやり取りをするソフト闇金や、質屋に偽装してお金を貸し付ける業者がいます。実態が分かりにくくなった今では、業者を特定するのは難しいです。

どのようにして違法な闇金は成り立っているのか、悪質な貸金業者の仕組みについて紹介します。

法外な金利により利益を得る

今では大半の闇金業者が無認可で営業していて、貸金業法の上限を超える金利でお金を貸し付けています。金利を10日周期で決めている闇金が多く、周期ごとに3割から5割の利息が発生します。

例えば10日で融資額に対して5割の利息が発生する闇金から、10万円を借りるとしましょう。するとお金を借りた10日後に15万円を返済する必要があり、法外な金利により闇金は儲かるのです。

また、ほとんどの闇金は手数料を設定していて、利用者はお金を借りるときに手数料を支払うことが必要です。手数料の相場は3,000円から5,000円であり、融資額から引かれる場合があります。

高い金利と融資時の手数料を決めておくことで、闇金は利用者から多額の利益を獲得できるのです。実際に高利貸しを営むことにより、月に1,500万円から1,600万円を稼いだ業者もいます。

融資の対象はブラックリスト

「そもそも、違法な金利でわざわざお金を借りる必要ってあるの?」と思った人はいるでしょう。確かにキャッシングやカードローンなどを使えば、金利の高い闇金は必要ありません。

ですが自己破産や滞納といった理由で信用がなくなり、正規の金融機関からお金を借りられない人は一定数います。ブラックリストになれば数年間も融資を受けられず、多額の出費に対応するのが難しくなるのです。

消費者金融からお金を借りられない人に闇金は営業して、高い金利でお金を融資します。違法な闇金業者にはさまざまな手口があり、支払い能力が低い人から利益を獲得できるのです。

返済しない場合は厳しく取り立てる

金利が高いと返済額が大幅に増えてしまい、利用者の金銭的な余裕は減ってしまいます。もし利用者がお金を返済しなければ、闇金は電話による取り立てや嫌がらせにより催促するのが特徴です。

例えば利用者の自宅や携帯に電話を何度もかけて、恫喝や脅しによりプレッシャーを与えます。また、利用者の実家や勤務先にも電話で取り立てて、周りの人間に返済を催促するパターンもあること。

催促しても返済されなければ、利用者の自宅へ大量の出前を注文したり救急車を呼んだりするなどの嫌がらせを行うことも。周りに迷惑をかけることで返済しない利用者を心理的に苦しめます。

闇金業界の手口とは

「高利貸しにより儲かるのは分かったけど、具体的な手口が分からない」と思う人はいるかもしれません。闇金業者は以下のような手口により、一部の人々から利益を獲得しています。

  1. インターネットやチラシで宣伝
  2. 個人情報を集めたうえで融資
  3. 何度も借りさせて負債額を増やす
  4. 完済させないことで利息額も増やす
  5. 返済できなくなれば脅す
  6. 別の闇金業者に借りさせる
  7. 最終的には利用者を犯罪に巻き込むことも

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

インターネットやチラシで宣伝

実態のない闇金業者は実店舗を持たないことが多く、街を出歩いても直接会う機会は少ないです。お金を借りたい人への宣伝方法として、闇金はインターネットやチラシで宣伝しています。

例えば自己破産によりブラックとなった人の場合、自宅に闇金のチラシが入っている場合があります。破産すると官報に名前や住所が載ってしまうため、闇金から目を付けられやすいです。

また、「ソフト闇金」を検索サイトで検索すれば、闇金業者のホームページがいくつも表示されます(2019年8月現在)。ホームページには申し込みフォームがあり、ネットで融資を簡単に申し込めるのです。

他にも闇金が名簿を手に入れてメールを送る方法や、ネットカフェなどで営業する方法もあります。お金に困っている人が見つけやすいところで、闇金は融資を宣伝しているのです。

個人情報を集めたうえで融資

インターネットや電話で闇金に融資を申し込むと、業者は利用者に対して個人情報の提供を求めます。闇金業者は貸し倒れのリスクを減らすために、利用者の個人情報が必要になるのです。

個人情報として利用者の住所や連絡先のほか、勤務先の住所や実家の電話番号も尋ねられる場合があります。もし利用者に子どもがいれば、子どもの学校やクラスを聞かれることも。

闇金は利用者が返済できなくなったときに、脅したり情報を売ったりするために個人情報を入手します。融資を希望する人が個人情報を伝えなければ、闇金がお金を貸すことはありません。

