1. 司法書士法人ジェネシス
  2. コラム
  3. 闇金の手口
  4. システム金融について具体的な事例や闇金融との違いを解説

システム金融について具体的な事例や闇金融との違いを解説

闇金の手口

昨今経済的な社会問題として、闇金融の他にシステム金融という金融業者に関連する問題がみられるようになってきています

システム闇金融というと、高度なIT技術を使った金融業者なの?とイメージするかもしれませんがそうではありません。そしてこのシステム金融というのは、一般的に知られている闇金業者とは異なります。かといって一般的に知られている闇金業者同様、法外な高金利利息を求めてきます。

またシステム金融というのは、一般的に知られている闇金業者をはるかに超える厄介な部分があります。そこで今回はこのシステム金融につきまして、一般的に知られる闇金融との違い・具体的な融資事例にも触れながら解説致します。

システム金融とは?

システム金融

システム金融業者とは、主に中小企業向けにFAX・メール・ダイレクトメールで融資の話を持ち掛けてくる金融業者です。FAXでの勧誘が多くなっています。企業からの融資申請に対しては、面談なしに融資するところもあります。ここまでの話の時点では、闇金はもちろん銀行・優良貸金業者よりも良くない?と思うかもしれません。

融資方法

融資問い合わせ後経営状況などを聞き、あたかもプロの融資業者ですよなどといった感じに思わせます。仮に無事融資実現できたとして、すんなりお金調達できてよかったねと良い気持ちでいられるのは最初の2・3週間程度といったところでしょうか。

しかしながら、世の中そんなに甘くはありません。システム金融も従来の闇金融同様、はるかに法外な高金利・倒産まで追い込んでくるという非常かつ反社会的な金融業者なのです。

個人向けも存在してきています

システム金融の手法は、個人にも及んできています。数万円のわずかな資金を貸し付け、法外な高金利を押し付けてくるのです。このご時世どこでどのように個人宅の名前やFAX番号が漏洩するかはわかりません。見知らぬFAX番号・業者名からFAXがきて「融資案内のお知らせ、低価格から低金利で低い審査基準で融資可能」などと書いてあっても注意・用心が必要です。

一般的な闇金融との違い

回収方法

一般的な闇金融は現金回収であるのに対して、システム金融は手形や小切手(会社の当座預金口座に現金でが必要です)で回収します。後述しますが、この回収に手形や小切手が使われるというのが難点になってくるのです。

執拗な返済催促連絡をしなくてよい

一般的に知られている闇金業者は利息返済が遅れる・滞ると1日に何回も何十回も電話してきて、「金返せ!返済はどうなっているのだ!」というように怒鳴り散らしてきます。システム金融はこの傾向はありません(絶対にないとは断言できません)。

よく考えてみると、この電話で1日に何回も何十回も怒鳴り散らしてくるという行動はとても疲れます。返済催促のためとはいえ、自分がいざこれをするのを想像すると嫌になります。システム金融業者からみると、借り手は会社をつぶさないためにお金を調達しないといけませんので闇金融よりは楽な方法となるのです。

正体や居場所が特定され難い

電話やFAXのみによる営業なので、債務者に知られるのは電話番号・FAX番号のみです。郵便物は郵便局留めにしておけば、住所は正しい住所を書く必要はありません。それゆえなかなか警察も捜査・摘発へとは至り難いわけです。

具体的な事例

ある経営者の方は当てにしていた入金が諸々の事情でダメになったので、会社に来ていた融資案内のFAXの業者に連絡。翌日金融業者2人の男性が来社しました。FAXに書かれていた金利よりもあまりに高い金利なので断ろうとすると、譲歩案を出してきたのです。

「10日後の決済を頂ければ銀行より安い利率にしますよ」「保証人や担保入りませんよ」と延々と説得され、こちらの経営者の男性もお金が必要なので渋々借り入れたのです。

100万円の借り入れに対し10日毎に30万円の利息を6回支払うも、お金の準備が間に合わなくなり1度は弁護士の方へ相談なさいました。しかしながらこちらの弁護士の方が、あまり即効性のある対応をできずに、システム金融対応が可能な法律事務所へ行ったという話です。

このように一時しのぎでいいから、多少無茶な金利でも資金調達が必要。しかも担保・保証人なしで借りたいという方が利用する・ターゲットとして狙われるわけです。それなりにうまく回っている会社の代表からみると、そんな手に引っかかる人がいるのか?と思うかもしれません。

しかしながらシステム金融を利用せざるを得ない事業者というのは、もうまともな当ては全部回り切って藁をもすがる思いで冷静な落ち着いた判断はできない心理状況です。やはり目の前の一時しのぎというのが大きいのです。

システム金融から融資を受けるとどうなるの?

