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友達が闇金からお金を借りた際にできることと対処方法

相談・解決

「友達が借金を抱えている」こんな経験はだれもが一度はありますし、よくある話です。

しかし、友達が闇金からお金を借りてしまったという経験がある人は少ないのではないでしょうか?

友達が闇金からお金を借りてしまったら、場合によっては自分にも闇金の被害が及ぶことがあり、大切な友達はさらに大変な目にあってしまいます。

今回は、闇金からお金を借りてしまった友達に対してできることについて解説します。

自分に闇金の危害が及ばないように対処することはもちろん、闇金問題で苦しんでいる友達を少しでも楽にすることができる方法を理解しておきましょう。

闇金からお金を借りると

友達であれ、自分であれ、闇金から不用意にお金を借りてしまうと非常に大変な目にあってしまいます。

闇金は銀行などではお金を借りることができない人にお金を貸し付け、無理やり取立てを行うからです。

また、闇金から一度でもお金を借りてしまうと、簡単に手を切ることはできません。

まずは闇金からお金を借りることのリスクをよく理解し、友達が闇金からお金を借りようとしていたら止められるようになりましょう。

法外な金利が適用される

闇金からお金を借りると、法律を逸脱した異常な高金利が適用されます。闇金の金利は昔から「10日で1割」といわれています。つまり、1か月で30%、1年間で360%です。

10万円借りただけでも、1年間で利息負担だけで36万円になります。利息だけでも毎月3万円返済していかなければならないことになります。

闇金から10万円を借りる必要があるほどお金に切羽詰まっている人は、すでに多数の借金を抱えているのが一般的です。

このような人が利息負担だけで3万円を返済するのは非常に困難だといえます。

また、最近の闇金はこの3倍程度の金利を設定していることもあり、闇金から一度お金を借りてしまったら、利息だけを払い続けなければならないような仕組みになっているのです。

執拗な取立てが行われる

闇金から借りてしまう人はお金がない人です。このような人が毎月利息負担だけで数万円にもなる闇金の返済を行なっていくことは普通に考えれば困難です。

だからこそ消費者金融や銀行はこのような人にお金を融資しないのです。

闇金もそのような事情はよく分かっていますので、返済に遅れると精神的に追いつめる督促を執拗に行います。

早朝や深夜の督促電話、会社への電話、脅迫的な文言、子供への付きまとい、自宅などへの張り紙、頼んでもいないデリバリーなど、嫌がらせと督促を繰り返して追いつめます。

お金のない人でも寝る時間を惜しんで働けば毎月の利息負担の数万円程度を稼ぐことはそれほど難しいことではありません。

そのため、執拗に取立てを行い「返済すれば助かる」という精神状態に追い込み、無理やりにでもお金を払わせます。

督促は家族や勤務先の人にも迷惑がかかってしまうことになります。

完済させずに延々と利息を払わせられる

闇金は完済させてはくれません。完済させてしまったら、利息だけを払い続けるカモがいなくなってしまうからです。

そもそも法外な金利設定によって、元金返済に手が回らないような仕組みになっています。

また、仮にまとまったお金が手に入って「完済したい」と言ったところで、「手数料が発生する」「まだ未払いの利息がある」などと理由をつけて完済させないようにします。

闇金から借金をしている人は、闇金にとっては「カモであり続ける」必要があるのです。

闇金から一旦お金を借りてしまうと、付き合いを断ち切るのは非常に困難です。友達が闇金からお金を借りようとしていたら、まずは止めるようにしてください。

友達が闇金から借りたときに自分にリスクはある?

友達が闇金からお金を借りると、闇金から危害を加えられるのは友達だけではありません。場合によっては、自分自身が闇金から危害を加えられる可能性もあります。

緊急連絡先として自分の電話番号を指定されたり、SNS上で闇金から連絡が来たりする場合です。

友達が闇金からお金を借りていた場合に自分に及ぶ危害についても理解しておき、自分が闇金の被害者にならないようにしましょう。

緊急連絡先に指定される

闇金からお金を借りるときには、緊急連絡先を設定する必要があります。緊急連絡先とは「本人に連絡が取れないときに連絡する先」です。

闇金からお金を借りた友達が緊急連絡先として、仲の良い友達である自分の電話番号を指定してしまったら、自分にも闇金から督促が行われるケースがあります。

闇金にとっての緊急連絡先とは「返済できない時に脅す連絡先」です。

このため、友達が闇金への返済を行わないと「〇〇にお金を返済するように言え」「〇〇が返せないならお前が返せ」など理不尽な督促を、乱暴な口調で受けることになってしまいます。

返済に困って友達から借金を依頼される

闇金トラブルを抱えた友達から受ける被害のうち、最も多いものが「友達から借金を依頼される」ことではないでしょうか?