何度も借りさせて負債額を増やす

利用者から個人情報を入手できれば、闇金は少ない金額から融資を始めます。借金を返済することで利用者の信用がよくなり、借りられる金額が増えていく仕組みです。

闇金に頼る人は貧困層が多く、何度も闇金から借金してしまう傾向があります。お金が不足しがちな利用者に何度も借りてもらうことで、闇金は利息による収入を増やすのが目的です。

もし返済した利用者がお金を借りなくなれば、闇金が勝手にお金を振り込んで押し貸しを行う場合もあります。強制的に入金されれば利息が発生してしまい、利用者は返済を催促されるのです。

完済させないことで利息額も増やす

高額な金利でお金を借りてしまうと、元金と利息を返済するのが難しくなります。闇金は全額返済できない利用者に利息のみの返済を促して、利益を増やそうと目論みます。

例えば4万円を借りた10日後に利息が2万円発生した場合、その利息を支払うことで元金の返済が延長。利息のみの返済で負担が軽くなりますが、利用者には総返済額が増えるデメリットもあります。

また、返済日に利用者が連絡できないようにして、完済させない闇金も一部にはいるもの。業者と連絡せずにお金を返済すると、何かしらの理由をつけて返済を認めない場合があります。

返済できなくなれば脅す

期日までに利息すら払えないようになると、闇金は利用者に対して恫喝や脅しによる取り立てを始めます。何度も電話をかけてきたり、自宅に嫌がらせをしたりする業者は多いです。

借金問題の解決をしてきた法律家のインタビュー記事によると、実際に返済日に入金しなかったことで「殺しに行くぞ」と恫喝されて、自宅まで業者が来たケースがあります。

また、利用者の職場や勤務先に嫌がらせの電話がきたり、大量の出前が自宅に届いたりする場合もあること。取り立てにより追い詰めることで、闇金は利用者が返済することを想定しています。

別の闇金業者に借りさせる

返済するためのお金を用意できない利用者に対して、闇金が「他の闇金から借りた金で返済しろ」と指示する場合があります。借金で借金を返すようになり、悪質な闇金との関係を切りにくくなるのです。

最終的には利用者を犯罪に巻き込むことも

どうやっても利用者がお金を返済できなくなれば、闇金は利用者に携帯や口座を引き渡すよう指示するパターンがあります。

無許可で自分の携帯や口座を闇金に譲渡してしまうと、利用者が法律により罰せられる可能性が高いです。闇金からの借金により、最終的には自分が犯罪に巻き込まれてしまいます。

闇金業界の実態とは

悪質な手口によって高額な利息収入を得る闇金ですが、最近では法規制により悪徳業者が儲けにくい実態があります。闇金が稼ぎにくくなった理由について見ていきましょう。

訳アリの人に貸すためリスクが高い

闇金が融資対象とするのは信用に問題があり、銀行や消費者金融が融資できない人たちです。正規の方法で借金できない人のリスクは大きく、お金を貸しても返ってこない場合がよくあります。

悪徳業者が金利をどれだけ高くしても、利用者がお金を返済しなければ利益を得られません。支払い能力が劣っている人を相手に高利貸しすると、どうしても貸し倒れリスクが高くなります。

取り締まりにより闇金は存続しにくい

国会によりヤミ金融対策法が成立した今では、闇金に対する罰則や規制が強化されています。警察からの取り締まりが厳しくなれば、闇金業者が営業し続けるのは難しいです。

犯罪道具を失わないために逃げる傾向がある

闇金は違法に携帯や銀行口座を入手して、営業するための道具を活用しています。違法に入手された道具は法律家によって使えなくなるリスクがあり、実際に法律家が介入すれば逃げる闇金は多いです。

法律家に相談することで解決できる

利用者に対しては厳しく取り立てる一方、弁護士や司法書士に立ち向かう闇金はあまりいません。もし闇金からお金を借りてしまったときは、迷わず闇金に強い法律事務所に問い合わせることを勧めます。

闇金業界は法律家で対策できる

ブラックリストや破産といった信用に問題がある人たちに、高利貸しすることで利益を得るのが闇金業界です。高額な利息を返済させ続けて、返済できない利用者には嫌がらせをするのが特徴。

闇金業者の携帯や口座には問題性があり、法律家が介入することで業者の道具を潰せる場合があります。闇金の借金で悩んだときは、まず法律事務所に相談してみましょう。