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双極性障害で闇金を利用⁉対策と対処法を解説

相談・解決

闇金業者を利用される方の中には、双極性障害が原因にある方もいらっしゃるかもしれません。双極性障害で躁状態にある時に浪費やギャンブルをしてしまったことから、闇金利用に至る可能性はあります。

今回は、双極性障害で闇金利用に至る流れ、双極性障害で闇金を利用するリスク、双極性障害で闇金を利用しない対策、闇金を利用してしまった時の対処法について説明します。

双極性障害で闇金利用に至る流れ

双極性障害の方が違法な闇金を利用してしまうというケースもあるといわれています。以下では、双極性障害で闇金を利用してしまう流れについて説明します。

躁状態の時に浪費をしがち

双極性障害は、気分が落ち込む鬱状態と気分が高揚し気が大きくなる躁状態が交互に訪れる精神障害です。その度合いや周期は人によりますが、無気力になり何もできなくなる鬱状態に対し、躁状態にある方は極端に活動的になることがあります。
双極性障害の方が躁状態にある時に、普段なら購入しないような高価な宝石やブランド品を購入するといった浪費行動に出ることや、豪遊やギャンブルによって大金を使ってしまうというケースは珍しくありません。

継続した勤労が難しく収入が安定しない

双極性障害に限らず、精神的な障害を抱えた方が安定して継続した仕事を続けることは難しいといえます。もちろん、双極性障害等を抱えた状態で、働いている方も少なくありません。症状が落ち着いていればそれも可能でしょう。
しかし、症状がコントロールできなければ、鬱の時は出社ができず、躁の時は必要以上にアグレッシブになるため、周囲ともめ事を起こしてしまう可能性が高いです。これでは、まともに働くことは難しいでしょう。

継続した勤労がかなわなければ、当然収入も安定しません。精神的な病を抱えている方の多くは、経済的にも不安定になりがちといえます。
継続して働くことができないために生活資金が不足して、カードローンや消費者金融等を利用される方もいらっしゃるかもしれません。

病状によって判断能力が低下する

鬱状態・躁状態のどちらの場合も、症状が出ている時は平時に比べ判断能力が低下することは避けられません。症状がある時に資金を調達しなければならないとなった時に、間違えて闇金を利用してしまうこともあるかもしれません。特に躁状態にある時などは、闇金であることに気付いていても「まあ大丈夫だろう」等、深く考えずに利用してしまう可能性もあります。

総量規制から闇金に至るケースも

前述した通り、双極性障害があると、躁状態の時に異常な浪費をしてしまうことや、継続した勤労が難しい等の事情から借金を作ってしまう方も少なくありません。
消費者金融やカードローンからの借入を繰り返すうちに、返済をするだけで生活資金が不足してしまう、返済をするための資金も足りないといった状況に追い込まれるケースもあるかもしれません。
新たな借り入れをしようと思っても、総量規制(収入の3分の1以上の借入はできない)や過去の延滞記録などの信用情報の問題から、正規の貸金業者の審査を通らないケースもあるでしょう。
切羽詰まった状態にある時に、少々怪しげな貸金業者や明らかな闇金業者であっても、融資可能だといわれれば、今を凌ぎたいがためについ利用してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、闇金は違法な業者であり利用には、大変なリスクを伴います。心身ともに健康な人間でも、病んでしまうことも珍しくないのですから、元々持病を抱えていれば尚更でしょう。

双極性障害で闇金を利用するリスク

高利なため返済が難しい

貸金業法では、上限金利は以下のように定められています。

  • 元本10万円以下:年利20%以内
  • 元本100万円以下:年利18%以内
  • 元本100万円以上:年利15%以内

しかし、闇金業者の金利は一般的にこの上限金利よりはるかに高く設定されています。よく言われるようにトイチ(10日で1割)ならまだ良い方で、業者によっては7日で2割や10日で3割というところも存在します。トイチは年利に直すと、365%になります。このように表記すると、闇金がいかに異常な高利を設定しているかわかるというものでしょう。

しかも、闇金の多くは7日や10日等、返済周期を短く設定しています。そのため、1回目の返済からそれほど間を置かずに次の返済日がきてしまうことになります。一般的に給料は一月ごとに支払われることが多いため、返済日までに収入が入らないこともあるでしょう。
恐ろしい高利に加え、返済周期の短さからも、通常でも闇金に返済を続けることは容易ではないのです。

しかも双極性障害であれば、収入の不安定さに加え、病状によっては期日に支払いに行くことができないといった事態も起こりえます。期日に遅れた場合、闇金は延滞料を請求してきます。そうしたことがあれば、さらに返済は難しくなっていくでしょう。

嫌がらせや高圧的な取り立て

闇金は延滞をした利用者に対し、高圧的な取り立てを行います。昼夜を問わず電話をかけてきては、電話口で恫喝します。こうした行為は、利用者を精神的に追い詰めることで、支払わせるように仕向ける目的で行われます。しかし、健康な方でも相当なダメージを受ける闇金のこうした取り立て行為は、双極性障害の方には大変なストレスになることが予想されます。

