1. 司法書士法人ジェネシス WEST
  2. コラム
  3. 相談・解決
  4. 闇金から借りてはいけない!闇金を解約する方法は?

闇金から借りてはいけない!闇金を解約する方法は?

相談・解決

闇金は貸金業許可を持たずに営業する違法業者です。
親切そうに見えても相手は違法業者のですから、利用にはリスクが伴います。お金に困っても、闇金からお金を借りることはやめた方が良いでしょう。
既に利用してしまった方は、すみやかに縁を切る方法を考えることをおすすめします。

本記事では、闇金から借りるとどのようなことが起きるのか、闇金を解約することの難しさ、闇金から借りてしまう原因と対処方法などについて説明します。

闇金を利用するとどのようなことが起きるか

正規の金融機関から融資を受けられない場合、審査が甘い闇金から借り入れしようと考える方もいらっしゃるかもしれません。融資を断られて困っている方には、お金を貸してくれる闇金は地獄に仏と感じられるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
闇金を利用すると、次のような末路が待っています。

手を切ることができなくなる

一般的な契約は、当事者双方がメリットを得るものです。ローンも同様です。

貸金業者は、きちんと期日に返済を続けて返済を終わらせることができる人とのことを、優良な顧客と判断します。途中で返済が遅れることや返済ができなくなることがある人は、信用できない人であり、優良顧客ではありません。貸金業者は信用できない人に対しては貸付しませんので、ここに闇金の需要が生じます。

一方、闇金は正規の貸金業者とはまったく違う認識を持っています。闇金にとっての優良顧客は、長期に渡って利息を支払い続ける人です

闇金は完済させることを目的としていません。それどころか、最終的には利息の返済すらできなくなることを、闇金側も承知しているのです。そのリミットまで、最大限お金を搾り取ることを目的としているのです。

犯罪に加担させられることもある

返済できない場合、闇金に次のような要求をされるケースもあります。
・スマホやタブレット、銀行口座などを渡すように要求される
・詐欺の受け子や強盗などの闇バイトを斡旋される

闇バイトはもちろんですが、スマホやタブレット、銀行口座を契約して渡すことも犯罪です。
もしスマホや銀行口座などを「それで借金がチャラになるのなら」と渡してしまった場合、貸金業法違反の共犯とみなされ、被害者ではなく加害者の扱いを受けることになりかねません

闇金に名義を貸すリスクについては、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご参照ください。

最終的には返済できなくなる

闇金にとっての優良顧客は利息を払い続ける人ですが、闇金の金利はトイチ(10日で1割)、トサン(10日で3割)が当たり前という暴利ですので、返済を続けるのには限界があります。

闇金業者は、限界を迎えた利用者からさらに搾取しようとします。
まずは、本人にもっとお金を稼がせる方法はないか、身内や知人友人に代わって返済させることはできないかを考えます。

フィクションで描かれるような、無理に売春をさせることや、マグロ漁船に乗せられる、臓器を売らされるようなことが、現代日本で本当にあり得るのかは不明ですが、相手は犯罪者であり、反社会的勢力と繋がりがある可能性も高いため、絶対にないとは言い切れません。

解約して縁を切るのが一番

闇金は利用したが最後、人生は破滅に向かって進んでしまいます。そうならないためにも、深刻なトラブルに巻き込まれないうちに、手を切ることが一番です。
しかし、闇金に完済して縁を切ることが難しいのは上述した通りです。完済せずに解約することなどできるのでしょうか。

闇金の解約、キャンセルは難しい

闇金との契約を解約するのは、決して簡単ではありません。闇金従事者は、具体的に刑事罰を受けそうだという危機感を抱かない限り、手を緩めることはありません。

借り手が「やっぱり借りるのをやめます」と解約を申し出た際に、どのようなことになるのでしょうか。以下では、闇金の解約トラブル事例などを紹介します。

闇金の解約トラブル事例

闇金業者からの借入は、正規の契約書を交わしていることはほとんどなく、口約束のみであることが多いため、正式な契約行為とはいえません。ですから、解約すると宣言すればそれで済む話のようにも思えます。
しかし、闇金業者が「はい、そうですか」と、納得するわけはありません。

