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闇金からの借金が膨らむ理由とは?悪徳業者の手口と対処法

闇金の手口

「銀行からお金を借りられず、闇金に手を出してしまった」
「闇金の借金が増えてしまい、返済するのが難しい」

違法な貸金業者である闇金は、利益を増やすために利用者の借金を引き上げようとします。返済を続けても借金がなくならず、利用者が生活難に陥ってしまうリスクは多々あります。

悪質な闇金に対抗するためには、悪徳業者の手口や対処法について知っておくことが重要です。この記事では闇金からの借金が膨らむ理由や対策について解説します。

闇金からの借金が膨らむ理由とは

生活費が足りないなどの理由で、闇金の利用を検討している人は多くいるかもしれません。

最近はインターネットで手軽に借りられるという背景もあり、闇金から借金する人は少なくないです。

闇金には審査なしで借りられるメリットがある一方、借金が膨らんで返済に苦しむリスクもあります。

どのような手口により利用者の借金が増えるのか、その理由について詳しく見てみましょう。

消費者金融から借りられない人に宣伝

一般的に生活や冠婚葬祭などのためにお金を借りる場合、銀行や消費者金融からお金を借ります。

信頼できる金融機関を利用できるのであれば、わざわざ怪しい闇金を利用する必要はありません。

そのため闇金は、銀行や消費者金融からの信用が低いためにお金を借りられず悩んでいる人をターゲットに宣伝します。

信用の低い人たちを相手にすることで、闇金は利益になる融資先を見つけているのです。

例えば自己破産をした人はブラックリスト状態となり、数年間は金融機関からお金を借りられません。

そのような人たちの個人情報は官報に載るため、多くの闇金は官報からターゲットを選んでいます。

そしてインターネットやチラシを通じて、お金に困っている信用の低い人にお金を借りてもらうのです。

闇金は利用者の住所や電話番号を聞き出してから、数万円のお金を融資します。

高額な利息で融資

貸金業法や出資法といった法律を守らない闇金は、利用者に対して高額な利息を要求します。闇金の借金は複利で増えていくため、返済が長引くほど返済額が増える仕組みです。

例えばインターネットで宣伝している闇金の多くは、10日間で元金に対して3割の利息を設定しています。

この場合では利用者が闇金から3万円を借りると、10日間後に39,000円を返済することが必要です。

また、闇金は融資する際の手数料も設定していて、利用者が融資を受けるたびに手数料が引かれます。

1回あたりの手数料相場は3,000円から5,000円であり、借金の回数が増えると負担は大きくなるものです。

法外に高い金利によって返済額が増えてしまい、お金のやりくりに苦しむ利用者は多くいます。高額な利息による利益によって、闇金は信用の低い人を相手に違法な営業を続けられるのです。

押し貸しや空貸しで返済させない

違法な金利で利益を増やそうとしても、利用者がいなければ闇金は儲けられません。そのため闇金は個人情報を把握している利用者に対して、押し貸しや空貸しをして返済を要求します。

例えば借金を完済した利用者に対して、闇金は数万円のお金を振り込んで利息を請求。利用者は融資を希望していないのにも関わらず、無駄に高い利息を支払うことが求められます。

また、実際にはお金が振り込まれていないのに、闇金が利用者に対して架空の借金返済を要求する場合もあります。

口座に入金されていないことを主張しても、闇金が利用者の声を聞くことは少ないです。

闇金として働く人たちは利用者からの利息収入により、自身の給料を得ています。

少しでも給料を増やすために、闇金が利用者に対して押し貸しや空貸しを行うケースがあることを知っておきましょう。

時間が経つことで返済額が膨らむ

闇金から借りた借金を返済できなくなると、かなり高い金利によって返済額が膨らんでいきます。時間が経てば経つほど利息が高くなり、利用者が完済することは不可能に近いです。

もし10日3割の利息である闇金から5万円を借りると、10日後には5千円の利息が発生します。

借りて20日が経てば利息は21,500円となり、1か月が過ぎれば返済しなければならない金額は92,950円までに増えます。

借りた30日後には元金の約2倍もの返済が求められ、借金を返さなければ闇金から取り立てられるリスクが生じます。

高額な利息と時間の経過によって闇金の借金は膨らんでいくのです。

闇金は滞納者に厳しく取り立てる

違法な金利による融資は契約が無効になるため、本来はお金を返済する必要がありません。そのため闇金からの借金が増えると「返済を無視しよう」と考える利用者は一定数います。

ですが闇金は利用者の個人情報を把握していて、返済から逃れられないよう取立てを行います。次のような手口によって闇金業者は利用者に借金の返済を催促するのです。

  1. 電話で何回も返済を催促する
  2. 実家や会社に取り立てる
  3. デリバリーなどで嫌がらせする

それぞれの手口について詳しく見てみましょう。

電話で何回も返済を催促する

利用者が期日までにお金を返済しない場合、闇金は電話で返済を催促してきます。最初は優しい物腰で対応しますが、利用者が反抗すると闇金は厳しい態度で取り立ててくるのです。

