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個人間融資での詐欺被害、その手口と対処方法を解説

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最近、インターネット上の掲示板などの交流サイトやSNSなどを通じて、面識のない人同士がお金の貸し借りをする「個人間融資」をよく見かけるようになりました。Twitterなどでは、ハッシュタグ(#)を付けて融資を持ち掛けたり、募ったりしているようです。

個人間融資は、未成年や専業主婦、総量規制の制限によりこれ以上借り入れができない方でもお金を借りることができる上、貸し手は個人で闇金業者などの組織ではないから安全だと考え、安易に手を出す方も少なからずいらっしゃるようです。ですが、個人間融資での詐欺被害や個人間融資をきっかけに犯罪に巻き込まれるというケースも多数報告されています

この記事では、個人間融資による詐欺の手口とその危険性、個人間融資での詐欺の実例をご紹介するとともに、個人間融資で詐欺にあってしまった場合の対処法などについて解説します。

個人間融資の詐欺の手口と危険性

個人間融資は、主にTwitterやLine、交流掲示板などを通じて借り手と貸し手が個人的に知り合い、お金の貸し借りをするというものです。金額や金利、返済期限などの条件は、貸し手側が設定しますが、金融機関より高い金利を提示されることが多いようです。また、借りる際には、運転免許証などの身分証明書の提示が求められます。

個人間融資で起こりえる詐欺被害や危険性には以下のようなものがあります。

保証金を要求される

個人間融資の場合、貸す側のリスクも多大なものです。そのため、先に保証金を求めるという貸し手が存在します。

借り手側に1万円程度の金額を先に自分宛てに振り込ませ、それを保証金として改めて保証金以上の金額を融資するというシステムです。保証金を振り込んだ後、連絡が取れなくなってしまうというのが、個人間融資で最も多くみられる詐欺の手口です。

そもそもお金に困って融資を頼んでいるのに、先にお金を振り込ませるというのはおかしな話です。ただ、実際にこの手法でお金を貸し付けている個人も存在するため、そのことを知識として知っていたり、他で同じ手法でお金を借りた経験がある方などは、信じて振り込んでしまうことがあるようです。また、初回は補償金を振り込んだ後、きちんと融資金を振り込むことで信用させ、2回目以降の利用の際に補償金を振り込ませた後、連絡が取れなくなるという二段構えのパターンもあるようです。

後から高額な利息を請求される

個人間融資の利息の上限は、利息制限法によって年20%と決められています。出資法では金利は最大年109.5%までとされています。個人間でのお金の貸し借りについて、法律で定められた上限以上の利息を請求することは違法行為となります。

ただし、掲示板やSNSを使った個人間融資では、そのような規則は無視されることが多いようです。個人間融資では金利は貸し手が設定しますが、正式な借用書や契約書を交わすことは少なく、SNSなどでやり取りをすればそのデータは残りますが、消去されてしまえばそれまでです。そのため、返済時に突然高額な金利を請求される、期日に返済できなかったことを理由に金利を引き上げられるというケースも報告されています。

個人情報を売られる

融資の申し込みには、必ず免許証などの身分証の提示を求められます。もちろん、貸し手にも保証が必要ですから、当然ともいえます。ただし、相手に悪意があった場合は、身分証を悪用して勝手にお金を借りられる、犯罪に使うための銀行口座を作られる、悪徳業者に売られるなどというリスクがあります。個人間融資は個人であるがゆえに、相手が法的なルールを守ってくれるという保証はどこにもありません。

SNSや掲示板でのやり取りだけでは、悪意のある貸し手か否かの判別はつけようがないため、個人間融資で個人情報を相手に渡すのは大変危険な行為といえます。当然、身分証明書を提示して融資を申し込んだのに、お金を振り込まれることなく、結果的に、個人情報を取られただけだった、という残念なケースも多く報告されています。

アフィリエイトサイトへの登録を強要される

FXや出会い系のサイトへの登録を融資の条件とする例も報告されています。多くはアフィリエイターがお小遣い稼ぎに行っていて、指定のアドレスから登録させることで、そちらに報酬額がキャッシュバックされるというシステムになっています。

この場合は、サイトへの登録だけさせて、実際に融資は行われないことがほとんどです。さらに、登録したサイト経由で、個人情報が流出してしまうこともあります。

性的関係を強要される

個人間融資でお金を貸す条件として、女性に対して性的な関係を求めるというケースは多く存在します。「ひととき」という隠語で呼ばれ、広く横行しているようです。行為を拒否すると利息を倍以上に上げられたというケースや、保険として裸の写真を撮られて「金を払わないとばらまくぞ」と恐喝されたというケースも報告されています。

一時我慢すればいいことだと考えて応じたところ、返済を終えても脅迫やストーカー行為を受けたりと、さらなる犯罪に巻き込まれていく危険性があります。

実態は闇金業者だった

Twitter等で個人間融資を募っている貸し手側の中には、闇金業者も多く紛れ込んでいます。昨今、貸金業法が改正され、メディアによる報道等により「闇金=恐ろしい」というイメージが定着したことによって、顧客の獲得が難しくなってきた闇金業者が新たな営業方法としてTwitter等を使うケースも増えているため、注意が必要です。

