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薬物依存症で闇金を利用するリスクと対処法を解説

相談・解決

「薬物依存症で闇金問題も抱えている」
「薬代が嵩み、闇金利用を考えている」

このようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
違法薬物や向精神薬など、薬物中毒になってしまうと、薬を入手することを優先するため、生活資金が不足してしまう方が少なくありません。中には、薬物代のために闇金を利用してしまう方も存在するようです。しかし、薬物依存症の方が闇金を利用することは、そうでない方が利用する以上にリスクが高いといえます。

今回は、薬物依存症で闇金を利用する流れ、薬物依存症で闇金を利用するリスク、薬物依存症の対処法、薬物依存で闇金を利用した時の対処法などについて説明します。

薬物依存症で闇金利用に至る流れ

薬物依存症の方が、闇金を利用してしまうという事例は実際に存在します。一見、因果関係がないようにも思えますが、以下のような理由から、薬物依存症が闇金利用に繋がる可能性は十分あり得ると考えられます。

依存性のある薬物は高額

依存症になる可能性のある薬物は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 違法麻薬 覚せい剤、コカイン、大麻、LSD、ヘロインなど
  • 合法薬物 向精神薬、睡眠薬、咳止めシロップなど

その他、鎮痛剤や便秘薬などに依存してしまうケースも報告されています。

違法であれば当然ですが、合法薬物であっても、処方薬では処方されている範囲内で依存症になるとは考えにくいため、非正規のルートで入手する必要がありますので、その分費用は嵩みます。依存しているのが比較的安価な市販薬であっても、依存症の方の場合、大量に必要となりますので、結果的に高額になるでしょう。
また、厄介なのは、大抵の場合、薬物は使い続けると耐性が生まれるため、使用が長期化するほど必要となる薬物の量は増え、調達するための費用はかさんでいくのです。

生活にまつわる資金と別途に、薬物費用を捻出し続けなければいけないのですから、正規の職についていても家計は楽でないことが想像できます。

労働意欲が低下する

薬物依存症の方の場合、労働意欲が低下するケースがあります。これは何の薬物に依存しているか・どの程度の頻度で使用しているかなどの要素や、個人差が激しいですが、薬物に依存するあまり無断遅刻や欠勤を繰り返してしまう方や、仕事を辞めてしまったという方も実際に存在します
薬物の過剰摂取は、当たり前ですが身体に良くないため、体力の低下も招きます。慢性的に疲労感から、ますます働くのが億劫になってしまうという可能性もあります。

慢性的な資金不足に陥る

労働ができないと、大抵の方は経済的に不安定になります。しかし、薬物にお金がかかりますので、この段階で借金に走る方が少なくありません。家族や消費者金融等借りられる所から借りられるだけ借りてしまい、どうしようもなくなって闇金に手を出すという方もいらっしゃるでしょう。

思考能力が低下する

違法薬物や向精神薬、睡眠薬などを利用した場合、薬物が抜けた後も、頭がぼんやりしてしまうといった症状が出ることが珍しくありません。ぼんやりした状況では、普段は明晰な方でも、思考能力が低下し、間違った判断を下してしまう危険性があります。また、長期に渡る薬物の過剰摂取は、脳にダメージが残るという報告もされています。
もしこのように思考能力が低下している状態で資金調達を行えば、通常なら避けることができるはずの危険な闇金業者を利用してしまうかもしれません

薬物ディーラーから闇金を紹介される可能性

違法薬物や処方薬を裏で扱っているいわゆる薬物ディーラーの中には、闇金と繋がりのある方も存在するかもしれません。そうした方に、「薬が欲しいけれどお金がない」と相談すれば、闇金を紹介される可能性もあるでしょう。

薬物依存症で闇金を利用するリスク

闇金業者を利用することは、通常でも安全とは言い難いです。さらに薬物依存症という要素が加わると、リスクはいや増すことが予想できます。以下では薬物依存症で闇金を利用するリスクについて説明します。

闇金は非常に高利

貸金業法では、上限金利を15~20%(元本によって変動)と定めています。しかし、闇金業者は貸金業法を守りません。闇金の金利は、大体10日で1~3割、中には5割というところもありました。これは年利に換算すると、10日で1割の場合、年365%、3割で年1095%、5割ならば1825%になります。さらに闇金の場合、金利にも利息が付く複利という計算方法を採っていることが多いですが、その場合の金利は天文学的な数字となります。

元々お金がなくて闇金を利用する方が、このような高利の返済を行うのには無理があります。そのため、闇金利用は最初から返済ができなくなるリスクが高いといえるでしょう。

薬物依存症で返済を続けることは難しい

薬物依存症ならではの闇金利用のリスクとしては、以下のようなことが挙げられます。

勤労が持続しない

前章で説明しましたが、薬物依存症の方は、まともに勤労することが難しいと考えられます。そのため、収入も安定しません。闇金へ定期的に返済を続けることは、困難であることが予想できます。

危機感の低下

薬物の中には、精神に影響を与えるものも少なくありません。薬物の影響下にあって、気が大きくなりさらに借入をしてしまうといったケースも予想できます。また、危機感が麻痺して、取立てにあっても意に介さずにやり過ごしてしまうこともあるかもしれません。