闇金からお金を借りた人は、「お金を闇金に支払えば救われる」「返済できないと命が危ない」という精神状態に追い込まれています。

このため仲の良い友達などが「頼むからお金を貸してくれ」とせがんでくるケースはよくあります。

お金を貸したらよいのか、貸してはならないのかについては後述しますが、仲のよい友達からこのような頼みごとをされるだけで精神的にはかなりの負担になります。

喜んでお金を貸したいと考える人はいませんし、断ってしまったら仲の良い友達を見捨てるような気持ちになってしまうためです。

闇金からお金を借りた友達との関係が濃ければ濃いほど、「お金を貸して」と言われる可能性は高くなるでしょう。

最近はSNSで督促されるケースも

最近の闇金はSNSを駆使しています。闇金からお金を借りた友達のFacebookアカウントを調べて、そこから人間関係を調べます。

そして、仲の良さそうな友達などに「〇〇さんはお金を借りたまま返してくれません。法的措置も検討していますので、〇〇さんの社会的名誉を守るため、返済を立て替えていただけないでしょうか?」などというダイレクトメッセージを送ることがあるのです。

大抵このような請求は数万円程度とそれほど高い金額ではないので、友達の代わりに闇金に対して返済してしまう人もいるようです。

このように、友達が闇金からお金を借りたことによって、金銭的な被害が発生してしまうケースもあります。

友達が闇金から借りる前に自分ができること

お金に困っている友達が闇金からの借入を検討していたら、自分は何をすべきでしょうか?

まずは友達の経済状態をしっかりと聞き、適切な解決方法へと導くことが重要です。また、少なくとも闇金からお金を借りることだけは止めるようにしましょう。

闇金から借りることを止める

闇金からお金を借りようとしている友達に対して最初にできることは、闇金からお金を借りるのを止めることです。

闇金から借金した場合どうなってしまうのかを丁寧に説明してあげましょう。

闇金からお金を借りようとしている人の多くが、その業者が闇金だと分かっていないケースがほとんどです。このため、その業者が闇金だと教えてあげることが大切です。

金融庁の「登録貸金業者検索サービス」から業者名を検索して、名前がヒットしない業者は闇金です。

スマホからでも検索できますので、友達の前で「お金を借りようとしている業者は闇金だ」と証明するようにしましょう。

債務整理をすすめる

闇金からお金を借りようとしている人は、すでに複数の業者から借入をしているケースがほとんどです。

このような友達には債務整理をすすめるようにしましょう。債務整理を行えば借金を減額できる可能性が非常に高くなります。

自己破産以外の債務整理であれば、家族や会社に知られずに債務整理をすることも可能ですし、自宅などを失うこともありません。

債務整理によって信用情報機関に個人情報が登録され、いわゆるブラックリスト状態になりますが、闇金からの借入を検討している人はすでにそうした状態である可能性が高いため、失うものはほとんどありません。

