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ネットカフェ難民でも融資可能な闇金は危険!安全な資金調達法と生活再建法について解説

相談・解決

住居を持たずにネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりをしているネットカフェ難民と呼ばれる方々にとって、2020年に世界中で蔓延した新型コロナウィルスの影響は計り知れません。生活苦に陥り、闇金を頼ろうかと思い詰めている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それでも闇金業者を頼ることだけはおすすめできません。

本記事では、ネットカフェ難民で生活資金に困っても闇金に頼ってはいけない理由と、ネットカフェ難民で闇金業者とトラブルになった実例をご紹介。さらに、闇金業者に関するトラブルを抱えた場合の解決方法と、安全な資金調達方法・生活再建方法についても詳しく解説します。

1.ネットカフェ難民の苦境とそれでも闇金に頼ってはいけない理由

ネットカフェ難民の多くが新型コロナウィルスの煽りを受け、生活苦に陥っていると推測できます。以下ではネットカフェ難民の苦しい現状と、苦しい状況でも闇金に頼ってはいけない理由について説明します。

新型コロナの影響でネットカフェ難民は苦境

新型コロナウィルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令により、暮らしは様変わりしました。ネットカフェやカプセルホテル、漫画喫茶などを拠点に住まいを持たずに生活している、いわゆるネットカフェ難民と呼ばれる人々の多くは、日雇い労働や派遣作業などで収入を得ています。ですが、緊急事態宣言を受け、現場作業のほとんどがストップし、仕事は激減。収入が減った所へ追い打ちをかけるように、三密になりがちだという理由で、ネッットカフェや漫画喫茶等にも閉鎖要請が出され、ネットカフェ難民は居場所まで失いつつあります。もちろん、自治体が提供する格安の宿泊所等、セーフティネットは用意されていますが、個室でない、食事は出ないなど、完全なものとはいえません。

そんな不安な生活の中、ふとSNSやインターネット検索で「ネットカフェ難民でも即日融資!」「簡単審査で10万まで融資可能」などという謳い文句を目にすれば、違法な闇金業者だと理解していても縋りたくなってしまうかもしれません。ですが、その誘惑には決して乗ってはいけません。

ネットカフェ難民でも融資可能な闇金は危険!

闇金業者の中には、簡単な審査のみで、ネットカフェ難民や無職の方にも融資してくれる業者も存在しますが、そもそも生活苦でお金がないのですから、融資を受けたところで返済は滞るのではないでしょうか? 次の週に仕事が入って返済できたとしても、その後の生活費が不足することは目に見えています。そのうちに新型コロナの流行が終息し、状況が改善する可能性もありますが、闇金業者の金利はほとんどの場合、返済不可能なほどの高金利に設定されています。その頃には利子が膨らみ、借金は借りた元本の何倍、何十倍という額になっているかもしれません。

また、返済が滞った場合の取り立てには容赦ありません。取り立ての電話は鳴りやまず、出た途端に脅迫じみた怒号を聞かされ、神的に追い詰められます。また、無視していれば、契約の際に必ず申告を求められる親族や友人の元へ連絡が行き、彼らも容赦なく返済の肩代わりを迫られます。

例え完済できた場合でも、闇金業者は一度関わり合いを持った人間をいつまでも追いかけてきます。完済後にさらなる返済を求められたり、勝手に送金して返済を迫る「押し貸し」と呼ばれる被害にあったという報告もあるため、現状が苦しいからといって安易に闇金業者から借金をすることは絶対に止めましょう

2.ネットカフェ難民の実情・闇金から借金がある方も!

ネットカフェ難民は実際、どのような状況に置かれているのでしょうか? 以下では、ネットカフェ難民の実情をご紹介します。

3日間何も食べていないという男性

西日本新聞の新型コロナニュースの記事では、NPO団体の炊き出しで記者が出会ったという50代のネットカフェ難民の男性の厳しい実情が紹介されていました。この男性は3日間何も食べていないと言っていたそうです。彼は今まではネットカフェに寝泊まりしながら派遣社員として働き、月17万ほど稼いでいたそうですが、新型コロナの影響で2月以降は仕事が激減。ネットカフェが軒並み休業した4月中旬頃からは路上生活を余儀なくされているそうです。この日の所持金はわずか30円とのこと。

この男性のように派遣や日雇い労働で日銭を得ながらネットカフェ暮らしをしていた方が、職を失いホームレスになるといったケースが今後増えることが予想されます

参考記事:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603853/

ネットカフェから追い出されて段ボール生活に

以下は2020年4月半ば、大手Q&Aサイトに投稿された質問です。

新型コロナの影響でネットカフェが閉鎖し、追い出されてしまったため、明日から路上生活するしかない。日雇い労働で働いていたが、仕事も全く見つからない、といった内容でした。

回答者からは、そこまでいくと生活の向上は難しい、管轄の福祉課に相談に行くべきだといったアドバイスを受けていました。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12223009142?__ysp=44ON44OD44OI44Kr44OV44KnIOOCs%2BODreODig%3D%3D

