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闇金に返済できないとタコ部屋で強制労働させられる事はある?

取り立て対策

闇金の借金を返済できない時、「タコ部屋に送られて強制労働させられる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いくら闇金とはいえ、債務者に対し強制労働を強いることなど本当にあり得るのでしょうか。また、よく聞く「タコ部屋」とはそもそもどのようなものなのでしょうか。

本記事では、タコ部屋について詳しく説明すると同時に、闇金に強制労働を強いられることがあるのかについて説明します。もし、闇金業者にタコ部屋に送られそうになった時の対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

タコ部屋はどのようなものか

「闇金が返済できない債務者を送り込む」「酷い労働環境らしい」といった話は聞いたことがあるけれど、タコ部屋が実際にどのようなものか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。以下では、そもそもタコ部屋とはどのようなものであるか、現在もタコ部屋は存在するのかどうかについて説明します。

北海道開拓時代の囚人労働が起源

タコ部屋の起源は、明治時代に北海道開拓のために行われていた囚人労働だといわれています。主に道内の集治監(当時の囚人の収容施設)に収容された囚人が、道路や鉄道建設等の公共工事に強制的に従事させられたそうです。

劣悪な環境下での肉体労働

北海道の厳しい大自然の元、工事は冬も夏も関係なく日出から日没まで休みなく行われました。冷暖房などない粗末な小屋に住まわされ、粗末な食事に長時間の重労働という過酷な状況だったため、死者が続出したといわれています。囚人労働は囚人虐待であると問題視され、1894年に廃止されました。

しかし、その後もタコ部屋がなくなったわけではなく、炭鉱や鉄道工事などの現場で募集により集められた土木夫によるタコ部屋労働が行われるようになりました。募集で集めたといっても、ほとんどの人夫は労働の詳細は知らされず、斡旋業者に多額の前借金や募集費を背負わされる形になっていたため、期間中(3~6カ月)はタコ部屋に拘束されることになりました。囚人労働の頃のタコ部屋と、労働環境の過酷さや住環境の悪さ、食事の粗末さは変わらなかったため、こちらも死亡者が多数出たといわれています。

現在でも形を変え存在する

終戦後、タコ部屋労働は労働基準法第5条により禁じられました。しかし、その後もひっそりとタコ部屋労働は行われ、高度経済成長~バブル期にかけては、借金を返せなくなった人間がタコ部屋で無理やり働かされた事例は実際にあったようです。

2000年代以降は、法整備も進んだことから昔のような監禁状態での強制労働はほぼあり得ません。ただ、現在でも大阪の西成などのドヤ街周辺には、寮付き・日給9000円といった条件で人を集めた上で、寮費や食費といった名目で差し引き、実質一日2000円程度しか支払わずに長時間労働をさせるという、まるでタコ部屋のような現場も存在するといわれています。

闇金に強制労働を強いられることはあるか

現在でもタコ部屋に似たシステムの労働環境は存在するようだ、と前章で説明しました。では、闇金業者に返済できなかった場合、そういった場所に強制的に送り込まれることはあるのでしょうか。以下では、闇金に強制労働させられることがあるのかどうかについて説明します。

あくまで斡旋という名目

最近の闇金業者は、無理やり連れ去って強制的に働かせるという形を取ることはありません。そのような行為が発覚すれば、即逮捕されるからです。最近の闇金業者は、極力、刑事事件に該当する=警察に捕まる可能性がある行為を避ける傾向があるのです。

そのため、返済できない債務者に対し強制ではなく、あくまで「仕事を斡旋する」という形で、債務者の了承を取った上で仕事に送り込みます。しかし、強制ではなく斡旋だといっても、他に返済手段がない債務者にとっては断る術などないため、実際は強制と変わらないでしょう。

派遣先は解体現場や原発作業員など

闇金業者の多くは、ヤクザなどの反社会的勢力と繋がりを持っており、ヤクザ組織は建設会社などにコネクションを持っていることがあります。闇金が斡旋する先は、そうした会社が運営する宿泊施設付きの作業現場になります。

具体的にどのような場所かというと、大きな工事現場や解体現場、少し前までは福島の原発というケースもあったようです。こうした現場では、かつてのタコ部屋のように大部屋に作業員を詰め込むようなことはなく、狭くとも冷暖房付きの個室と食堂や浴場などの設備もあり、理不尽に上役から暴力を振るわれるようなこともありません。しかし、朝から晩まで過酷な肉体労働をさせられ、さぼれば叱り飛ばされ、賃金のほとんどを返済に充てられるためほぼ無給という状況は強制労働と変わらないかもしれません。また、派遣先は徒歩圏内に公共交通機関がないような不便な場所がほとんどですので、逃げたいと思っても逃げることは物理的に難しい上、逃げ出せたとしても、闇金に追われることになるだけですので、返済が終わるまでどんなにつらくとも派遣先から逃げ出すことはできません。

