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闇金対策に住所変更は有効?バレる可能性とリスクを検証

取り立て対策

闇金業者からの取り立てや嫌がらせに耐えかねて、引っ越しを考えている方もいらっしゃるかもしれません。闇金業者への対策として住所変更は有効なのでしょうか。また新しい住所が闇金業者側にバレる可能性はあるのでしょうか。

本記事では、闇金対策に住所変更は有効であるかどうか、闇金業者に住所変更をしたことがバレる可能性について検証すると同時に、闇金対策に住所変更を行った時のリスクについて説明します。闇金トラブルの根本的な解決方法についても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

闇金対策に住所変更は有効なのか

闇金業者とのトラブルを抱えている方の中には、自宅を知られていることを何より恐ろしいと感じ、引っ越すことで住所を変えようと考える方もいらっしゃるようです。住所変更を行うことで、闇金業者への対策としてどのような効果が見込めるのでしょうか。

督促状やDMなどの郵便物は届かなくなる

自宅に督促状や勧誘のチラシなどが頻繁に届いていた場合は、住所が変わることで届くことはなくなるでしょう。ただし、転居について郵便局に届けを出した場合、新しい住所に郵便物が転送されてきます。郵便局への転居届は義務ではありませんので、届出を出さないことも可能ですが、他の郵便物についても一律で届かなくなるため不便があるかもしれません。

デリバリー等の嫌がらせから逃れられる

デリバリーのピザや寿司が届く・救急車やタクシーが配車されるといった、自宅に対する嫌がらせ対策には、住所変更は有効だと思われます。

自宅を訪問されるリスクはなくなる

闇金業者に対する法整備が整い罰則が強化された昨今、闇金へ返済が滞ったからといって、ヤクザのような風体の男が家に訪ねてきて暴力を振るうといったケースはほぼありません。しかし、電話口で「家まで行ってやる!」と、脅してくることはありますし、そのように脅迫されれば実際は来ないだろうと思っても、脅威に感じるのは当然です。闇金業者に知られた住所から引っ越してしまえば、自宅を訪問されるリスクはなくなります

上手くいけば縁を切れる可能性

よほど高額を借りていて元本すら返済していないというケースでなければ、引っ越して連絡が取れなくなることで、闇金側が取り立てを諦める可能性もあります

逃げた利用者を追うのは闇金にとって手間です。人件費もかかりますし、コストが折り合わないと感じれば、深追いされることはないかもしれません。

闇金に住所変更がバレることはあるか

住所変更をした場合、気になるのは闇金業者に住所変更をしたことがバレるかどうかということでしょう。以下では、闇金業者に住所変更をしたことがバレる可能性があるとすれば、どこからかについて説明します。

住民票から追跡される可能性

引っ越しをした場合、新しい住所へ住民票を移すことになります。住民票は通常、本人か同じ住民票に記載されている方以外は取得することはできません。しかし、利害関係のある第三者、つまり債権者が根拠となる契約書類を提示することで取得することが可能です。闇金業者との契約は法律上、正規の契約とは言い難いため、債務者の住民票を取ることはできないと考えられますが、契約書類を偽造する等の手法によって、住民票を取得できる可能性はゼロではありません。

こうした事態を恐れ、闇金から逃れ夜逃げをする方の中には住民票の移動をしないという方も存在します。しかし、転居した際に住民票を移すことは、住民基本台帳法で定められた義務であり、違反した場合、罰金が科せられることがあります。また、居住区に住民票がない状態は、生活していく上で様々な不便が生じますので現実的ではありません。

親類や友人などからバレる可能性

闇金業者から借入れる際には、緊急連作先として家族や親戚、友人などの連絡先を記入するよう強要されます。本人と連絡が付かなくなった場合、そちらに連絡が行くことになりますので、闇金に脅された家族や親戚、友人などから居場所がバラされてしまうという可能性があります。

SNSの投稿から割り出される可能性

FacebookやTwitter等を利用していて、そのアカウントが闇金業者に知られている場合、何気なく投稿した写真や内容から所在地を割り出されるかもしれません。特に写真には様々な情報が映り込んでいることがありますので、注意が必要です。

他の闇金を利用するとバレる可能性

もし新しい住所で他の闇金業者を利用した場合、闇金業者同士の横のつながりから見つかる可能性があります。また、闇金業者の場合、短いスパンで会社名や連絡先を変えるため、違う業者だと思っても経営元が同じグループだったということもあり得ます。