ネットカフェで生活・闇金からの借金も

以下は2014年頃大手Q&Aサイトに投稿された、ネットカフェ難民となり闇金からの借金もあるという方からの質問です。

家賃滞納で家を追い出され、毎日ネットカフェや個室ビデオなどに寝泊まりしながら仕事に行き、何とか生活しているが、闇金からの借金もあり限界だ。闇金を完済するのと部屋を借りるお金(50万)を友人から借りようかと考えているが、普通は貸してもらえないだろう。家がなくて明後日が闇金への返済日だが、所持金も尽きそうだ、といった思い詰めた内容の投稿でした。

どうしたら良いか全く分からない、という男性に対し、回答者からは以下のようなアドバイスが投稿されていました。

  • 借金問題は病気と同じように放置しても改善しない
  • 借金で困ったときは速やかに法律の専門家に相談すること
  • 他の問題と比べてお金の問題は債務整理や自己破産等の解決策が見つかりやすい

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13137548088?__ysp=44ON44OD44OI44Kr44OV44Kn44CA6ZeH6YeR

安全な資金調達法と生活再建法

ネットカフェ難民で生活資金に困っている、生活を立て直したい等の悩みを抱えている場合、どのように対処すれば良いのでしょうか? 以下では具体的な対処方法について説明します。

生活福祉資金貸付制度を利用する

生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者・障害者の生活を経済的に支えると同時に、その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。総合支援金として、生活支援金や住居入居費、一時生活再建費等のための資金について融資を受けることが可能です。保証人なし低金利(保証人が立てられる場合は無利子)で融資を受けられるため、闇金業者を頼る前にまずはこちらに相談を行うことをおすすめします。2020年5月現在、新型コロナウィルスの影響を踏まえ、収入減少があった世帯の資金需要に対応した生活福祉資金貸付制度の特例措置が取られています。

詳しくは、厚生労働省の公式サイトか、お住いの市区町村の社会福祉協議会の公式サイトをご参照ください。

参考サイト:生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)

生活困窮者自立支援制度を利用する

生活困窮者自立支援制度は、「働く場所が見つからない」「住む場所がない」等、様々な事情により生活に困窮している方が周囲から孤立することなく安定した生活を送ることができるよう、一人ひとりの状況に応じた包括的な支援を行う制度です。住む場所がない場合には、一定期間、宿泊場所や衣食の提供する一時生活支援事業も行っています。同時に退所後の生活再建に向け、就労支援などの自立支援も行っていますので、ネットカフェ難民の方はこの制度を利用して、まずは住居と仕事を確保し、生活再建を行うことをおすすめします

生活保護を申請する

上記の支援を受けても、就労が難しい事情がある場合(傷病等)は、生活保護を申請しましょう。生活保護の相談及び申請は、居住区域を管轄する福祉事務所の生活保護担当で行うことが可能です。詳しくは、厚生労働省の公式サイトか、お住いの市区町村の社会福祉協議会の公式サイトをご参照ください。

参考サイト:生活保護制度(厚生労働省)

闇金業者から融資を受けてしまったら

すでに闇金から融資を受けてしまい、返済ができなくなり困っている方は以下を参考にトラブルを解決してください。

連絡を絶ち、返済を止める

闇金業者はそもそも法律に違反した存在です。返済を行う義務はありません
着信拒否をする、携帯電話の番号を変える等を行い、闇金業者からの連絡を絶ち、返済をストップしてください。

借金問題に詳しい法律の専門家に相談する

連絡を絶つだけでは、探し出されて直接取り立てられる恐れがあります。闇金業者とのトラブルを根本から解決するためには、借金問題や闇金業者に詳しい法律の専門家へ相談するのが一番の方法です

我々ジェネシスは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官が力を合わせて、闇金トラブルに対応する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応していますので、ネットカフェ難民で手持ちがないけれど、今すぐ闇金業者とのトラブルを解決したいという方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。

身の危険を感じた場合は警察へ

最近は闇金業者も暴力行為を行うことは少ないといわれていますが、そもそも違法行為を行う犯罪者集団ですので何をされるは分かりません。脅迫を受ける、犯罪行為を強要された等、身の危険を感じた場合はすぐに警察へ相談してください。

まとめ

今回はネットカフェ難民で生活資金に困っても闇金業者から融資を受けてはいけない理由とネットカフェ難民の実情、ネットカフェ難民の安全な資金調達方法と生活再建方法、また闇金業者とトラブルになってしまった場合の対処方法について解説しました。

ネットカフェは便利で住居を借りるより容易で安価ですが、今回の新型コロナ禍のような事態になればあっという間にホームレスに転落しかねない危険性の高い生活手段です。住居がないと仕事も見つけにくく、無職になれば宿泊費や食費に困っても正規の金融機関から融資を受けることもままならなくなります。審査の緩い闇金業者から融資を受けることは前述した通り、大変危険です。自立支援センター等を活用し、できるだけ早急に生活を立て直すことをおすすめします。