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闇金の相保証とは|返済できなければ相手に迷惑がかかる?

相談・解決

「知人に紹介された闇金で、相保証ならお金を貸すといわれた」
「相保証で闇金を利用しているが返済できなくなってしまったが、相保証の相手に迷惑をかけたくない」
闇金を利用している方の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
闇金は相保証を条件に融資を行うことがあります。借金の相保証とはどのようなシステムで、なぜ闇金は相保証を提案してくるのでしょうか。

今回は、借金の相保証について説明すると同時に、闇金が相保証を提案する理由とリスク、相保証で返済できなくなった時の対処法について説明します。

借金の相保証とは

借金の相保証というのはどのようなものなのでしょうか。以下では借金の相保証の仕組みと、適用される理由について説明します。

相互に保証人になるシステム

相保証とは、お互いの借金の連帯保証人になることをいいます。一般的に中小企業の経営者同士や、夫婦間で行われることが多いようです。

お互いの信頼関係によって成り立つ

借金の相保証は、お互いへの信頼関係によって成り立ちます。つまり、相保証関係になった相手が借金をきちんと返済することを信じると同時に、相手から寄せられるその信頼を裏切らないように借金を返済しなければいけない責任が生じるわけです。

貸手にとっては貸し倒れリスクの軽減

相保証は、一般的に借金の貸し手にとって貸し倒れリスクを軽減する効果があると思われます。
借入の際に連帯保証人を要するのは、借入額に対して申込者の信用度が不足しているからです。連帯保証人を立てる行為自体、債権者にとって貸し倒れ対策ですが、その連帯保証人と相保証関係にあるのならば、相手への信頼と責任はさらに大きくなるため、よりリスクの軽減に効果的と考えられます。

相保証のリスク

相保証で借金をする側のリスクとしては、相保証で片方が返済できなくなってしまい、夜逃げや自己破産などの手段を選んだ場合、債権者は当然もう片方に対し請求を行います。そうなれば、自分の借金の返済にも支障が出て、結果的に共倒れになってしまうリスクがあります。

もちろん、これは相手側についても言えることで、あなたが返済できなくなった時、夜逃げや自己破産といった手段を選ぶと、相手に多大な迷惑をかけることになるのです。

このように、相保証を行うと、借金の返済が少々困難になっても、簡単に夜逃げや自己破産といった選択をすることはできなくなるのです。

闇金が相保証を提案する理由とリスク

前章では、借金の相保証の仕組みとリスクについて説明しました。
闇金業者がこの相保証を勧めてくることがあるといいますが、それはなぜなのでしょうか。以下では、闇金が相保証を勧める理由とリスクについて説明します。

多くは家族や知人の組み合わせ

闇金業者の相保証でも、友人・知人や家族といった関係の組み合わせが多いと推測できます。しかし、都合よく知人や家族関係にある2人以上が同時に闇金を利用したいというケースは、あまりないように思います。

考えられるケースとして、「信用度が足りないから保証人を立てるように」「保証人もお金を借りれば相保証で貸す」などと説明され、融資を頼みに来た人間にお金に困っている身の回りの人間を闇金に勧誘させるのではないでしょうか。
相保証に誘われる相手も、単に「保証人になってほしい」といわれるより、「自分も保証人になるから」といわれる方が、話に乗りやすいかもしれません。

闇金側にはメリットが多い

相保証は、闇金業者にとってメリットが多い契約だと考えられます。
厳しく取り立てをしなくとも、お互いが返済するか監視しあうでしょうし、相手に迷惑がかかることを考えれば滞納もしにくいでしょう。また、もし片方が逃げたとしても、もう片方が残っていれば、そちらに対し取立てを行えば済みます。

闇金を相保証で利用した時のリスク

闇金は大変な高利ですので、借りた時点ではきちんと返すつもりでいても、返済が行き詰まるケースは珍しくありません。相保証の相手に対する罪悪感があったとしても、どうしようもなくなり、逃げてしまう方もいるかもしれません。

相保証で片方が逃げた場合、自分の返済に加えて相手の借金の返済もしなければならなくなります。通常の借金の相保証でも、片方が返済できなくなった場合、共倒れになる可能性は高いですが、これが闇金の借金となれば、完済することはほぼ100%無理でしょう。
しかし、闇金の借金は返済できなくなったからと言って、債務整理や自己破産で返済を逃れることは難しいです。また、すでに一方が逃げている分、監視が厳しくなっており、夜逃げをすることも容易でないことが予測できます。