こうして見つかった場合、新しい住所へも前の借金の督促が来るようになります。通常の借金には時効がありますが、闇金業者には時効など関係ありませんので、何年経っていても請求されるリスクがあります。もちろん請求の際には、未返済期間に発生した延滞金と利息が加算されていますので、とんでもない金額を請求されることになるでしょう。

住所変更した際のリスク

住所変更はある程度闇金対策に効果があると考えられるが、一方でバレる可能性もあるということを上述しました。では、バレる以外に住所変更を行うことに関してリスクはあるのでしょうか。以下では、住所変更を行った際に考えられるリスクについて説明します。

勤務先や実家に連絡が来るようになる

住所を変更したことを闇金業者が知り、さらに家電や携帯電話の番号まで変更していた場合、まず間違いなく勤務先や実家に連絡が行くようになるでしょう。逃げようとしていると思われた場合、逆上した闇金業者が勤務先や実家へ激しい取り立てや嫌がらせをしてくる危険性もあります。

子どもの学校や配偶者の勤務先に連絡が来る

子どもや配偶者などの家族が狙われるケースもあります。転居しても、子どもの学校や配偶者の勤務先を知られていれば、「〇〇さんのお父さん(旦那さん)がお金を返してくれないんですよ」といった電話をする等の嫌がらせをしてくるかもしれません。

住所変更だけでは根本解決にはならない

住所の変更は闇金対策として一定の効果はありますが、闇金の取り立てから完全に逃れられるかといえば、それだけでは難しいというのが実情でしょう。携帯電話の変更や転職、家族も転校・転職を一緒に行う、親戚や実家、友人に口止めをする等、新しい住所を知られないためにできる対策はあります。しかし、見つかる恐れを抱えながら身を潜めて生活をするより、問題の根本である闇金業者とのトラブルの解消を目指した方が良いと思います。

では、闇金業者とのトラブルを根本的に解決するにはどのように行動すれば良いのでしょうか。次の章では、闇金業者とのトラブルを根本的に解消する方法について説明します。

闇金業者とのトラブルを解消する方法

闇金業者とのトラブルを根本から解消したい場合、取れる手段は2通りあります。

警察に相談する

闇金問題は警察に相談することが可能です。警察に闇金被害を訴えても、「借りた方も悪いといわれる」「民事不介入といって取りあってもらえない」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、2003年にヤミ金融対策法の成立後、大幅な罰則の強化が行われ、警察の対応にも変化が現れました。

現在では、相談に行って門前払いされることはまずありません。ただし、警察の場合、被害届を出すことはできたとしても、問題の解決に繋がらない可能性はあります。よほど悪質な場合や多数の被害者が存在するようなケースを除き、闇金被害は刑事事件性が低いため、実際に捜査を行い摘発するという流れになることは少ないからです。警察が闇金業者に電話をかけ、「違法だから取り立ては止めるように」といってくれたとしても、具体的な刑事罰の恐れがないと判断されれば、取り立てや嫌がらせは止まない可能性があります。

法律の専門家に相談する

闇金業者とのトラブルを確実に解決したい場合、法律の専門家に相談することをおすすめします

闇金対応を法律の専門家に依頼した場合、介入を知らせる受任通知書を業者側に送付します。受任通知を受け取った業者は、債務者に直接連絡を取ることはできません。もし取り立てや嫌がらせを続行する場合、法律家は闇金側の携帯電話の停止や利用口座の停止などの処置を取ります。そうしたことを知っている闇金業者は、法律の専門家の介入を知った時点で手を引くことも珍しくありません。

闇金トラブルを法律家に相談した場合、費用がかかるため躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。闇金へ必死で返済し続けていた方の中には、手持ち資金がほとんどないという方も少なくないでしょう。闇金対応を専門的に請け負っている事務所の中には、そうした事情を鑑み、費用について後払いや分割払いが可能な所もあります。確かにコストはかかりますが、闇金業者に追われる不安を抱えているより、まずトラブルを解消することを優先してはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、闇金対策に住所変更は有効か、闇金業者に住所変更をしたことがバレる可能性、住所変更を行った際のリスク、闇金トラブルの根本的な解消方法等について説明しました。

ヤミ金融対策法が施行されて以後、闇金業者が直接自宅まで押し掛けてくるという事例はほとんどありません。しかし、闇金業者に自宅を知られているというのは、精神的なプレッシャーとなりえるでしょう。だからといって、引っ越すだけでは、闇金業者とのトラブルの根本的な解決にはなりません。闇金業者とのトラブルを解決するためには、法律の専門家に相談することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官が力を合わせて闇金トラブルに対応する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応していますので、闇金業者とのトラブルを解決したいという方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。