「とっとと金返せ!」「家に行くぞ!」といった言葉で返済を要求するのが一般的です。家族がいる場合は「子どもや配偶者に手を出す」という脅しで取り立てる場合もあります。

また、お金を返済するまでは昼夜を問わず利用者に電話をかけてくるものです。着信を無視し続けた結果、闇金からの電話が1日に100件以上もきていた人もいました。

闇金は複数の携帯を保有しているため、1つの番号を着信拒否しても取立てを防げるとは限りません。借金を返させるために闇金はいつまでも取立てを続けます。

実家や会社に取り立てる

利用者に取り立てても返済されなければ、闇金は実家や会社を相手に借金の返済を催促します。

周りに闇金から借金していることを伝えて、返済しない利用者にプレッシャーを与えるのが闇金の目的です。

例えば「金返せ」などと書かれた紙を100枚以上送り、会社の業務を妨害する闇金が一部にはいます。

業務に支障をきたすようになれば利用者の立場が悪くなり、退職せざるを得ない可能性もあります。

今まで良好な関係を保っていたとしても、闇金の取立てにより人間関係がダメになるリスクは大きいです。周りの人たちに知られてしまうと、返済した後も悪影響が続きやすくなります。

デリバリーなどで嫌がらせする

利用者が闇金の取立てを無視していると、身に覚えのないデリバリーなどが自宅に届くケースもあります。

返済しない利用者に嫌がらせすることで、闇金は精神的な苦痛を与えてくるのです。

また、利用者の自宅に張り紙をはって借金があることを近所に周知させる悪徳業者もいます。

闇金から借金していることが周囲に伝われば、利用者は世間体が悪くなることを避けられません。

闇金からの借金に対処するには

闇金に手を出してしまうと借金が膨らみ、返済や取立てで苦しくなるデメリットがあります。借金を放置していると嫌がらせや催促が続き、状況がさらに悪化するリスクも大きいです。

もし闇金からお金を借りている場合、次のような方法によって対処することを勧めます。

  1. 借りたお金を返済しない
  2. 証拠を記録して警察に相談
  3. 闇金に強い法律事務所に依頼

それぞれの項目について簡単に見てみましょう。

借りたお金を返済しない

闇金は違法にお金を貸し出す悪徳業者であり、利用者をカモにする悪質な組織です。たとえ取立てや嫌がらせに悩んでいても、借りたお金は返済しないことが重要です。

金融庁の多重債務者相談マニュアルによると、ヤミ金融に返済する必要がない場合があることを明記しています。

参考:https://www.fsa.go.jp/news/19/kinyu/20070717-1/02.pdf

極めて悪質な行為であるなどの事情があれば、元金すら返済せずに済むのです。

自分の損失額をこれ以上増やさないためにも、闇金への借金返済はやめましょう。

証拠を記録して警察に相談

「借金を返済しないと取り立てられてしまう」と思う利用者もいるはずです。そこで闇金の取立てにおける電話やメールの内容を記録して、証拠をもって警察に相談することを勧めます。

証拠があることで闇金の悪質性を証明でき、警察が闇金を摘発してくれる可能性があります。もし警察に相談しても効果がなければ、法律事務所に相談することがオススメです。

闇金に強い法律事務所に依頼

闇金に強い法律事務所に解決を依頼することで、プロの専門家が闇金に対して交渉してくれます。法的な対処を嫌う闇金は法律事務所に弱く、取立てをやめさせることが可能です。

警察とは異なり明確な証拠がなくても、専門家に相談して闇金に対抗することもできます。

「すぐに闇金問題を解決したい」と考えている人は、法律事務所になるべく早く問い合わせましょう。

危険な闇金に手を出さないためには

たとえお金が必要であったとしても、闇金に手を出すのは避けるほうが無難です。次のようなポイントに気をつけることで、危険な闇金に手を出さずに済みます。

  1. 会社の登録番号や電話番号に注意
  2. 「ブラックOK」の業者を避ける
  3. 公的制度を活用する

それぞれのポイントについて見てみましょう。

会社の登録番号や電話番号に注意

正規の金融機関である場合、貸金業者の登録番号や固定電話番号がホームページなどに掲載されています。

登録貸金業者情報検索サービスを活用して法的に認められた業者であるのかチェックしましょう。

参考:https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/

「ブラックOK」の業者を避ける

ブラックに融資できることを謳う業者はほぼ闇金です。自己破産などによりブラックリスト状態になったとしても、「ブラックOK」の業者は避けましょう。

公的制度を活用する

低所得や障害などでお金が必要なときは、全国社会福祉協議会から生活福祉資金を借りることが可能です。闇金よりも圧倒的な低金利で生活に必要なお金を借りられます。

参考:https://www.shakyo.or.jp/guide/shikin/seikatsu/index.html

闇金の借金が膨らんだら法律事務所で相談

法律を守らない闇金は高額な利息を利用者に要求して、返済されなければ厳しく取り立てます。

取立てが続けば身内や勤務先に借金が知られ、今までと同じように生活するのが難しくなるものです。

もし闇金に手を出してしまったら、早めに対処しておくことが重要です。闇金に強い法律事務所に相談して、プロの専門家に借金問題を解決してもらいましょう。