1. 司法書士法人ジェネシス
  2. コラム
  3. 取り立て対策
  4. 闇金の取立てが親・兄弟・親戚に及んだ際の対策と相談先

闇金の取立てが親・兄弟・親戚に及んだ際の対策と相談先

取り立て対策

闇金の被害に遭った際の被害例として、取立てが債務者本人だけでなく親兄弟や親戚に及ぶケースがあります。

ここで、「どのように取立てが行われるの?」「取立てに応じる法的義務はあるの?」と思った人もいるでしょう。

闇金の取立て方法は非常に高圧的であり、あの手この手で多岐にわたります。

ですが本人だけでなく親兄弟や親戚も、闇金の一方的な指示通りに対応する必要はありません。

今回は闇金の取立てが親兄弟や親戚に及んだ場合について、取立ての具体的な内容や相談先と対策などついて解説し、平穏な生活を取り戻す方法を紹介します。

闇金の取立ては、親兄弟や親戚にも行くの?

次の場合に、闇金が債務者の親兄弟や親戚にも取立てを行うことがあります。

書類に電話番号を書いた時

闇金側から「ブラックリストに該当しているけれど、お金を貸すから」などといわれ、書類に親兄弟や親戚の電話番号を書かされるケースがあります。

借りる本人は「ちょっと借りるだけで、次の給料で全額返済できる見込みだし」といった気持ちで、気軽に名前を書いてしまいがちです。

このようにして債務者の親兄弟や親戚の個人情報が闇金側に渡り、実際に返済が滞って本人と連絡が取れない時に、闇金から親兄弟や親戚にも連絡がいきます。

利息を待つなどの口実をつける

闇金が、債務者本人以外の電話番号を入手する方法としては、次のような口実もあります。

債務者が利息を期限通りに納められない時に、期日を数日延ばすのと引換えに親兄弟や親戚の個人情報を聞き出す方法です。

この際には闇金側が、親や兄弟の連絡先のみならず勤務先情報まで聞き出すケースもあります。

闇金の取立て方法

闇金が、債務者の親兄弟や親戚に対してどのような取立てを行うのかを紹介します。

返済の督促

闇金は親兄弟や親戚に対しても、債務者本人に対するのと同様、高圧的なもののいい方で返済の督促をしてきます。

例えば親戚が「借金のことなど知らない、ここ1年は電話もしてなければ10年以上会ってさえいない」と伝えるとします。

それでも、「血縁関係にあるあんたが代わりに返すのが、人間としての道理ってもんだろうが」などと口汚い言い方で難くせをつけてくるのです。

別の親戚の個人情報を聞き出そうとする

親兄弟や親戚が返済に応じない場合、別の親戚などの個人情報を聞き出そうとしてきます。

「もうあんたには電話をかけないから、他の親戚の電話番号なり勤務先の電話番号なり教えろ」といった感じです。

債務者の親兄弟や親戚に返済義務はあるの?

闇金からの借金に関しては、債務者の親兄弟や親戚には、返済やその他の対応義務はありません。

本来、闇金が設定している法外な高金利による返済内容では、貸金業法により金銭貸借契約そのものが無効となるからです。

貸金業法において、法定年利(年109.5%)を上回る比率で利息の契約を結んだ場合には、その契約は無効と定められています。

無効の金銭貸借契約には、親兄弟や親戚はもちろん本人すら返済義務はありません。

どのような被害が想定されるか

闇金からの、債務者の親兄弟や親戚に対する取立てにより、想定される被害例を紹介します。

勤務先への迷惑電話

闇金が債務者の親兄弟に関する勤務先情報を入手した場合、勤務先に督促電話がかかってくることもあります。

闇金はで債務者に関連する人物の個人情報を仲間内で共有するため、督促のほかにも融資に関する一方的なFAXや問い合わせメールなどが送られてくるケースもあります。

闇金から勤務先への一方的な連絡により、債務者の親兄弟や親戚の昇進が阻まれたり退職に追い込まれたりする可能性も否定できません。

SNSでの被害

Facebookなどをはじめとした様々なSNSで、債務者本人のみならず、親兄弟や親戚に関する事実無根の噂や悪口を拡散される可能性があります。

例えば借金の事実だけでなく、~社の~さんは不倫をしているなどといった完全なデマなどです。

さらに、SNSを通じて闇金が債務者の友人や知人と一方的に接触し、何らかの不当な行動を起こす可能性まであります。

子供や子供の学校への迷惑行為

闇金側が、債務者の親兄弟や親戚の子供に関する学校情報を入手した場合、対象の子供と学校についての根拠がない悪口などをネット上で拡散される可能性があります。

こうなると子供が学校でいじめられる懸念まで生じてきます。

心中事件が起きた事例

闇金が債務者の親族にまで影響を与えた事例として、2003年大阪で、闇金からの執拗な取立てにより精神的に追い込まれ、夫婦とその兄弟が電車へ飛び込み心中した事件があります。

