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闇金問題を放置するリスクと対処方法について解説

相談・解決

「闇金業者からの借金を放置している」
「闇金業者と連絡が取れなくなったので放置している」

闇金業者から借入をして、返済できない・業者と連絡が取れなくなった等の理由から放置しているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、闇金業者との関係を中途半端な状態で放置しておくのは、危険な行為です

本記事では、闇金問題を放置しておくリスクについて説明すると同時に、闇金問題を放置しておいた実例をご紹介します。また、闇金業者へ返済できなくなった場合の対処方法についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

闇金問題を放置しているのは危険!

返済ができない、業者と連絡が取れなくなった等の事情から、闇金問題を放置している方もいらっしゃるかもしれません。連絡が来ないのだから、問題ないだろうと考えているかもしれませんが、闇金問題を解決せずに放置しておくのは大変危険な行為です。以下では、闇金問題を放置するリスクについて説明します。

放置していても借金は無くならない

闇金業者から借入をして、完済前に返済ができなくなった・業者と連絡が取れなくなった等の理由から、何の手も打たずに放置しているという方もいらっしゃるかもしれません。中には、すでに元本以上返済をしているのだから、もういいだろうと考えている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、闇金業者からの借金は、そのようなことでチャラになるような簡単なものではありません。放置していても、借金は決してなくならないのです。

高額な利息に利息が付く

闇金業者は貸付の際、ほとんど審査をしない代わり法外な高利率を課します。7日間で2割、10日で3割というように、期日ごとに利息が課されることになります。闇金業者は複利という計算方法を取るため、期日に返済がなされなかった場合、元本の利息が嵩むばかりか、利息にも利息が発生することになります
もちろん、放置している間にも利息は付き、次に請求された時には、目を疑うような金額になっている恐れがあります。

延滞金も付く

利息だけでも恐ろしいですが、さらに恐ろしいことに、闇金業者への返済が遅れた場合、延滞金が発生します。闇金業者の延滞金は、1日につき1万~2万円程が相場といわれています。仮に10日間延滞した場合、元本と利息以外に10万円も請求されることになるわけです。闇金からの借入を期日までに返済できずに放置した場合、以後毎日延滞料が発生することになります。闇金被害では、「数万円借りただけなのに、何十万も請求されている」という訴えがよく聞かれますが、それはこういったからくりによるものです。

このように闇金からの借入を放置していると、借金額が恐ろしい速度で増えていくことになりますが、リスクはそれだけではありません。

嫌がらせをされるリスク

闇金業者は返済を行わない利用者に対し、様々な嫌がらせをしてくることがあります。ひっきりなしに電話がかかってきて、「返済しないのなら家族や職場にばらすぞ」と脅してくるのは序の口で、頼んでもいない宅配ピザや通信販売が大量に届くというような嫌がらせをしてくるケースもあります。似たケースですが、自宅に救急車や消防車を呼ばれたという事例などは、非常に迷惑な上、近所からも白い目で見られてしまうかもしれません。

周囲に取り立てが及ぶリスク

闇金の申込の際には、必ず緊急連絡先として家族や職場の電話番号を書かせます。返済せずに闇金問題を放置していると、その時に教えた連絡先に対し取り立てを行うこともあります。当人が放置して雲隠れしてしまったため、家族が代わりに取り立てに合っているというケースは昔からよく聞かれます。最初は心配していた家族も、迷惑をかけられるうちに飽きれ、見放し、最終的に縁を切られたという話も珍しくありません。

口座が凍結されるリスク

闇金からの借入を放置していると、口座を凍結される危険性もあります。これは、闇金業者が別の客からの返済金をあなたへの融資に直接宛てる、「客振り」と呼ばれる行為が行われていた場合、起こりえることです。あなたの口座に返済金を振り込んだ利用者からすれば、あなたの口座は闇金業者の口座ということになるため、その利用者が法律家や警察へ相談した場合、あなたの口座は犯罪利用口座として凍結されることになるというわけです。

口座が凍結されてなお何もせずに問題を放置した場合、あなたは他の金融機関にも新規の口座を開くことができなくなってしまうかもしれません。その上、警察から犯罪者に口座を売却した疑いをかけられる可能性すらあります。銀行口座の売り買いは犯罪収益移転防止法に接触し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金またはその両方が課せられる可能性があります。もちろんきちんと説明をすれば、口座を売買したのではないと理解してもらえるとは思いますが、闇金問題を放置していると、犯罪者扱いされる危険すらあるという点は認識しておきましょう

闇金の借金は時効にはならない

「借金には時効がある」ということを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
借金には消費者金融・クレジットカード・銀行などが5年、奨学金・信用金庫・労働組阿合・個人などが10年という時効が存在します。この期間内、一切返済、裁判、債務認証行為(返済の意思を示す等)をしていない場合、時効の援用の手続きを行うことで時効を成立させることができます。
では、闇金業者の借金についても、時効を成立させることができるのでしょうか。

残念ながら、闇金の借金を時効によって無効にすることは難しいです。その理由として以下の点が挙げられます。

  • 借金の時効を成立させるためには時効の援用の手続きが必要だが、闇金業者の正確な所在地や業者名が分からないと手続きができない
  • 連絡を取ろうとすることで、取立てが再開する危険性がある
  • 闇金業者はそもそも法律を守らないため、時効など気にしない

上記の点から、闇金の借金を時効によって失くすことは難しいといえます。
時効を迎えることを期待して、闇金の借金を放置することは止めた方が良いでしょう。

闇金業者からの借金を放置した実例

闇金問題を放置した場合のリスクについて前述しましたが、「闇金問題を放置していたからといって、実際にそのようなことが起きるのか」と、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。大手Q&Aサイトには、闇金問題を放置していた方の実例が複数掲載されています。今回は、その中から数例をご紹介します。

