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年金受給者が狙われる年金担保融資とは?知らぬ間に親が被害者に!

闇金の手口

老人を狙った詐欺で最も知られているのは、オレオレ詐欺ではないでしょうか。身内を装い、事故・事件の示談金などの名目で金銭を騙し取る手口です。
しかし最近、闇金業者が年金受給者をターゲットとして行っている年金担保融資も、大きな社会問題となりつつあります。

今回は、闇金業者の実態と、年金受給者を狙った年金担保融資の手口と実例を紹介すると同時に、年金を担保とする闇金への対処方法についても説明しますので参考にしてください。

闇金業者の実態について

闇金業者は、社会的にあまり良くない存在、怖い存在として認識されている方がほとんどでしょう。しかし、実際のところどのようなものなのか詳しく把握していない方も多いかもしれません。闇金業者について詳しく知ってこそ、万が一にも接触を持たないための対策が可能となると思います。
以下では、闇金業者の実態について説明します。

多重債務者や自己破産者などを狙う

闇金業者とは、貸金業登録をせずに違法な貸付を行う業者のことをいいます。
闇金業者のターゲットとなるのは、基本的に多重債務者や自己破産者といった正規の貸金業者からお金を借りることができない方たちです。
最近の闇金業者の特徴としては、利用者との連絡をインターネットを介して行うことが多く、実態が掴みにくくなっているといわれています。

上限金利を超える高金利

闇金業者の最大の特徴は、その法外な金利にあります。
闇金の金利は、トイチ(10日で1割)とも、トゴ(10日で5割)ともいわれます。これは、貸金業法で定められた上限金利の数百倍から数千倍にもなります
普通に考えて、正規の貸金業者から融資を受けられる人間がわざわざ闇金業者を利用することはないでしょう。だからこそ、闇金業者はは多重債務や金融ブラックなどの正規の貸金業者を利用できない人間へ貸付けるのです。

闇金の利用者のほとんどは、正規の貸金業者から融資を断られ、仕方なく、金利が高く違法であることを知りながら闇金を利用しています。ハイリスクな利用者に恐ろしい高金利で貸し付けるのが、闇金業者です。

強引に取り立てる

正規の貸金業の場合、返済の遅れなどで督促を行う場合も、貸金業法で定められたルールを守って行わなければいけません。しかし、貸金業者登録を受けていない闇金業者には、そのようなルールはありません。
24時間、昼夜を問わず連絡を入れることも、職場に連絡する、親や親族にまで取り立てるなど、まさに無法地帯といった具合です。

闇金業者は、単に貸金業登録を受けていない・金利が高いというだけでなく、平気で違法な行為をする危険な存在ですので、関わることは絶対に止めましょう。

闇金が行う年金担保融資の手口

近年、闇金に対する締め付けが厳しくなり、今までのように多重債務者や自己破産者を対象にした貸付だけではなかなか儲からなくなってきたといわれています。そこで闇金が、次に目を付けたのが年金受給者です。
以下では、年金受給者を狙った闇金による年金担保融資や年金担保詐欺といわれるものについて詳しく解説します。

年金受給者を狙った闇金の手口

年金受給者の収入は、年金のみか他に得ていたとしてもわずかという方がほとんどです。
収入が少ないため、急遽資金が必要になっても、貸金業者から融資を受けることができないと思い込む方も多いでしょう。
そんな方を狙って、闇金業者が融資を申し出ます。「年金を担保に融資ができます」と。

実は、年金を担保として貸し付ける行為は法律で禁止されています。基本的に、年金を担保にした貸付は、出資法違反や貸金業法違反に当たる犯罪行為です。従って、年金を担保としてお金を貸そうとする業者は全て闇金業者であるといえるでしょう。

しかし、収入が少なく、正規の貸付業者からは融資を受けることができない年金受給者は、違法と知りつつ借りてしまうことがあるかもしれません。
さらに、悪質な手口としては、闇金業者が年金事務所や年金機構を装って勧誘をすることがあります。年金事務所や年金機構は、融資の勧誘をすることはありません。これは詐欺ですので、注意するようにしましょう。

年金受給者から印鑑や通帳をだまし取る

年金受給者の中には、認知症を患い正常な判断ができなくなっている方もいらっしゃるかもしれません。病気でなくても、返済ができずに追い詰められ、闇金のいいなりになってしまうケースもあります。
このような状態の場合は、印鑑や通帳を取り上げられることがあるため要注意です。

もし、年金の受取口座の通帳やカードをを取り上げられてしまった場合、年金全額を闇金に取られてしまうことになり、年金受給者はすぐに生活に困窮することになるでしょう。
また、最悪の場合は、銀行口座を犯罪利用される可能性もありますので、絶対に通帳やカードを渡すことは避けましょう。

