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自動車金融(車担保ローン)は詐欺?仕組み・手口・対処法を解説

闇金の手口

自動車金融(車担保ローン)による被害が、社会問題として話題となっています。

自動車金融の手口とはまず、利用者の車検証(自動車検査証)の名義を自動車金融業者に変更し、法的には自動車金融業者が車の持ち主となります。

利用者は名義変更と引き換えにお金を手に入れますが、自動車金融業者にリース料の名目でお金の返済をする必要が生じます(自動車には乗り続けることが可能です)。

今回は自動車金融(車担保ローン)と詐欺について、自動車金融の手口やターゲットになりやすいタイプなどにも触れながら解説します。

自動車金融は詐欺に該当するのか

詐欺とは、他人を欺いて金品を奪う、または相手に損害を与える行為のことです。

高金利なリース料と高額な手数料

自動車金融は、一般的な闇金融と同じだと明確に断定はできにくいです。

つまり一般的な闇金融のように、弁護士などの専門家に相談すれば督促の電話を止められるかどうかは不透明です。

しかし、自動車金融業者は名義変更にかかる段取りに対して名目をつけ、一般的な目安から鑑みると法外な手数料を搾取します。

さらに、利用者が自動車金融業者に支払うリース料(闇金でいう月々の返済額に当たる)として、高金利な金額を要求されます。

車を担保にしての金銭貸借そのものは違法ではありませんが、このような法外な金額の手数料やリース料が詐欺行為にあたると考えられます。

自動車金融の仕組みと手口

広告方法

自動車金融は広告方法として、街中の電柱などに「車担保ローン」の旨を記した看板を設置しています。中には、自社ホームページをもっているところもあります。

仕組みと手口例

電話による仮審査

融資希望者が看板などをみて、自動車金融業者に問い合わせをします。そして、次の事柄などについてやり取りをします。

  • 名前
  • 住所
  • 電話番号(携帯番号)
  • 職業
  • 勤務先(連絡先含む)
  • 他社での借入れ現状

融資希望者がもっている車についても、次の事柄などについてやり取りをします。

  • 車種
  • 型式
  • 年式
  • 走行距離
  • 事故歴
融資希望者が実際に来店して審査

融資希望者が対象の車で来店して、本格的な審査となります。

  • 車そのものの査定
  • 信用性のチェック(信用情報機関アクセスによる)
  • 勤務状況の確認(勤務先へ電話確認)
  • 必要書類の段取り

車検証における名義変更の手続きは、自動車金融業者の関係会社が行います。

この際に融資希望者の車検証が必要ですが、名義変更の手続き後に車検証の原本を返却しない会社があります。

法律によって車検証は車に乗せておく必要があるので、この部分もおかしいです。

融資可決と実行

上記の段取りを経て、実際に融資が行われます。

支払開始

債務者は融資を受けた後に、「車リース料」と名目がつけられた法外な高金利の返済を、自動車金融業者に対して行う必要があります。

完済後の車

完済後は、車検証の名義が債務者に戻ります。法的に自分の車が戻ってくる状態です。

一般的な闇金の場合、債務者への名義変更には理屈をつけて応じない傾向がありますが、自動車金融では名義変更に応じるケースが多いです。

余計なもめごとを起こして弁護士や警察などが関わる手間暇は起こしたくないということでしょう。

どのような被害が想定できるのか

自動車金融により想定される被害について解説します。

経済的被害

上記でも述べていますが、車担保ローンを実行するための手数料と月々のリース料として、法外な高金額の料金を取られます。

車の名義は自動車金融業者に変更されたにも関わらず、車にかかる税金や保険料も払わせられます。

個人情報についての被害

自動車金融に限らず闇金による被害全般についてですが、電話番号をはじめとした個人情報が闇金業者に渡ってしまうのが大きな被害です。

闇金業者は入手した個人情報を仲間内やグループ内で共有し、次々といろいろな嫌がらせなどをしてきます。

例えば、こちらは何も通報をしていないのに、勝手にパトカーなどの緊急車両を自宅へ手配されるといったような嫌がらせなどが挙げられます。

自車を失う

仮に債務者による支払が遅れたり滞ったりしても、即時に車を没収する業者は少ない傾向にあります。

車を没収しても、車を保管するスペースの確保に費用がかかるなど、自動車金融業者にはかえってデメリットとなるためです。

そして債務者と連絡がとれていれば、自宅にまでおしかける業者は少ないです。

ですが支払が何か月もされず、債務者との連絡が取れないケースでは、自動車金融業者が車を没収・売却することはあり得ます。

ターゲットになりやすいタイプ

自動車金融のターゲットにはどのようなタイプがなりやすいかを解説します。

正当な方法でお金を借りられない人

