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闇金のジャンプとは?いつまでも完済させない怖い手口

闇金の手口

「闇金からジャンプを勧められたが、どのようなシステムか知りたい」
「闇金に返済を続けているのに、いつまでも完済にならない理由が知りたい」
闇金を利用されている方の中には、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

闇金業者は、元本と利息の両方を支払うことが難しい利用者に、とりあえず利息だけ支払う「ジャンプ」という方法を勧めてくることがあります。しかし、ジャンプでの返済の中には元本は含まれないため、ジャンプを繰り返していると、いつまで経っても完済できません。

今回は、闇金のジャンプについて、闇金がジャンプを勧める理由、闇金の借金をジャンプした事例、闇金の借金返済が終わらない時の対処法について説明します。

闇金のジャンプとは

闇金を利用している方の中には、ジャンプを提案されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「利息だけ払えばいい」という言葉に、期日までに元本と利息両方の資金を用意するのが難しそうな時など、「助かった」と思われるかもしれません。しかし、闇金のジャンプとは、そもそもどのようなシステムなのでしょうか。
以下では、闇金のジャンプについて詳しく説明します。

利息返済のみ行い元本返済を先送りするシステム

闇金でいうところのジャンプとは、利息分だけ返済することで、元本返済を次の期日まで先送りするシステムのことをいいます。

例えば、10日に1割の金利で10万円借りた場合、10日後に返済しなければいけないのは元本である10万円+利息である1万円の計11万円ですが、ジャンプをすると利息分である1万円だけ支払えば、元本分10万円の返済を先送りすることができるわけです。

闇金を利用する方の多くはお金に困っているため、10日後に元本と利息の合計額を用意できない方も少なくありません。そのため、ジャンプを選択する方は珍しくないといわれています。

消費者金融等のジャンプとの違い

消費者金融等でもジャンプというシステムは存在しますが、闇金のジャンプとは少し事情が異なります。
消費者金融でジャンプが認められるのは、次の期日には必ず返済ができるという見込みがある方に限られます。誰にでも適用されるわけではありませんし、繰り返し利用することもできません。

また、返済額の一部を支払うことで次回の返済時まで支払いを繰り越すという仕組みは闇金のジャンプと同じですが、消費者金融のジャンプでは支払った金額全てが利息というわけではありません。

ジャンプをすると完済が遠のく

闇金のジャンプでは利息分の支払いにしかならないため、ジャンプをしている間、元本返済は行われません。そのため、ジャンプをしている間は完済することは不可能です。
しかし、一度ジャンプを利用してしまうと、中々その状況から抜け出せなくなる事情もあります。闇金の返済周期は10日や7日と短く設定されていることが多いため、利息分だけとはいえ決まった金額を支払い続けながら、同時に元本分の資金を用意することは厳しいかもしれません。

また、闇金業者は不都合なことを説明しないものですので、ジャンプでの返済金の中に元本が含まれていないことを利用者に説明ません。そのため、闇金利用者の中には、「返済しても返済しても返済がおわなない」という状況に訳も分からず陥っている方も存在するようです。

返済し続けても完済できないというだけでも恐ろしい話ですが、利息が複利だった場合それだけでは済みません。

複利であれば元本も増える

闇金の利息は複利であるケースも多いです。複利というのは、利息に利息が付く計算方法です。
例えば、10万円を複利で借りた場合、10日後の返済額は11万ですが、次の返済額は前の利息の1万円が元本に合算されることになるため、11万円に1割の利息が付くことになります。つまり新たな借入をしていないにもかかわらず、元本が増えていくのです。この利息の複利計算こそが、闇金の借金が雪だるま式に増えてしまう原因の一つです。

利息の計算方法が複利だった場合、1回目のジャンプの時より2回目の方が高い利息を請求されることになる上、元本も増えることになります。
ジャンプのたびに返済額・元本共に増えるのでは完済などできるわけはなく、利用者は底なしの借金地獄に落ちていくことになります。

闇金がジャンプを勧める理由

利用者が返済不能に陥ることを防ぐために、消費者金融等では無暗に顧客にジャンプを勧めることはあり得ません。しかし、闇金は利用者に積極的にジャンプを勧める節があります。その理由は以下のように推測できます。

闇金業者は借金を完済されたくない

闇金の目的は、利用者から高利を得ることです。多くの利息を得るために、可能な限り長期間返済させるように仕向けているのだと考えられます。
そもそも、闇金の利用者の多くは、金融ブラックである・定収入である等、正規の貸金業者を利用できないような事情を抱えているため、いずれ返済不能になることは想定済みです。本当に返済不能になる限界まで、ありとあらゆる手を使って搾り取るのが闇金のビジネスなのです。

ジャンプ以外の完済を阻む手口

闇金は利用者に完済させないために、ジャンプ以外にも様々な手口を使います。

連絡がつかないようにした上で「前日連絡がなかった」、「完済には前もって連絡が必要だ」等といった口実を付けることや、「完済金には足りない」と新たに請求してくるケースもあるといわれています。
他にも、完済が近づいてくると、新たに借りるように強要してくる、勝手に融資金を振り込んで来て返済を迫られる、いわゆる押し貸しに遭うといったケースも聞かれます。