また、闇金からお金を借りた後に債務整理をしても、闇金からの督促は無くならない点に注意しましょう。

違法業者である闇金は、利用者が自己破産をしても督促を行なってきます。「債務整理をするなら闇金に手を出す前に行うべき」ということも併せて説明してあげましょう。

闇金からお金を借りてしまった友達に自分ができること

では、闇金から友達がお金を借りてしまっていたら何ができるのでしょうか?同じく、適切な対処法を教えてあげるしかありません。

適切な対処法とは、弁護士や司法書士の専門家に間に入ってもらうことです。

弁護士や司法書士といった専門家へと相談する方法としては、以下の2つの方法があります。

法テラスを紹介する

法テラスは国が用意した無料の法律相談窓口です。弁護士に相談するお金がないという友達には法テラスを紹介するのがよいでしょう。

法テラスでは、闇金からお金を借りてしまったらどのような対処方法があるのかという法律的な知識を教えてくれます。

闇金問題を解決するために、実際に弁護士に依頼するにはお金が発生しますが、入口となる法律相談は無料で行うことができます。

闇金に言われるがまま返済に苦しんでいる友達の道しるべとなりますので、法テラスへの相談は有効な方法の1つです。

一緒に弁護士事務所へ行く

闇金問題に強い弁護士事務所を探して、友達を連れていくという方法もあります。

弁護士事務所のなかには、相談料が無料の事務所も数多く存在しますので、お金がなくても相談は可能です。

闇金は弁護士などの専門家でないと解決は難しいのが実情です。警察は民事不介入のため相談しても積極的には動いてくれません。

闇金問題に強い弁護士に相談することによって、以降の督促は弁護士のところに行くようになり、闇金は逃げてしまうのが一般的です。

闇金問題に強い弁護士は警察を動かせる場合も多いので、摘発を恐れた闇金は逃げてしまうのです。

闇金問題の根本的な解決を図りたいのであれば、とにかく早めに闇金問題に強い弁護士などの専門家へ相談しましょう。

また、友達にお金がなくても着手金無料という弁護士も数多く存在し、料金は闇金問題が解決した後に分割で払うこともできます。

「唯一の解決策は闇金問題に強い弁護士に相談すること」と説得して、早めに友達を専門家の元へ連れて行ってあげましょう。

闇金への返済に困った友達にお金を貸すのはあり?なし?

友達が闇金からお金を借りた時に、自分にも「お金を貸してくれ」と言ってくることもあるかもしれません。

困っている友達のために「少しだけなら」という気持ちになってしまう人もいるでしょう。

闇金返済に困っている友達にお金を貸すのはありなのでしょうか?結論をいえば、いくら友達でも闇金問題に困っている時にお金を貸すのは「なし」です。

闇金問題はいくらお金を支払っても決して解決できないためです。

闇金への返済金は貸しても返ってこない

闇金からお金を借りた友達から「必ず返すから」と言われて数万円貸したとしても、そのお金はまず戻ってこないでしょう。

そもそも友達はお金がないから闇金から借金をしています。その返済金すらない状態なので、友達から返済を期待するのは困難です。

そして、前述したような専門家に闇金問題を解決してもらったとしても、闇金からこれまで支払った利息が返ってくることもありません。

闇金に困っている友達へ、返済を期待してお金を貸すのは現実的ではない点を理解しておきましょう。

闇金はお金を返済することで解決しない

そもそも闇金の問題は、闇金にお金を支払うことでは絶対に解決できません。

闇金にお金を払えば払うほど闇金はつけ上がり、さらに支払を要求してきます。真面目に闇金への返済を続けても、完済して解決に至ることはありません。

つまり、「返ってこなくても友達を救えるならそれでいい」と善意の気持ちで友達にお金を貸したとしても、そうした行為で友達が救われることはないのです。

繰り返しになりますが、闇金問題を解決するのはお金ではなく、弁護士などの法律の専門家に依頼することのみだと理解しておきましょう。

お金を貸すと友人関係が壊れることも

闇金問題でなくても、友達との間でお金の貸し借りをすることによって友人関係が壊れてしまうことがよくあります。

友達からお金を返してもらっても、その後も「お金を貸した方が上、借りた方が下」という人間関係が続いてしまうのはよくあることです。

前述したように、闇金からお金を借りるほど困窮している友達に自分への返済を望むことは困難ですが、必ず回収できる方法として、お金を貸した際の契約書を作成して公正証書にしておく方法があります。

この方法であれば、返済できない場合には裁判なしで財産の差し押さえを行うことができます。

しかしお金に困っている友達にここまでやってしまうと、友人関係は壊れてしまうことに変わりはありません。

闇金に苦しんでいる友達を大切だと思うのであれば、お金を貸すのではなく闇金問題に強い弁護士などの専門家を紹介してあげる方がよいでしょう。

まとめ

友達が闇金から借金した場合、友達の人生は執拗な取立てによってめちゃくちゃにされてしまいます。家族と離れ離れになったり、仕事を辞めたりしてしまうかもしれません。

最悪のケースとして自殺してしまう可能性も否定できないでしょう。その上、自分のもとにも闇金から督促が来る可能性もあります。

このような事態にならないように、闇金からお金を借りようとしている友達がいたら、闇金からの借金を止めることが大切です。

すでに借りてしまっていたら、速やかに弁護士などの専門家に相談するように説得しましょう。

闇金からの督促に頭を悩ませている友達が「お金を貸してくれ」と頼んでくる可能性はあります。

しかし、闇金の返済に充てるお金が友達から返ってくる可能性は極めて少なく、大切な友人関係を壊すことにもなってしまいます。

闇金問題はお金を払うことでは絶対に解決できません。

「解決する方法は弁護士などの専門家に相談することだけ」と友達を説得して、専門家へと一刻も早く相談するように促しましょう。