年金受給者から法外な利息を取る

闇金の金利は、年金受給者相手でも関係なく法外に高利です。
年金受給者の場合、支給日には必ず一定の金額が入りますので、とりっぱぐれる心配がありません。
もし不動産や預貯金などを持っていた場合は、そちらを狙われる可能性もあります。気が付いたら、わずかな貸金のために、年金受給者の資産は全て食い尽くされてしまっていたという事態もあり得ます。

特に注意が必要なのは、以前闇金業者と関りがあったような方でしょう。過去の情報が残っていますので、狙われる可能性が高くなります。過去、闇金業者を利用したことがある場合は、十分注意しましょう。

闇金による年金担保融資の被害者の事例

前章では闇金による年金担保融資の手口を紹介しましたが、実際にそのようなことがあるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
以下では、実際に闇金による年金担保融資の被害者の事例を紹介します。

高齢の父親が通帳とカードを取り上げられた

75歳になる父親が闇金と関わってしまい、通帳やカードを取り上げられた事例です。

父親とは別居していたのですが、全く親がお金を持っていないことに気付き話を聞いてみると、貸金業者と年金担保融資契約を結んでいたことが分かりました。しかも、通帳やカードまで取り上げられていたそうです。
前述した通り、年金を担保にした融資は違法です。融資を受けている貸金業者というのが、闇金業者であることが判明しました。
被害者は、法外な高金利で首が回らなくなっていた上、通帳とカードを取り上げられてしまったため年金も入らず、どうしていいかわからなくなっていたそうです。

年金を担保に融資をする場合、闇金業者は年金が入金される口座の通帳やカードを預かることを条件とするケースがあります。こうした場合、年金事務所に連絡すれば振込先の口座を変更することが可能です
その後は、自治体などの無料法律相談などを利用して法律の専門家に相談することをおすすめします。

生活保護者や年金受給者に3億円の融資

2016年11月に生活保護費や年金を担保として融資していた貸金業者の代表が逮捕されました。
2か月間で3人に61万円を貸したというのが直接の逮捕理由ですが、実際には230人に約3億円を貸し付けていたそうです。一部の生活保護者には、住居や食事の斡旋も行い、当然ながらその生活費にも利息を付けて回収していました。

このケースでは、200人以上と大人数の被害者が存在したため、逮捕に繋がったといえます。しかし、少人数を囲ってこのような貸し付けを行っている業者は非常に多く、表面化していない事例を含めると年金担保融資で苦しんでいる被害者は大勢存在することが推測できます。

闇金に関するトラブルの解決方法

もし、あなたやあなたの両親・祖父母が闇金による年金担保融資や詐欺の被害に遭った場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。以下では、闇金トラブルの解決方法について解説します。

国民生活センターに相談

国民生活センター(消費者センター)では、悪質商法や詐欺、闇金被害などの相談を受け付けています。全国どこからでも3桁の電話番号「188(いやや)」で、専門の相談員に繋がります。
状況に応じて、解決のためのアドバイスを受けることや、法律の専門家の紹介なども行っていますので、どこに相談したらいいかわからない人は国民生活センターに相談してみてはいかがでしょうか。

警察に通報

闇金から法外な利息で貸し付けを受けていることを相談したとしても、すぐに警察が動いて闇金業者を逮捕してくれる、といったことは残念ながら期待できません。借金問題や詐欺事件は一般的に民事として扱われますが、基本的に警察は民事不介入です。

ただし、取立ての時に暴力を振るわれたり脅迫を受けたりした場合は、刑事事件扱いとなるためすぐに働きかけてくれる可能性があります。
警察に相談する場合は、なるべく具体的な証拠(暴力行為による負傷の診断書、脅迫の文書、音声の録音など)を持っていくとより真剣に対応してもらえるでしょう。

闇金対応を専門とする法律の専門家に相談

闇金トラブルを解決したい場合、最もおすすめな相談先は法律の専門家です
闇金業者は自分たちの行為が法律違反であることを承知しているため、法律の専門家を苦手としています。法律を武器にされては、闇金業者に勝ち目はありません。無駄を嫌う闇金業者は、法律家の介入を知った時点で手を引くことも珍しくないといわれています。

ただし、闇金問題を相談する場合は、法律の専門家なら誰でもいいというわけではありません。闇金対応は交渉力と豊富な知識が必要な、法律家の中でも専門性が高い分野といわれれています。そのため、闇金トラブルの相談は、闇金業者との対応実績が豊富なプロを選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、闇金業者実態と、年金受給者を狙った年金担保融資の手口、闇金による年金担保融資の被害者の事例、年金を担保とする闇金への対処方法などについて説明しました。

闇金業者は単に違法業者というだけでなく、大変危険な存在ですので、なるべく関わらないようにすることが大切です。もし、家族が闇金業者から年金担保融資を受けてしまった場合は、法律の専門家へ相談することをおすすめします。

我々ジェネシスは、借金関係に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、依頼人のトラブル解決に尽力します。年金担保融資に関するトラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。