闇金の借金をジャンプした事例

闇金のジャンプの恐ろしさについて上述しましたが、「実際に闇金の借金をジャンプするとどうなるのだろう?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。大手Q&Aサイトでは、闇金の借金をジャンプした実体験が複数掲載されています。今回はその中から数例をご紹介します。

闇金の借金を2回返したが元本は減らないといわれた

2012年10月頃、闇金を利用した方の投稿です。

投稿者は闇金と30,000円の契約を行い、19,000円を受け取ったそうです。1週間後の返済期日にジャンプ?なら7,000円、完済するには前日までに31,000円を振り込むように言われ、今のところ7,000円を2度返済したそうでが、体調を崩しており返済が困難なことを伝えたところ、「元本だけでも返済しろ」といわれ、今まで返済した分は元本には中てられないので、19,000円を返すように言われたとのことです。

「どうしたら良いでしょう?」という投稿者の質問に対し、回答者からは以下のようなアドバイスが寄せられていました。

  • 闇金は違法なので返済義務はない
  • 警察に相談するべき
  • 法テラスで相談するべき

このケースからも分かるように、ジャンプで支払ったお金は、元本返済には中てられないというのが闇金のルールとしてあるようです。
こちらの投稿者はその後、回答者のアドバイスに従い、法テラスから紹介された司法書士の無料相談会で相談を行い、無事に問題を解決できたようです。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1295522287?__ysp=6ZeH6YeR44CA44K444Oj44Oz44OX

闇金を利用した友人から借金を申し込まれた

2009年6月頃、闇金の返済のために友人から借金を申し込まれた方の投稿です。

投稿者は、闇金の返済のためにお金を少し貸して欲しいと頼まれたそうですが、「元金を減らすために」というフレーズが引っかかったとのこと。詳しく聞いてみたところ「ジャンプが……」など知らない用語が出てきて、意味がわからなかったためまだ貸していないということでした。

「闇金のジャンプって何ですか?」という質問に対し、回答者から「金利を払ってその場しのぎをすること」などと、ジャンプに関する説明がされていました。
このケースの場合、友人は元本を減らすためというより、増やさないため、もしくはこれ以上ジャンプをせず完済するために投稿者に借金を申し込んでいるのではないかと推測できます。

参考記事:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1327744113?__ysp=6ZeH6YeR44CA44K444Oj44Oz44OX

闇金に返済できない時の対処法

闇金の返済が難しく、ジャンプを勧められた時や、すでにジャンプを繰り返し行い返済不能に陥ってしまった時、どのように対処すれば良いのでしょうか。
闇金への借金が返済できなくなった時の対処法について説明します。

闇金との契約は基本的に法的には無効

闇金業者は法外に高い金利を設定しているため、ほとんどの場合、法的には契約無効であり、返済の義務はありません。
しかし、だからといって借りた当人が闇金に対し、「この契約は違法だから返済しません」といったところで、鼻で笑われるか逆上されるだけでしょう。

法律の専門家に相談する

闇金への借金が返済できなくなった場合は、法律の専門家に相談することをおすすめします。
上述した通り、闇金業者との貸付契約はほとんどの場合、法的には無効です。そのことを素人に指摘されたところで、闇金業者は痛くもかゆくもありませんが、法的な知識と実行力を併せ持ったプロが出てくれば話は別です。
闇金業者が最も恐れているのは、逮捕や罰金等の刑事罰を受けることです。法律の専門家が関わった場合、そうした恐れが出てくるため、大抵の闇金業者は法律の専門家が介入してくると早々に手を引くといわれています。

警察に相談が必要なケース

闇金問題は基本的に、民事扱いになるため、相談先としては警察より法律の専門家の方が向いているといえます。
しかし、もし闇金業者が自宅まで押し掛けてきて自分や家族、物に対して暴力行為があった場合や、「家に行ってやる」等と脅されており、実際に身の危険を感じているという場合は、警察に相談した方が良いでしょう。
その際は、なるべく具体的な証拠を集めておくことをおすすめします。

まとめ

今回は、闇金のジャンプについて、闇金がジャンプを勧める理由、闇金の借金をジャンプした事例、闇金の借金返済が終わらない時の対処法について説明しました。

闇金は大変に高利なため、元本と利息をまとめて支払うことは難しく、利用すると完済が遠のくことを知りつつジャンプを選択する方は少なくありません。しかし、ジャンプを行うと、元本まで増えてしまう等、借金地獄が泥沼化していくだけです。
闇金に返済ができなくなった場合は、ジャンプではなく、法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、闇金業者への対応経験豊富な司法書士と元警察官がタッグを組んで闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応しています。24時間・年中無休で受付しておりますので、闇金の借金問題でお困りの方は、一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。