様々な嫌がらせをされる

闇金は返済をしない利用者に対し、様々な嫌がらせをしてくることがあります。ピザや寿司などのデリバリーを勝手に大量に注文することや、救急車や消防車を呼ぶといった迷惑行為の他、近所にあなたの誹謗中傷を書いた文書を貼るといった嫌がらせがよく行われます。
こういった嫌がらせを行うことで、利用者に対しプレッシャーを与え、止めさせるには「お金を払うしかない」という心理に追い込むのです。

勝手に振り込んでくる

以前闇金を利用していた方や、完済が近づいている方、申し込んだ後でキャンセルしようとした方に対しては、「押し貸し」が行われることがあります。押し貸しは、勝手に銀行口座に振り込んできて、利息を付けた返済を迫るという行為のことをいいます。
「申し込んでいない」と抗議をしても、闇金は聞く耳を持たず、ただ返済するように迫ってきます。

キャンセル料・違約金等を請求される

闇金に申し込んだもののやはりリスクを考えて思い直す方や、相手が闇金であることに気付く方も少なくありません。そこで「キャンセルしたい」と申し出たところ、「キャンセル料を払え」と請求されるケースがあります。
もちろん、正式な契約を交わしたわけでないのに、違約金やキャンセル料を払ういわれはないのですが、闇金側にはそのような道理は通じません。

このような解約が難しい闇金業者と関わってしまった場合、手を切るにはどのように対処すれば良いのでしょうか。次の章では、解約できない闇金への対処法について説明します。

解約できない闇金への対処法

闇金業者と一度関わってしまうと、簡単に解約はできません。このようなしつこい闇金と関わってしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

闇金に強い法律の専門家に相談する

闇金業者と手を切りたい場合、闇金に強い法律の専門家に相談することをおすすめします
闇金は違法業者であるため、対抗するには法律の専門家が最も適しています。

闇金業者は自らの違法性を認識しているため、法律の専門家が介入してくると、手を引く傾向にあります。また、法律の専門家に対応を依頼した後も、しつこく督促や嫌がらせを行う業者に対しては、携帯や口座の使用停止などの法的な措置が取られます。

法律の専門家への相談には、お金がかかるため躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このまま闇金に支払いを続けても闇金と縁を切ることは難しいでしょう。長く闇金と関わり続ければ続けるほど、無駄なお金を支払い続けることになってしまいます。
資金が不安で相談ができないという方は、法テラスの無料相談や費用の立替制度(審査有)を利用することを検討してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:法テラス

また、闇金相談を受け付けている法律の専門家の中には、分割や後払いに対応している事務所もあります。闇金被害を最小限に抑えるためにも、早期に法律の専門家に相談して問題を解決することをおすすめします。

警察に相談する

闇金被害は警察に相談することも可能です。
ただし、闇金被害は一般的に民事事件として扱われ、警察が取り扱うのは基本的に刑事事件のみです。警察に闇金被害を相談したとしてもアドバイスに留まることがほとんどで、問題の解決に至らないかもしれません。

押し貸しに遭った場合

「押し貸しで振り込まれたお金については返還の義務はない」というのが、最近の大方の法律家の見解です。
しかし、押し貸しの被害に遭った場合は、後々トラブルに発展する可能性が高いため、必ず警察や法律の専門家に相談するようにしましょう。

返還義務がないとはいえ、押し貸しされたお金を保管しているのが気持ち悪いのであれば、供託制度を利用するのも良いでしょう。供託制度は、「返済したいのに何らかの事情によりできないお金などを供託所(法務省)が預かっておく」制度です。ただし、闇金の場合、供託制度が利用できない可能性もあるため注意が必要です。
供託制度の詳細や手続き方法については、法務省の公式サイトをご参照ください。

参考サイト:供託手続き(法務省)

連絡先の変更・口座の解約を行う

闇金側に個人情報が知られている場合、可能であれば携帯番号等の連絡先を変更することをおすすめします。また、押し貸しの被害に遭わないためにも闇金に知られている銀行口座は解約した方が良いでしょう。