個人間融資で詐欺にあった被害者の実例

大手Q&Aサイトには、実際に個人間融資詐欺にあった方の実体験が多数投稿されています。その中の一部をご紹介します。

個人融資掲示板で詐欺被害にあった

最初にご紹介するのは、2019年頃、個人融資掲示板で詐欺にあったという男性からの相談です。

掲示板で知り合った相手から融資を受けられることになり、相手から借りパク防止に先にギフトカード8,000円分を携帯決済で支払うように求められ、確認後にその8,000円を含めた融資金を振り込むという言葉を信じ送金したところ、相手からは振り込んだといわれたが確認ができなかったという内容でした。

騙されたことに気付き、なんとかできないかとQ&Aサイトへ相談した質問者に対し、回答者からは「警察に被害届を出すように」「ただし、お金を取り返すことは難しいだろう」「金額も少ないので、勉強代として諦めるように」といったアドバイスを受けていました。携帯番号やLineのIDしか明らかにされていない場合、警察に被害届を出しても犯人を特定してお金を取り戻すことは困難かと思われます。

参考URL:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12204027367?__ysp=5YCL5Lq644CA6J6N6LOH44CA6KmQ5qy6

個人間融資の保証金を払うために闇金を利用した

次にご紹介するのは、2014年頃、個人間融資を申し込んだところ、保証金を求められ、支払いのために闇金からお金を借りてしまったという未成年の方の投稿です。

利息があまりにも高い(週4,000円ずつ増える)ため、色々調べていたところ、未成年は借金が成立しない場合があると知り、内容証明を送ろうとしたが、会社の情報公開を拒まれて送ることができないという内容でした。

「泣き寝入りするしかないのだろうか」という質問者に対し、回答者は「警察に行くか、消費生活センターや法テラスなどへ相談するように。また、本当に「闇金」なら「金利次第」で支払自体を拒否できる」などとアドバイスしていました。
このケースは、おそらく最初に融資を持ち掛けたのが闇金業者だったのではないかと推測できます。相手は違法な闇金業者ですし、質問者は未成年ということもあり、契約は無効で返済義務はないはずです。

参考URL: https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12121282637?__ysp=5YCL5Lq66ZaT6J6N6LOH44CA6KmQ5qy6

個人間融資の掲示板から募集したら闇金業者から連絡が来た

最後にご紹介するのは、2018年頃、個人間融資掲示板から貸し手を募集したところ、闇金業者から連絡が来たという方からの投稿です。

03ナンバーの闇金業者からしつこく融資の勧誘を受けたが、金利が法外に高かったため断ったが、その前に住所や親の職場を教えてしまったとのことです。

「何かしてくるのではないか」と怖くなってQ&Aサイトへ投稿した質問者に対し、回答者からは、「闇金に個人情報を知られてしまった以上リスクはある」「相手は闇金なのだから何をされるかわからない」などというコメントが寄せられていました。

回答者の書き込みにある通り、闇金業者に個人情報を知られてしまうことは、犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性の高い、大変危険な行為です。言葉巧みに誘導されても、絶対に教えてはいけません

参考URL:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12195412227

個人間融資詐欺にあった時の対処方法

個人間融資で詐欺にあってしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか? 以下では注意点や具体的な対処法、トラブルが起きてしまった場合の相談先などについて解説していきます。

怪しい勧誘には乗らない

個人間融資のトラブルに合わないためには、個人間融資を利用しないことが一番です。

個人間融資は、一見、闇金業者などより安全そうなイメージがありますが、実際はそのようなことはありません。個人間融資における借り手は、正規の金融業者から返済能力が低いと判断された方の場合が多いです。一般的には、そのような相手にお金を貸したいと思う方はほとんどいないでしょう。つまり、個人間融資の貸し手は、弱者の弱みに付け込もうとしている詐欺師か闇金業者の可能性が高いということになります。

安全にお金を借りるためには、怪しげな個人間融資などではなく、正規の金融業者のキャッシングやクレジットカードを利用するようにしましょう。

正規の金融機関で融資を受けられなくて、生活できない程お金に困っているという場合は、公的制度の利用を検討しましょう。日本には生活に困窮している人を助けてくれる公的制度やNPO団体が複数存在しますので、個人間融資を受ける前に、自治体の窓口などで相談してみることをおすすめします。

借り入れ・返済の記録を残す

個人間融資を受けてしまった場合は、借り入れと返済の記録をしっかりと残すようにしましょう。前述した通り、年利109.5%以上の利息の請求は違法です。請求されても上限を超えた返済義務はないため、しっかりと計算しておくようにしましょう。

闇金対策に詳しい法律の専門家に相談する

個人間融資で詐欺や犯罪に巻き込まれてしまった場合は、闇金対策を得意とする法律の専門家へ相談することをおすすめします。

警察に相談しても、借金問題は民事ということもあり、特に悪質な場合を除き、すぐに動いてくれる可能性は低いです。

個人間融資トラブルは闇金業者が関わっているケースも多いため、闇金対策に強い法律の専門家に相談することが解決の近道となる場合が多いでしょう。

まとめ

今回は、個人間融資における詐欺の手口と危険性、個人融資詐欺にあった時の対処法などについて解説しました。

個人間融資は、闇金業者からお金を借りるより安全に思えますが、残念ながらそれは間違いです。個人間融資でトラブルに巻き込まれてしまった場合は、早めに闇金対策を得意とする法律の専門家へ相談するようにしましょう。

我々ジェネシスは、借金関係に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、依頼人のトラブル解決に尽力します。個人間融資に関するトラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。