時間感覚の麻痺

返済は定期的に行わなければいけませんが、薬物依存症の方の場合、時間がわからなくなってしまって、返済をしそびれるという可能性もあるでしょう。

取り立てのストレスから薬物使用量が増える

お金が無い、時間が分からないなど、いずれの理由からにしても期日に返済がなかった場合、闇金業者から過酷な取り立てに遭うことになります。
薬物が効いている時は無視できていたとしても、薬が切れると返済できないというこの状況は、多大なストレスとなることは間違いありません。薬物依存症になる原因の一つがストレスです。そのため、このストレスによってさらに薬物依存症が進行する可能性もあります。そうなれば、薬物使用量は増加し、金銭的にさらに追い詰められていくという悪循環に陥りかねません。

薬物依存への対処法

闇金を利用することで、薬物を調達するところまで追い詰められている方はすでに薬物依存症であると考えられます。闇金問題も重大ですが、それ以上に心身に深いダメージを与えかねない薬物問題を解決することが必要です。

薬物を断つ

薬物依存症への対処で一番必要なのは、薬物を断つことです。薬物によっても反応は異なりますが、大量に摂取していたものを突然やめることは、身体に大変な影響を及ぼします。そのため、薬物を断つ際は必ず専門家に相談することをおすすめします。必要であれば、専門の療養施設に入院するようにしてください。

参考サイト:相談窓口を探す(依存症対策全国センター)

また荒療治ではありますが、違法薬物の依存症である方の場合、出頭して警察に捕まることで自ら薬物を入手できない状況に追い込み、薬を断つという方法も耳にしたことがあります。しかし、薬物の単純所持や使用だけの場合、ほとんどの場合執行猶予が付きますし、刑務所内では最低限のケアしか受けられない恐れもあるため、おすすめはしません。

二度と利用しないことが重要

止めることができたとしても、過去依存症になったことがある方は、またいつ依存症の状態に逆戻りしてもおかしくありません。実際に何度も同じ違法薬物で逮捕されているという方は、少なくありません。そうならないためには、止めた後の行動が重要となります。
「絶対に何が何でも二度と手を出さない」と思い込むより、「昨日やらなかったのだから、今日も我慢しよう」「やりたいけれど、今日は止めておこう」というように、今日一日手を出さないことを目標に、日々を積み重ねていくようにしましょう。

薬物依存症で闇金を利用してしまった時の対処法

法律の専門家に相談する

闇金に返済できなくなってしまった時は、法律の専門家に相談することが最も早く問題を解決する方法といえます。

闇金業者へは法的には返済の必要はありません。しかし、だからといって借りた本人が「法的に返さなくて良いから返さない」と主張したところで、無視されるか怒らせるだけでしょう。
闇金に返済しなくて良い根拠は法律にあるのですから、法律家に対応を代わってもらうのが一番なのです。闇金は自らの行為が違法であることを承知しており、逮捕されることを恐れています。利用者がいくら騒いでも逮捕される恐れはほとんどありませんが、法律の専門家が介入すれば話は別です。そのため、闇金業者の多くは、法律の専門家が介入した時点で諦めるといわれています。

薬物依存症の治療中の方の中には、法律の専門家に相談したいけれど、療養施設などに入っていて訪問が難しいという方もいらっしゃるかもしれません。そうした時は、まずメールや電話で相談してみると良いでしょう。

警察に相談が必要なケース

闇金被害の相談先として、法律家の前に思いつくのが警察かもしれません。最近は地域によっては、警察にも闇金被害の相談窓口は設けられているなど、昔に比べて闇金業者への取締を強化している印象があります。

しかし、警察が取り扱うのはあくまで刑事事件性がある場合に留まるため、単に取り立てを受けているというケースでは、基本的に口頭でのアドバイスに留まります。そのため、警察に相談したことですぐに問題が解決することはあまり期待できません。
しかし、闇金業者が実際に押しかけてきて暴力行為に及んだ場合や、その恐れがあるなど、身の危険を感じる時は、迷わずに警察に通報し、身の安全を確保するようにしましょう。

違法薬物を使用している方の中には、警察は避けたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、身に危険が迫っているのであれば、薬物使用で逮捕された方が結果的に良いかもしれませんので、よく考えて行動しましょう。

まとめ

今回は、薬物依存症で闇金を利用する流れ、薬物依存症で闇金を利用するリスク、薬物依存症の対処法、薬物依存で闇金を利用した時の対処法などについて説明しました。

違法薬物の使用は犯罪ですし、合法薬物の場合でも依存することは身体に悪影響しかありません。薬物依存症のせいで、危険な闇金を利用することは、身の破滅にしか繋がりませんので、できる限り早期に薬物依存症の治療を受けることをおすすめします。
もし薬物依存症から闇金を利用してしまった時は、できる限り早く闇金対応を得意とする法律の専門家に相談するようにしましょう。

ジェネシスWESTは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談料は無料で、着手金は後払いや分割払いにも対応しております。闇金トラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。