先程システム金融は、手形や小切手で回収すると記しました。この手形や小切手を、迷わず交換に回します。そしてシステム金融は、不渡り・倒産まで追い込もうとしてきます。借りた会社としては不渡り・倒産にするわけにはいきませんので、せっせと働いて返済できるように努めます(半年間に2回不渡りが出れば、銀行取引停止で倒産は免れません)。

またシステム金融業者は仲間・知り合いなどで別のシステム金融を運営し、顧客の情報を共有します。あるお客様の返済状況が厳しくなってきたところを見計らって、別のFAXで融資の勧誘をしてくるのです。このように電話・FAX・手形・小切手による、非常な融資・回収のシステムができています。これでシステム金融と呼ばれるのです。

この一方で、優良貸金業者は債務者が事業を続ける方が、長期的に利息の返済で儲けられるので相談に応じる業者があります。話が都合よく進む場合無担保・無保証人という好都合で資金を調達できる代わりに、ここまで悲惨な状況が待ち受けているわけです。平気で倒産に追い込もうとするのか・事業継続させようとするのかが優良貸金業者とシステム金融との違いともいえます。

システム金融・摘発逮捕事例

複数の闇金融業者がグループを作り、システム金融業を営んでいたとして警視庁が出資法違反(高金利)容疑で30代男性(東京都在住)を逮捕しという逮捕事例があります。このグループでは情報を共有する顧客に高金利で貸し付けを繰り返し、9店舗でシステム金融が運営されていました。このグループでは7年間でトータル43店舗を運営し、約14000人の顧客から利息約27億円を受け取っていました。

当グループは多重債務者リストを利用した顧客名簿や貸付けデータなどを保持していました。一度返済が終わった顧客に、再度「借りませんか?」と勧誘していたのです。このように逮捕・摘発がないというわけではないのです。

システム金融対処法

闇金と違い強敵です

システム金融に対しては、闇金以上に高度な知識や腕が必要です。まず手形法・小切手法の知識の他に、手形交換所の規則の知識が求められます。そして実務で培う必要がある、システム金融に対抗できる熟練したノウハウが必要なのです。ここが闇金対策との違いの一つです。闇金対策の場合法律事務所によっては、ノウハウがある程度確立されているところさえあります。

手形・小切手の返還に応じるか否か

比較的スムーズにいく場合は、司法書士や弁護士が介入すれば手形・小切手の返還に応じる業者もいます。しかしながら返還に応じず、手形・小切手を回す業者もいます。

教科書通りの対抗策はあまり意味がありません

2号不渡りにするため異議申立預託金(異議申立提供金)を積むように(要するに不渡り処分が猶予されるようにすること)とアドバイスする専門家がいるかもしれません。しかしながら手形額面と同額を準備する必要がある異議申立預託金を簡単にできる状況なら、システム金融など頼る必要はありません。しかも仮に異議申立預託金を積んだ場合、この資金は最長2年間返ってきません。よってこの方法は現実的ではありません。

2号不渡り:契約不履行・偽造・詐取・盗難・紛失などに起因する不渡りをいいます。異議申立制度:不渡り手形・不渡小切手の振出人(引受人)に対する不渡り報告あるいは銀行取引停止処分を免れるために、振出人などの依頼によって支払銀行が一定の手続きによって手形交換所に対して行う申立のことです。この異議申立が認められるのは、不渡りとなった手形・小切手の不渡り事由が契約不履行・偽造・詐取・盗難・紛失・変形など(第2号不渡届)の場合に限られます。

手形を取り戻す

システム金融に本当に対抗する専門家の所は、試行錯誤し様々な手段を用いて手形をもっている本人と直接連絡を取ろうとします。そして手形を返させて、1号不渡りを回避しようとします。

異議申立預託金は最終手段

先程上記で記した異議申立預託金は、システム金融に本当に対抗する専門家の所でも最終手段として頭の中に入れているでしょう。そして依頼者が異議申立預託金を準備できても、このお金は原則使わないという方針の傾向があります。

対策に準備がかかる

システム金融対処では、手形・当座勘定照合表・小切手長のミミ・業者に送付した手形・小切手のコピーなどを使いながら各々システム金融業者とのやり取り内容を詳細に整理・書き出すという作業が必要です。これにはそれなりの時間がかかると考えておく必要があります。

まとめ

以上システム金融について述べてきました。従来の闇金融とは全く手法・取り立ての仕方・儲け方などが違うとおわかりいただけたのではないでしょうか。そして最も大きな違いであり最も厄介な点として、専門家に相談しても従来の闇金と異なりすぐには半分気持ちが落ち着いた状況にはなり難いという点です。

従来の闇金の場合、司法書士の方・弁護士の方がその場で電話して返済催促電話はその日のうちになくなるといったケースがあります。一番重要なのはどれほど資金で困窮しても、システム金融からの資金調達だけは何が何でも避けるということです。