ストレスで病気が悪化する

病気にストレスが禁物なことは言うまでもありません。特に精神的な病には、ストレスこそが発症や悪化にダイレクトに繋がるといってもいいでしょう。
闇金の取立ては、只でさえ双極性障害と経済不安というストレスを抱えている方にとっては耐えがたいストレスとなり、病状が悪化してしまう可能性が高いです。

勤労ができなくなり財政状態が悪化する

闇金の取立てのストレスで病状が悪化すれば、今までは何とか働いていた方も働くことができなくなってしまう可能性があります。また、返済が滞った場合、闇金は勤務先に連絡をしてくることもあります。そのために、勤務先に居辛くなるといった事態も起こりえます。

仕事を失えばさらに財政は悪化しますので、闇金には返済できないために嫌がらせをされる、そしてそのストレスによって病気もさらに悪化する、といった最悪の悪循環に陥りかねません。

双極性障害で闇金を利用しない対策

双極性障害は、躁状態の時に抑制が効かないことや病状が悪化すると安定した収入を得ることが難しいことから、経済的にひっ迫する可能性があります。しかし、もし闇金を利用することがあれば、上述したような取り返しのつかない事態になりかねません。
双極性障害で闇金利用に至らないためには、どのような対策を行えば良いのでしょうか。

きちんと治療を受ける

第一にきちんと病院に通院し、適切な治療を受けることが重要です。治った気がしたとしても、医者に相談せずに自己判断で通院や服薬を中断することは絶対に止めましょう。

クレジットカードは作らない

躁状態の時の散財を防ぐために、クレジットカードを普段から持たない、生活費以外のお金は定期預金に入れてしまうなど、浪費対策をするのも有効でしょう。

身内のサポートを受ける

可能であれば家族にサポートしてもらうことが望ましいです。同居の家族がいるのであれば、症状が悪化しそうな時に注意を促してもらうことや、家計の管理をしてもらう、服薬の確認をしてもらう等のサポートをお願いすると良いでしょう。

福祉のサポートを受ける

頼る家族がいない場合や、症状がひどく働くことが難しいような場合は福祉のサポートを受けることをおすすめします。
精神障害者保健福祉手帳を取得すると公共料金の減免や、税金の減免の他、生活福祉士資金の貸付、その他さまざまなサポートを受けることができます。
申請はお住いの市町村の窓口で行うことができます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。

参考サイト:精神障害者保健福祉手帳(厚生労働省)

他にも、障害者年金の受給や生活保護といった選択肢もありますので、闇金を頼る前に居住区の役所の窓口や、通院している病院のケースワーカー等に相談してみることをおすすめします。

闇金を利用してしまった時の対処法

もしすでに闇金を利用してしまったという場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。以下では、闇金業者への対処法を説明します。

法律の専門家に相談する

闇金は違法業者であるため、法的には返済の義務はありません。しかし、だからといって、ただ「返済しません」といっても相手にされないか、怒らせてしまいさらに激しく取り立てられるようになるだけでしょう。
この場合、「法的に」というのがポイントです。法律を盾に取って戦うためには、法律の専門家に依頼するのが一番です。餅は餅屋、違法な闇金業者には法律の専門家、ということです。
実際、闇金業者は法律家が出てくると勝ち目がないことを知っています。そのため、法律の専門家が介入した時点で手を引く闇金業者も珍しくありません。もちろん、中にはしつこい業者も存在しますが、その場合は法的な措置が取られることになるため、法律家に対応を依頼すると一般的に1~3日程度で取り立てを止めさせることができるといわれています。

法律家への相談は費用が掛かるため、躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、闇金問題は長期化させればさせるほど、闇金に搾取される金額も解決にかかる費用も増える傾向にあります。できるだけ早期に問題を解決することが、出費を抑える唯一の方法です。
纏まった金額を用意できないという方は、法テラスの無料相談や費用の立替制度(審査があります)を利用してはいかがでしょうか。

参考サイト:日本司法支援センター法テラス

また、闇金問題を専門に扱っている専門家の中には、分割払いや後払いに対応している所もありますので、そうした法律家を探してみるのもおすすめです。

警察に相談が必要なケース

闇金の嫌がらせによって身の危険を感じる時や、自宅まで取り立てに来る、あなた自身や家族、物などに対して暴力行為があった場合は警察に相談することをおすすめします。
現行犯で通報できれば一番良いですが、被害後に相談する際は、証拠となる映像や画像、音声などの証拠を持って行くと良いでしょう。

まとめ

今回は、双極性障害で闇金利用に至る流れ、双極性障害で闇金を利用するリスク、双極性障害で闇金を利用しない対策、闇金を利用してしまった時の対処法などについて説明しました。

精神的な病は外から見てわかるものではないため、周囲の理解が得られにくく孤立しがちな傾向にあります。経済的に追い詰められてしまう方も少なくないでしょう。しかし、治療と福祉のサポートを適切に受けることで危機を乗り越えることは可能です。
一時的な救いを闇金に求めると、取り返しのつかない事態になりますので絶対に止めましょう。もし闇金を利用してしまった場合は、早期に法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、闇金業者への対応経験豊富な司法書士と元警察官が力を合わせて闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応しています。24時間・年中無休で受付しておりますので、闇金トラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。