闇金以外の資金調達方法

正規の貸金業者の審査を落ちてしまったけれど、お金が必要という状況になった時、どのように対処すれば良いのでしょうか。闇金以外で資金を調達する方法はあるのでしょうか。

ソフト闇金も闇金

闇金は危険といっても、「ソフト闇金なら大丈夫なのではないか?」と、考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ソフト闇金もまたまた貸金業許可は持たない、違法な貸金業です。

「暴力的な取り立てをしない」「書いてある利息以上の取り立てをしない」等、従来の闇金との違いを謳っていることがありますが、結局のところ、取り立て方法も利息の法外さも従来の闇金業者と同じです

資金の調達方法として、ソフト闇金の利用は論外です。

正規の貸金業者

消費者金融等の審査に通らなかったため、「もう闇金を頼るしかない」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、次の条件を満たしているのなら、正規の貸金業者からの借り入れが可能である可能性が高いです。

  • 借金の総額(全ての借入額)が、年収の3分の1以下
  • 既存の借入先が3社以内
  • 貸金業者の審査を複数同時に申し込んでいない
  • 過去2年間に、クレジットカードやローンを滞納していない

この条件を満たすにもかかわらず、融資の審査に落ちてしまうケースも珍しくありません。その場合は、他の貸金業者の審査には通る可能性がありますので、別の貸金業者に申し込んでみると良いでしょう。ただし、短期間に融資の審査を複数社申し込むと、審査に通りにくくなる可能性があるため、少し時間を空けるなど注意しましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する

失業した場合や、傷病で働けないために資金が不足しているという場合は、生活福祉資金貸付制度や生活保護等社会福祉制度を利用することを検討してみてはいかがでしょうか。
現在、2020年から続く新型コロナウィルス流行の影響で、収入が減少した方を対象とした生活福祉資金貸付制度の特例貸付や、住居を失う恐れがある方に対する住所確保給付金の貸付けが行われています(令和3年6月末まで)。
詳細については、厚生労働省のサイトを参照してください。

参考サイト:生活保護・福祉一般(厚生労働省)

参考サイト:新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し生活に困窮する方へ

闇金を利用した原因を解消することも重要

闇金を利用してしまった時、闇金問題を解消するのと同時に、なぜ闇金を利用してしまったかについて考える必要もあります。原因によっては、大本の問題を解消しないと、また闇金を利用してしまう可能性があるからです。

ギャンブルや買い物のし過ぎなど、依存症の場合

ギャンブルや不必要な買い物をし過ぎてしまう等で、お金が足りなくなり闇金を利用してしまった方は、依存症かもしれません。
依存症になってしまっている場合、自力で改善することは難しいため、治療が必要なケースもあります。必要に応じて専門家の手を借りて、カウンセリングや治療などを受けることをおすすめします。

参考サイト:依存症対策全国センター

多重債務に陥っている場合

闇金以外の複数の正規の貸金業者から借入があり、その返済のために闇金を利用したという方の場合は、債務整理の必要があると考えられます。

債務整理には、一定期間、新規の借入ができなくなる等のデメリットもありますが、今ある債務を軽減する、もしくはリセットすることができるという大きなメリットがありますので、多重債務で生活に支障を来している方は検討してみてはいかがでしょうか。
債務整理には、自己破産・個人再生・任意整理といった種類がありますので、専門家に相談の上、自分の状況に合った方法を選択すると良いでしょう。

参考サイト:多重債務についての相談窓口(金融庁)

まとめ

今回は、闇金から借りるとどのようなことが起きるのか、闇金を解約することの難しさ、解約できない闇金への対処法、闇金以外の資金調達方法などについて説明しました。

闇金は一度借りてしまったが最後、簡単に解約することはできません。しかも、完済することで関係を断つことも容易ではありません。
闇金とはかかわりを持たないことが一番ですが、もし闇金を利用してしまった場合は、返済を続けるよりも法律の専門家に相談を行い、早期に縁を切ることをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、借金問題に詳しい司法書士と元警察官がタッグを組んで、闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談料無料、着手金は後払いや分割払いにも対応しておりますので、闇金を解約できずにお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。