女性なら性風俗

男性の場合は、上述したような作業現場での肉体労働が多いようですが、女性の場合は性風俗店やAV業界への斡旋となります。昔は人身売買のように強制的に連れて来られる、といったケースもあったようですが、こちらも近年はあくまで本人が納得の上で、返済のために自主的に働くように仕向けるという形を取ります。稼げる女性などは、返済期間中にさらに借入を強要するなどして、足抜けできないように仕向けられることもあるようです。

マグロ漁船に乗せられることはあるか

闇金の強制労働というと、フィクションの中では「マグロ漁船に乗せられる」といわれることがありますが、実際の所、漁業には技術が必要ですし、近年では人員が必要な時は人件費の安い外国人を使うことがほとんどですので、まずあり得ないということです。ただ、昭和50年代頃くらいまでは、マグロの漁獲量も一度の漁で入ってくる金額も今とは桁違いに多く、常に新人漁師を募集していたそうですので、昔はあったのかもしれません。

詐欺の受け子等の犯罪行為の強要も

最近よく聞かれるのが、闇金に返済できなくなった人に、特殊詐欺の受け子やかけ子等の裏バイトへ斡旋することや、口座や携帯の名義貸しを持ち掛ける事例です。中には、国籍の取得を目当てとした外国人相手の偽装結婚を持ち掛けられたというケースもあるそうですが、こうした行為は犯罪です。逮捕されるリスクが高く、罰金や懲役刑が科される可能性もあります。一生を棒に振ることになりかねませんので、闇金業者にこのような行為を持ち掛けられても絶対に乗らないようにしましょう。

闇金の強制労働に従う必要がない理由と対処法

もし闇金へ返済できなくなり、タコ部屋で強制労働するように言われた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。以下では、闇金の強制労働に従う必要がない理由と対処方法について説明します。

闇金への借金に返済義務はない

強制労働の根拠となる闇金の借金は不法原因給付(民法第708条)に当たるため、法的には元本すら返済義務がないとされています。返済義務のない借金のために強制的に働かされるのは、ナンセンスでしょう。

強制労働は違法

さらに、上述した通り、労働者の意思に反する強制労働は違法です(労働基準法第5条)。本人が納得していればともかく、闇金に脅されて働かされるようなケースは労働基準法違反に該当するでしょう。

緊急時は警察へ通報する

強制的にタコ部屋に連れて行かれそうになった時は、警察に通報するようにしましょう。警察に相談し、自宅に闇金業者が来るような場合は、周辺のパトロールを強化してもらうことをおすすめします。
また、実際にタコ部屋に連れて行かれてしまった際は、まずは逃げ出して近くの交番や警察署に保護を求めると良いでしょう。監禁状態で逃げ出せない時は、電話が掛けられる状況であれば110番通報しても良いと思います。

法律の専門家に相談する

闇金へ返済ができない場合、闇金が斡旋する職場で働くことを選ばずに、法律の専門家に相談することをおすすめします
闇金への借金は、上述した通り、法的には返済義務はありません。だからといって、ただ「返さない」では、闇金業者が黙っていませんが、法律家に闇金対応を依頼することで根本的に解決することが可能です。

闇金業者は自らが違法な存在であることを承知しており、法律の専門家が介入してくると勝ち目がないことを知っています。「弁護士や司法書士に相談しても無駄だからな!」という闇金業者もいるようですが、それは逆にいえば弁護士や司法書士に相談されたくない、ということなのです。闇金業者の多くは無駄を嫌うため、法律の専門家の介入を知った時点で手を引きます。

法律の専門家に依頼するには、少なからず費用が必要となるのがデメリットですが、闇金業者と手を切れるというメリットを考えれば、決して損ではないと思います。

まとめ

今回は、タコ部屋はどのようなものか、闇金に強制労働を強いられることはあるか、闇金の強制労働に従う必要がない理由と対処法などについて説明しました。

ドラマや小説でよくいうような、「タコ部屋に送られて強制的に働かされる」「マグロ漁船に乗せられる」といったことは、現代の日本では基本的にはあり得ません。しかし、とんでもないピンハネをする重労働の現場仕事を斡旋されることや、違法なバイトを紹介されるという事例は実際に報告されています

前述した通り、闇金への返済義務はありませんので、闇金へ返済できなくなった場合は、早期に法律の専門家に相談してトラブルを解決することをおすすめします。

我々ジェネシスは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、あなたの闇金トラブルを解決に導く司法書士事務所です。相談料無料・着手金については後払い・分割払いにも対応しております。秘密厳守でスピーディーに対応いたしますので、闇金への借金が返済できずに困っているという方は、一人で悩まずにぜひジェネシスにご相談ください。