銀行や良心的なローン会社からお金を借りられないけど、すぐ数十万円程度のお金が必要という人です。

具体的にはすぐに数十万円程度の費用がないと会社がつぶれるといった、中小企業の経営者やサラリーマンなど様々です。

借金癖のある人

「ちょっと借りるだけだし」「これで最後だから」といった感じで、借金癖のある人も対象となりやすいです。お金を借りるリスクや責任性を自覚できない傾向があります。

経済的に後先を考えずに行動する人

用途や後々の支払方法などを考えずに、欲しいものはすぐに買ってしまうタイプの人です。後先を考えずにどんどんカード払いをする人も当てはまります。

実在する車ローン会社を名乗る詐欺会社も

注意したいのは、実在する車ローン会社を名乗って、一方的に電話をして融資勧誘をする詐欺会社の存在です。

このような詐欺会社は、本物である車ローン会社のホームページへと誘導することで、自らを優良ローン会社だと誤認させて安心させる手口を用います。

融資の勧誘電話があった場合

融資の勧誘電話がかかってきても、断って無視するのが最善策です。ですが、自らが経済的に困窮していて、融資を希望したくなることもあるかもしれません。

問い合わせだけでもしてみようかと考えた場合は、次の事項をネット上の評判など複数の方法で確認して、詐欺会社かどうかを疑ってみた方がよいでしょう。

  • 営業所の住所や電話番号の確認
  • 契約書を作成し、写しを渡すのか否か
  • 返済方法(返済の都度、返済方法や送金先が変わる会社は怪しいです)
  • 法外な高金利(弊社は保証人不要の代わりに利息が若干高めという会社は怪しいです)

自動車金融による被害と裁判事例

実際に、自動車金融業者からお金を借りた債務者が返済できない状況となり、自動車金融業者が対象の車を没収した事例があります。

ここで車を没収された債務者が、自動車金融業者を窃盗罪で訴えたのです。結果は、原告側である車を没収された債務者の勝訴となりました。

法的な自動車占有権は自動車金融業者にあるものの、自動車金融業者の行動が窃盗罪に当たるのか否かが焦点となりました。

刑法第235条:他人の財物を盗んだ場合は、窃盗の罪が成り立つ。
刑法第242条:自分の財物とはいえ、他人が見守る場合は他人の財物とみなす。

この裁判においては刑法第242条が適用されると同時に、刑法第235条の対象であるとも解釈されました。

つまり被告人である自動車金融業者が車を没収した時点では、車の名義が自動車金融業者であっても、事実上は車を使っていた債務者の支配内にあったと解釈されたわけです。

判決の中では、支払などで揉めごとがあった時も、自動車金融業者はナンセンスな説明をするのみで契約書の写しを渡していないなどという落ち度があった点も指摘されています。

一見、返済できなかった債務者が悪いともとれる事例のため、画期的な判決となりました。

自動車金融に関するトラブルの相談先と対策

自動車金融でトラブルに遭ったら、まず下記の相談先を訪れて指示される対策を講じるのが大切です。

相談先

弁護士・司法書士などの専門家

自動車金融によって詐欺のような被害を受けたりトラブルに遭ったりしたときは、まず弁護士・司法書士などの法律家に相談しましょう。

闇金対応においては、相談だけなら無料のところも多いです。上記の裁判例のように、被害者の立場に立った対応をしてくれるでしょう。

警察

一般的に闇金による被害では、警察が「執拗な取り立て行為はやめるように」と即座に連絡するといった対応はできにくい傾向があります。民事不介入の原則があるためです。

ですが車を没収されたなど、窃盗罪が適用されて刑事事件となる可能性が出てきた場合は、具体的に対策方法の指示や対応をしてもらえる可能性があります。

いきなり弁護士などの士業へ相談に行くのは気が引けるケースでは、最初に警察へ行ってもよいでしょう。

消費生活センター(国民生活センター)

消費生活センターは、消費生活すべてに関わる相談機関となっています。士業も警察も何となく怖くて気が引けるという場合は消費生活センターもおすすめです。

相談先を訪れる時の留意点

専門家や警察、消費生活センターなどに相談する際の留意点を解説します。

話を整理しておく

経緯を整理してなるべく正確に伝えられるようにしておくと、話がスムーズに進みやすく相談者が正確なアドバイスや対応を指示しやすいです。

書類やメモなどを残しておく

書類やメモといった記録は、裁判の際に証拠として大きな力を発揮します。

できればやり取りを録音したものもあれば、より望ましいです。また、相手方のサインや印鑑がついた領収証などがあれば、法外な利息の証明になる可能性もあります。

まとめ

ここまで自動車金融と詐欺について考察してきましたが、押さえておきたい点は自動車金融の仕組みや手口と想定される被害です。

裁判事例や、自動車金融でトラブルになった時の相談先もポイントといえます。

自らが自動車金融の被害に遭わないのはもちろん、家族や友人なども同様の被害から守れるように本記事を参考にしてください。