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闇金と消費者金融の違いって何?信頼できる業者を見分けるには

闇金の手口

「消費者金融と闇金ってなにが違うのか分からない」
「悪質な取り立てを避けるために、信頼できる業者からお金を借りたい」

闇金や消費者金融は消費者にお金を貸し出す業者であり、違いが分からない人は多くいます。融資を利用できるのは同じですが、闇金は法律を守っていない点が大きな違いです。

合法な消費者金融とは異なり、違法な闇金に手を出すと詐欺や嫌がらせにあう可能性が大きいです。安心してお金を借りられる業者を利用するために、闇金と消費者金融の違いを知っておきましょう。

お金を借りられる業者の違い

生活や娯楽などのためにお金を必要とする消費者のために、少額から融資する貸金業者は数多く存在します。日本国内で消費者が利用できる貸金業者は次の4つです。

  1. 闇金:消費者に対して違法な金利でお金を融資する業者
  2. 消費者金融:法律を守ってお金を融資する業者
  3. サラ金:消費者金融の呼び方として使われる言葉
  4. 街金:一般的に規模の小さい消費者金融を指すのに使われる言葉

それぞれの貸金業者について詳しく解説します。

闇金は違法な金利で融資する業者

闇金は合法な金融機関からお金を借りられない人を標的にして、金銭を融資する違法な業者です。法外に高い金利を設定して、高額な利息収入を得るのが闇金の目的です。

例えば、インターネットで融資を勧誘する闇金の多くは、利息として10日で3割を要求します。その闇金から5万円を借りてしまうと、10日後には65,000円の返済を迫られます。

もし借りたお金を返済できなければ、電話によって厳しく取り立てられます。闇金を滞納してしまい実家や勤務先に闇金が連絡したケースや、1日に100件以上の着信がきたケースもあります。

悪徳業者からの被害を防ぐためには、次に紹介する合法な貸金業者を利用することがオススメです。

消費者金融は法律を守って融資する業者

財務局や都道府県から貸金業者として登録し、合法的に融資しているのが消費者金融です。大手の消費者金融は銀行と提携していることが多く、安心してお金を借りられるのがメリットです。

消費者金融が守っている貸金業法には、利用者を守るための仕組みがいくつもあります。例えば、総量規制は年収の1/3を超えるお金を貸すことができない制度で、借金で生活が困難になるのを防いでいます。

また、貸金業法は借入額に対して上限金利を15%から20%に制限しています。取り立てについても貸金業法によって制限があるから、闇金が行うような恫喝や脅しの被害を受けることはありません。

正規の消費者金融であるのか調べるには、登録貸金業者情報検索サービスを利用しましょう。登録番号と所在地、名称などを入力するだけで簡単にチェックできます。

サラ金は消費者金融の1種

従来は消費者金融という言葉がなく、個人にお金を貸し出す業者はサラリーマン金融(サラ金)と呼ばれていました。消費者金融をサラリーマンがよく利用していたため、サラ金という名称が定着したのです。

貸金業法が整備されていなかった昔には、サラ金が闇金のような営業をしていた実情があります。高い金利で融資したり悪質な取り立てをしたりして、一時期にはサラ金が原因で自殺した人もいました。

しかし、サラ金が社会問題に発展してから貸金業法が改正され、登録制の導入によりサラ金は健全化されました。ただ、過去の悪いイメージが未だに残っているため、闇金をサラ金と呼ぶ人がまれにいます。

街金は規模の小さい消費者金融

通常、中小規模の消費者金融を街金と呼びます。大手の消費者金融とは異なり、一部のエリアだけで営業しているのが特徴です。

地域に密着して営業していることもあり、大手消費者金融に比べて街金は審査に通りやすい傾向があります。銀行や消費者金融のカードローンに落ちてしまった人は、街金を利用してみることがオススメです。

闇金と消費者金融を3つの項目で比較

「消費者金融と闇金では何が違うのか具体的に知りたい」と思う人は多くいるでしょう。違法な闇金と合法な消費者金融では、次のような3つのポイントで違いがあります。

  1. 借金に対する金利
  2. 取り立てる対象
  3. 取り立て時の厳しさ

それぞれの項目で闇金と消費者金融の違いを見てみましょう。

借金に対する金利

消費者金融は貸金業法を守って融資する必要があり、貸金業法では上限金利を以下のように設定しています。

  • 10万円未満のお金を融資するとき:年利20%
  • 10万円から100万円未満のお金を融資するとき:年利18%
  • 100万円以上のお金を融資するとき:年利15%

これに対して闇金は上限金利を守っていないため、以下のような金利を要求するのが一般的です。

  • 10日1割で利息が発生:年利3,142%
  • 10日3割で利息が発生:年利1,441,791%
  • 10日5割で利息が発生:年利267,504,316%

闇金は残っている元金と利息の合計額に対して利息を計算するため、明らかに高い金利で返済を要求します。消費者金融に比べて闇金からお金を借りてしまうと、後で大きく損してしまうのです。