返済できなくなった人間に対し、闇金は無理にでも返済させようと様々な嫌がらせを行います。闇金の苛烈な督促や嫌がらせは勤務先や家族にまで及ぶため、失業や一家離散、最悪自殺にまで追い込まれるケースもあります。

闇金の強引な取立ての手口については、以下の記事で詳しく説明していますので、どうぞご参照ください。

闇金の相保証で返済できなくなった時の対処法

闇金の相保証で返済できなくなった時、相保証の相方に迷惑をかけずに済ませるにはどうすれば良いのでしょうか。以下では、闇金の相保証で返済できなくなった時の対処法について説明します。

闇金業者へは返済する必要はない

借入をしているのが、闇金業者である場合、法的には返済する必要はありません

貸金業法・出資法では、年利109.5%を超える貸し付けについては、契約自体が無効で返済しなくて良いとされていますが、ほとんどの闇金の金利はこの上限を超えています。
年利というとピンことないかもしれませんが、例えばトイチ(10日ごとに1割の金利)で借入をしている場合の年利は、単利だったとしても365%です。闇金は複利であることも多いですが、その場合はなんと年3142%以上になります。

また、過去には闇金の貸付けは高利を得るという不法な行為を目的としているため、利息・元本ともに返済する必要はない、という最高裁判決が出されたこともあります。
不法原因給付と過去の判決について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

ただし、だからといって闇金に向かって「違法だから返済しません」、といったところで、鼻であしらわれるか激高させるだけでしょう。

相方に相談する

返済できなくなった時、まずすべきなのは、相保証の相方に相談することです。
相保証という形を取っている以上、自分ひとりの問題ではありません。あなたが逃げた場合、相手に負担がかかることは避けられないのです。
そうならないためにも、できるだけ相保証関係にある二人同時に闇金トラブルを解決することをおすすめします。

警察に相談する

闇金問題を解決したいと考えた場合の相談先として、真っ先に思い浮かぶ場所は警察かもしれません。
警察に闇金被害の相談をすることは、可能です。過去には相談に行っても、「自分で借りたのだから返しなさい」「元本は返済するように」と門前払いを受けることもあったようですが、2006年のヤミ金融対策法の施行や、上述した最高裁の判決などを受け、警察も闇金被害へ積極的な対応を取る方針に変わってきています。

ただし、警察の闇金対応はほとんどの場合、アドバイス止まりとなり、具体的な対処が行われることはあまり期待できません。なぜなら、闇金問題は一般的に民事事件として扱われ、警察は基本的に民事不介入であるからです。警察に真剣に取り合ってもらいたい場合は、刑事事件に繋がる証拠を示す必要があります。

法律の専門家に相談する

闇金被害を早期に解決したい場合、法律の専門家に相談するのが最もおすすめです。

上述した通り、闇金からの借金は法的には返済しなくて良いものです。法的に、というところがポイントで、法律を根拠として戦うには、法律の専門家に依頼するのが最適ということです。素人が何を言っても、闇金は相手にしてくれないでしょうが、深い知識と実行力を兼ね備えたプロが出てくれば話は別です。

闇金問題に法律の専門家が介入した場合、一般的に1~2日程で連絡は来なくなるといわれています。中にはしつこい業者も存在するかもしれませんが、その場合は、依頼した法律家に相談することで、さらに法的な措置を取ってもらうことが可能です。

法律の専門家に相談するデメリットとしては、費用が掛かることです。しかし、闇金問題は、長期化させればさせるほど、悪い方向に進んでしまう恐れがあります。闇金問題を専門に扱っている法律家の中には、分割払いや後払いに対応しているところもありますので、現時点で手持ち式が不安な場合は、そういった所を探してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、借金の相保証とはどのようなものであるか、闇金が相保証を提案する理由とリスク、相保証で返済できなくなった時の対処法などについて説明しました。

闇金はもちろんですが、正規の貸金業者や銀行などからの借入でも、相保証はリスクの高い行為です。また、連帯保証人になるという行為自体、大変なリスクを負う行為ですので、よほどの事情がない限り辞めた方が良いでしょう。

闇金からの借金については、法的には返済の必要はありません。もし闇金業者から相保証で借入をして返済が難しくなった、もしくは相保証の相方が逃げてしまい困っているという方は、法律の専門家に相談して解決することをおすすめします。

我々ジェネシスWESTは、闇金業者への対応経験豊富な司法書士と元警察官が力を合わせて闇金トラブルを解決する司法書士事務所です。相談は無料で、着手金については後払い・分割払いにも対応しています。24時間・年中無休で受付しておりますので、闇金トラブルでお困りの方は、一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。