参考:https://xn--pckta5b9ce8it918cde7alinykj.com/toritate-kazoku-kaisya.php

電車へ飛び込んだのは、60代の夫婦と主婦の兄にあたら80代の男性でした。

妻は債務整理の経験があり経済的にゆとりがないにもかかわらず、親族の入院費のために闇金から費用を調達しました。

1万数千円程度を借りただけにもかかわらず、最終的には150,000円以上を支払ったのです。

これだけの金額を返済したにもかかわらず取立ての電話が毎晩あり、精神的なダメージが重なるなかで心中という結論に至りました。

該当の闇金業者は店長以外が逮捕され、懲役刑や罰金刑を課せられました。この事件は闇金融対策法が成立するきっかけとなった事件です。

しない方がよいこと

闇金に対して、しない方がよい行動について紹介します。

無視する(着信拒否をする)

あまりの恐怖から、闇金からの電話を無視したり着信拒否したりしようと考える人がいます。

電話を無視すると逆に、1日にかかってくる督促電話がどんどん増えてしまいます。

闇金業者は携帯電話を複数所有しているため、1つの電話番号を着信拒否しても、他の電話番号からかかってくるため効果がありません。

また、かえって闇金から恫喝を受けたり、さらなる取立て行為に発展したりする可能性まであります。

自力で解決しようとする

債務者本人は恐怖心のため落ち着いて物事を考えられない精神状態でも、親や兄弟は冷静に物事を考えられる状態とします。

しかし、親兄弟が冷静であっても、闇金に対して返済義務はないと訴えたり自力で交渉したりするのはおすすめできません。

素人が常識や貸金業法などの理論を伴って交渉しようとしても、闇金業者は聞く耳はもちません。

嘘の電話番号を教える

闇金業者から期日を延ばすなどの口実のもと、別の親族の個人情報を聞かれた際には、嘘の電話番号などを教えるのも避けた方がよいでしょう。

一見、家族などに迷惑をかけるのを回避できるように思えますが、闇金側を激高させてしまう可能性があるからです。

相談先と対策

専門の士業家へ相談

闇金からの高圧的な取立て行為で悩んだら、とにかく早く司法書士や弁護士などの士業家へ相談です。うまくいけば、電話攻撃だけでもその日のうちに止むことがあります。

費用についても、司法書士なら相談は無料のところが多く、対処料そのものも1件につき30,000円~50,000円程度といった相場です。

費用は、後払いでも大丈夫というところもあります。取立て行為を止めるだけでなく、闇金業者に対して法的に罰を与えたい場合には弁護士へ相談しましょう。

また、被害回復分配金という制度を使って、闇金に搾取されたお金を取り戻す方法があります。

この方法は弁護士に相談することになりますが、現実的には難しいです。

被害回復分配金は、凍結された闇金の口座の残金から、被害者へお金を戻す方法です。闇金は口座にお金を残さない傾向があるので、残金の可能性にはあまり期待できません。

士業家へ相談する際には、次のような事柄を事前に整理しておきましょう。

  • いつ何を通して、対象の闇金業者を知ったのか
  • いつどのようにして、闇金とコンタクトを取ったのか
  • 闇金の電話番号や、やり取りをした人物の名前と内容
  • 実際に闇金とやり取りをした金銭の動きがわかるもの(通帳や振込証など)
  • 闇金から親兄弟や親戚への連絡状況と具体的な被害内容

消費生活センター(国民生活センター)

最初から士業家のところへは行きにくかったり、どこの法律事務所に相談すればよいのかわからなかったりするケースもあるでしょう。

そうした場合には、まずは消費生活センターへ相談するのもよいでしょう。

警察へ相談

めったにないケースですが、闇金が自宅へ押しかけてきて帰ってくれないという場合には、その場で警察へ連絡するのが重要です。

これは不退去罪といって、警察が対応できる刑事事件になる可能性があります。体に何か危害を与えられた場合も、同様に警察へ連絡しましょう。

警察に連絡する場合は、インターホンなどのカメラに闇金が映っていれば残しておいた方がよいです。該当の人物が他の事件に関与していれば、警察が動きやすくなる可能性もあります。

勤務先の対応

親や兄弟の勤務先へは、ある程度の恥は覚悟で事情を話しておきます。闇金から会社へ連絡があっても、対象の従業員は退職したと伝えてもらいましょう。

闇金が嘘を見抜いて再度連絡してくる可能性もありますが、勤務先への取立て電話は収まるかもしれません。

弁護士を通して勤務先に対応してもらえれば、債務者の親兄弟や会社にとって最適な方法を提示してもらえるケースもあります。

会社はお客様や取引先などを抱えているので、闇金との関わりといった不都合な噂は避けたいものです。

また、会社から「これ以上電話をかけてくるなら、営業妨害で弊社顧問弁護士や警察への相談も辞さない考えもあります」と、伝えてもらうのも効果的かもしれません。

個人情報の扱いについて

闇金からの取立ては収まっても、債務者やその親兄弟などの個人情報は闇金側に渡ったままです。

闇金は自分たちが得た個人情報を他の業者と共有する傾向があるため、他の闇金業者からも何らかの迷惑電話がかかってくる可能性があります。よって差し障りがなければ、携帯番号を変えておくのが効果的です。

まとめ

ここまで闇金の取立てが、債務者の親兄弟や親戚に及んだケースについて考察してきました。

押さえておきたい点は、闇金の取立て方法や法的な返済義務はない点です。想定される被害や、相談先と対策もポイントといえます。

闇金による被害は勇気をもって士業家へ相談することで、早ければその日のうちに執拗な電話連絡も止まる場合があります。

闇金の高圧的な行動に屈せずに、平穏な日常生活を取り戻してください。