取り立てる対象

消費者金融は貸金業法を守る必要があり、貸金業法には取り立てる対象に制限があります。何かしらの正当な理由がなければ、消費者金融は借り手の自宅以外に連絡できません。

また、借り手の親族や知人に返済を要求するのも不可能であり、原則として本人から取り立てます。これに対して、闇金は貸金業法を守らないため、返済を催促するために借り手の実家や勤務先にも取り立てるのです。

申し込むときに借り手の子どもが通う学校を教えていたために、後で闇金が学校に取り立てたケースもあります。闇金は違法な方法で取り立てることが可能であり、滞納した借り手とトラブルになりやすいです。

取り立て時の厳しさ

貸金業法には取り立てに対する規制が複数あり、消費者金融は次のような規制を守って返済を催促します。

  • 8時以前の早朝や21時以降の深夜に借り手の自宅に訪問しないこと
  • 借り手から退去の要求があれば、すぐに退去すること
  • 弁護士などから受任通知があれば、借り手に対して返済を要求しないこと

違法な闇金は上記の項目を守る必要がなく、従来では悪質な取り立てをする業者が多くいました。ですがヤミ金融対策法が成立されてからは、自宅に取り立てる業者はほとんどいません。

最近は闇金の摘発が厳しくなった事情もあり、電話や嫌がらせで借金を取り立てるのが主流です。借金の取り立てで被害を受けたときは、証拠を残すことでトラブルの解決につながります。

危険な闇金を見分けるには

「間違って闇金からお金を借りないようにしたい」と考える人は多くいるでしょう。以下にある3つの項目をチェックするだけで、だれでも簡単に危険な闇金を見分けることが可能です。

  • 企業情報をチェックする
  • 金利や利息を確認する
  • ブラックでも融資可能か把握する

それぞれの項目について詳しく解説します。

企業情報をチェックする

警察から摘発されることを防ぐために、闇金には実態を隠して融資するパターンがよくあります。ホームページやチラシを確認して、以下の項目がなければ闇金であることを疑うべきです。

  • 貸金業者としての登録番号
  • 業者の所在地
  • 固定電話番号

上記の項目を見つけたら、融資を申し込む前に登録貸金業者情報検索サービスで調べてみるのがオススメです。闇金なら貸金業者として登録できないため、検索しても一覧に表示されません。

参考:https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/

金利や利息を確認する

ほとんどの闇金は金利を掲載せず、融資期間に対する利息額を掲載しています。最近では10日で3割や5割の利息を要求する闇金が多く、高い金利を隠すことで利用者に割安感を与えているのです。

しかし正規の消費者金融なら金利を明確に掲載していますし、闇金に比べて明らかに利息は少ないものです。「1週間〇割」「〇日〇割」といった様式で利息を公開している業者には注意しましょう。

ブラックでも融資可能か把握する

自己破産や料金滞納といった理由でブラックになった人に対して、正規の消費者金融が融資する可能性はかなり小さいといえます。返済する見込みのない人にお金を貸すのはリスクが高いためです。

チラシやホームページに「ブラック融資可能」などのフレーズがあったら、その業者は間違いなく闇金です。闇金は法外に高い金利によって、貸し倒れリスクを抑えているのですから。

安全にお金を借りるには

闇金は違法な取り立てや個人情報の悪用をすることが多く、関わると普通の生活を維持できなくなる危険性があります。安全にお金を借りるには、次の3つのポイントを守ることが重要です。

  1. 銀行や大手の消費者金融から借金する
  2. クレジットカードのキャッシングを利用する
  3. クレジットカードの現金化は利用しない

それぞれのポイントについて簡単に解説します。

銀行や大手の消費者金融から借金する

規模の大きい会社は、自社のイメージを守るためにグレーな行為をすることが少ないです。メガバンクや大手の消費者金融を利用することで、トラブルを起こすことなくお金を借りられます。

貸金業法により上限金利は低くて、総量規制によりお金の借り過ぎを防げるのがメリットです。最短1営業日で融資を受けられるカードローンもあり、必要なときにすぐお金を調達できます。

クレジットカードのキャッシングを利用する

もしクレジットカードを持っているならば、キャッシングを利用してお金を借りるのもオススメです。キャッシングは貸金業法の対象であり、低い金利で融資を受けられます。

ショッピング利用額と同じタイミングで返済でき、カードによってはリボ払いを利用して返済額を減らすことが可能です。

クレジットカードの現金化は利用しない

巷にはクレジットカードの現金化を宣伝する業者がいます。キャッシング枠がないときに便利ですが、業者に依頼してクレジットカードの現金化をするのはやめましょう。

ショッピング枠の現金化はカード会社の規約に違反していて、不正が判明したときには一括返済を求められます。現金化を担う業者には悪質なところも多く、カード情報が盗まれるリスクが大きいです。

収入を増やすために闇金が現金化して、個人情報やカード情報を流出させるケースもあります。借金の返済でお金がどうしても必要なときは、先に法律事務所で相談してみましょう。

闇金は違法、消費者金融は合法

消費者金融は貸金業法を守って融資する会社であり、闇金は違法な金利でお金を貸し出す業者です。高い利息や厳しい取り立てによって被害を受けないために、闇金に手を出すのはやめましょう。