闇金へ返済できなくなり放置している

2015年頃、闇金を利用したが返済できずに放置しているという方の投稿です。

投稿者は、闇金業者から借入をした後、3ヶ月程は返済を行ったものの、利息が3割と高く 、それ以上返済ができなくなったとのこと。そこで携帯番号を変更して、会社へ連絡が来たときは「退職した」と伝えたそうです。

このまま放置しておいて嫌がらせをされないか、どこかに相談した方が良いのか、という質問者に対し、以下のような意見が寄せられていました。

  • このまま放置していると嫌がらせをされる可能性が高い
  • 法律家か、警察に相談をするべき

携帯番号を変えただけで済めば良いですが、住所も職場も(辞めたと嘘をついたにしても)知られているわけですから、そのままで済むほど闇金業者は甘くないでしょう。回答者のアドバイス通り、早急に何らかの手を打つことが望ましいでしょう。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10147133890?__ysp=6ZeH6YeR44CA6L%2BU5riI44Gn44GN44Gq44GE44CA5pS%2B572u

本人が闇金からの借入を放置しているため家族に連絡が来た

2011年頃、家族が闇金を利用したが、返済せずに放置していたため家族に連絡が来たという投稿です。

投稿者の家族が闇金を利用して返済せずに放置していたため、投稿者の勤務先と携帯に闇金業者から連絡が来るようになったそうです。恐ろしくなり、親戚にも援助を頼み闇金数社にかなりの金額を返済したそうです。しかし、「完済書を送るといっていたが本当に来るのか」「一社連絡がつかない業者があるが、後から莫大な金額を請求されることにならないか」という点について心配だそうです。

回答者からは、以下のような意見が寄せられていました。

  • 完済書は送られてこないだろうし、残りの一社も後から請求してくる可能性が高い
  • 闇金へは返済してはいけない
  • 警察か法律の専門家に相談するべき

回答者の意見にもあるように、おそらく完済書は送られてこず、残りの1社についても後日連絡をしてくるのではないかと思われます。
いずれにせよ、闇金問題を放置していると、このように家族に迷惑がかかることになります

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1473910079?__ysp=6ZeH6YeR44CA6L%2BU5riI44Gn44GN44Gq44GE44CA5pS%2B572u

闇金業者へ返済ができなくなった場合の対処方法

お金が用意できない、業者と連絡が取れない等の理由から、返済ができなくなった場合でも、前述したような危険性がありますので、闇金問題を放置しておくことだけは絶対に止めましょう。闇金業者へ返済ができなくなった場合の適切な対処方法について、以下で説明します。

警察に相談する

警察に闇金被害を相談する場合、地域の警察署の窓口で「闇金被害について相談したい」と申し出ましょう。警察は事情聴取の後、被害届を作成します。しかし、被害届は必ず受理されるわけではありません。何故なら、警察が取り扱うのは刑事事件であり、闇金問題は一般的に民事事件として扱われるからです。闇金業者に暴力を振るわれる、脅迫行為がある等事件性が高いと判断された場合は、警察が対処してくれる可能性があります。

法律の専門家に相談する

闇金業者へ返済ができなくなってしまった場合、法律の専門家に相談することが最もおすすめです。闇金業者は法律の専門家の介入を嫌うため、ほとんどの場合、法律の専門家に相談することで、嫌がらせや取り立てを防ぐことが可能です。ただし、闇金対応は法律のプロでも難しく、専門性の高い分野といわれているため、対応実績の豊富な専門家に依頼する必要があります。依頼時には必ずその専門家が闇金対応を行っているか、闇金に関する案件の解決実績が複数あるか等を確認するようにしてください。

我々ジェネシスWESTは、闇金業者への対応経験豊富な司法書士と元警察官がタッグを組んで、闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応しています。24時間・年中無休で受付しておりますので、闇金トラブルを放置している方は、そのままにせずにぜひ一度ご相談ください。

携帯・口座等を変更する

警察もしくは法律の専門家に相談を行った後は、携帯電話の番号を変更し、借入の際に使用した銀行口座を解約するようにしましょう

電話番号を知られている以上、解決した後もいつ闇金業者から連絡が入るか分かりませんし、口座番号が知られていれば勝手に入金して返済を要求される「押し貸し」の被害にあう危険性もあります。また、上述しましたが、もし闇金業者が「客振り」といって、別の客からの返済をあなたの口座に融資として行っていた場合、口座凍結されてしまう可能性もあります。

一度闇金業者に教えた個人情報は、いつまでも闇金業者や詐欺グループなど犯罪者ネットワークの中に残ると考え、可能な限り変更を行うようにしましょう。

まとめ

今回は、闇金問題を放置しておくリスクと、闇金問題を放置しておいた実例を紹介すると同時に、闇金業者へ返済できなくなった場合の対処方法について説明しました。

闇金業者への借金が返せなくなった場合、放置しておくことは大変危険です。「何もいってこないし、大丈夫かも?」と思っても、いつまでも闇金業者が放って置いてくれるわけはありません。必ず、取り立てはやってきますし、その時は家族や職場にまで迷惑をかけることになる可能性が高いです。そのせいで職を失うことや 、家族に縁を切られるというケースは実際少なくありません。

そのような事態を防ぐためにも、闇金問題を放置しているという方は、今回の記事を参考に、今すぐ解決に向けた行動を取ることをおすすめします。